ちょい前ですが・・元フジテレビアナウンサーの長谷川氏が
というのを書いていて、自分も「この人、なに適当な意味不明のことばかり書いてるんだ。それにしてもアメブロの芸能人ブログみたいに行間がぱらぱらでマジで読みにくい」と思っていたら、片岡英彦さんがカミソリのような鋭いツッコミで一刀両断にしてました。
そして「テレビがつまらなくなった」ことの本質は「中途半端な知識や情報」「手抜きした取材や準備」「正確でない誤った情報」など、番組を「しっかりとした人」が「しっかりとしたリソースを使い」「しっかりとした内容」で作らなくなってきたことが多くなったからだと私は思っている。さらに、テレビがメディアの中でも絶対的優位にあった時代から、他のメディアやエンターテイメントが数多く生まれ視聴者の好みが多様化した。テレビの優位性が低下しているからだとも思う。
ほんとそう。無知臭の漂っていたみのさんや、スーパー適当な古館さんをはじめ、アンカーマンのレベルが低すぎる。しかし昔のように「しっかりした取材の」「丁寧で正確な情報」をテレビが伝えたらどうなるか。間違いなく視聴率が低迷して打ち切りになるはずだ。これからその理由についてキャズム理論(マイブーム!!)を駆使して説明したいと思う。
新聞の読者層と同じくテレビの視聴者層も変化している
ちょっと前、こんなエントリーを書いたらバズりました。いろんな新聞社の方からもご相談のメール頂きました。
新聞はどうして売れなくなったかをキャズム理論で説くとすぐわかる
簡単に言うと、世の中には、自分で積極的に情報を取りに行く「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」というアクティブな層と、自分で取りに行かずに流れてきたら見るだけの情報取得に消極的な「レイトマジョリティ以下」のパッシブ層がある(はず)。日本の95%以上がパッシブ層で、アクティブ層は5%程度とわたしは推測しております。このポジティブ層とパッシブ層の間には深いキャズム(谷)がある。
従来は家庭のお父さんがアーリーアダプターであり、アクティブ層であった。お父さんは世間の物事やニュース、野球の結果などを知るために新聞を取っていた。家族はパッシブなのでお父さんが見終えた新聞を見たりして、子供はそこから新聞を読む習慣を得た。
ところが新聞、雑誌などの紙のニュースは時間差が大きい。ニュースを知るのは半日〜1日遅れなのが致命的。鮮度が落ちたら情報では無い。かくして情報にたいしてアクティブな層は新聞から離れてネットに情報源を求めていった。そうなると家庭の情報に対してパッシブな層は新聞自体に触れる機会が減り、新聞は衰退期に入ったという次第です。
ではテレビはどうなのか。
テレビは完全にパッシブな層に向けてのメディアです。まず番組の放送時間は勝手に向こうが決める。ニュース専門チャンネルがあるとしても、自分の見たいニュースを探して見ることはできない。アクティブ層は災害や原発事故やオリンピックやワールドカップのような生中継以外、物足りなくてかじりついて見ることはあまりない。というよりそもそもアクティブ層は社会に出て働いているのでテレビの前に1日座っていられないのである。かくしてテレビの視聴者の大半はパッシブ層になった。
テレビはそれに合わせて中身を変えて来たと思う。パッシブ層は低予算の番組でも問題なく面白がってくれるからだ。というより、ダダ流ししているだけだから気にもしない。
パッシブ層にどんどん特化してきたテレビ
テレビの「情報番組」ほど、情報とは言えないものを垂れ流しているものは他に無い。でもそう感じるのはあなたが情報に対してポジティブだからである。キャズムがあるのでパッシブな人たちの気持ちがわからないのだ。なんで食べログで評価がボロクソなのに、情報番組ではタレントがめちゃ誉めるのかが理解できない。朝の情報番組で「今日の血液型占い」みたいなスーパー非科学的なのをやっているが、パッシブな人たちはアレを見て
きゃー!魚座は今日は出会いがあるって嬉しい!!
って思うのである。お笑い芸人と馬鹿ドルがダラダラとトークしている番組も、パッシブな層にとっては心地良いのである。真剣に考えたりしないで済むからだ。
考えてみたらわかる。いま、テレビで「しっかりとした人」が「しっかりとしたリソースを使い」「しっかりとした内容」の報道番組を作ったら、見ている人の大半は情報に対してパッシブだから、「なにこれ、難しい」「わかんないから〜」とチャンネルをあっさり変えて、お笑い芸人のトークを見るのであります。ああ、現代ニッポン・・。
上記のことを私的にまとめるとこんな感じです。
これは使用頻度では無い。情報取得に消極的でもLINEや楽天でネットには接続しているわけですので、「情報取得の依存率」と考えてください。
そんなわけでテレビは「情報を求めない」人のために「情報番組」と称したタイアップとか、ヒモ付きの情報を垂れ流しし、安いギャラで使える芸人と芸能人でくだらない番組を量産するようになった。すまん、「くだらない」というのはポジティブな層がそう感じるだけで、パッシブな層は「考えなくてもいいから大歓迎」なのであります。
従って「テレビがつまらない」と感じるのは、あなたが情報に対してポジティブだからそう思うわけであり、日本人の大半のパッシブな層は「面白い」と思って27時間テレビを見ているのであります。情報はなるべく浅く適当に!を合い言葉にやってきたから、元アナウンサーの長谷川さんはそのやり方が染みついているのでああいう意見を適当に書くわけです。
で、レイトマジョリティがすべて「情報についてパッシブか」というと、そんなこともない。中には「情報は理解したいけれど新聞は毎日読むほどの気力が無くなったし、ネットはよくわからない」という方(主に年寄り)もいる。そういう方に引っ張りだこなのが池上彰さんなのです。池上さんはわかりやすい言葉で「人には聞けないこと」も説明してくれる。情報の伝道師なのです。
ココに物凄いビジネスのヒントがあるかもね
昨日たまたま、IT系で起業したエンジニアの人とSkypeで話したんだけど、キャズムを埋める「情報の伝道師」的なツールとかメディア(たぶん形を変えないとキャズムを超えては来てくれない)をテクノロジーの力で解決するようなものができれば、Facebookみたいに世界を変えられるんだけどな、と言いました。ソシャゲみたいに「レイトマジョリティから搾取する」という考え方ではなく、キャズムを埋めるもの、誰か作ってください。いくつかアイデアはあるけど、これはもう誰も考えつかなかったようなものじゃないとダメだから、自分のアイデアではまだ自信が無い。
でも、こうしたものを開発したいのなら、自分もパッシブな人の視点を持たないとダメなのである。マイルドヤンキーの友人に混じり、地元の行きつけの居酒屋で中学からの同級生と「地元サイコー」といいながら呑まないとキャズムのせいで理解できないのである。幸いわたくしはサーフィンが好きなので、こうしたクラスタの知り合いがたくさんおりますぜ。
で、時々Amazonで買ったオススメ商品を紹介してるんだが、実はこのコーナーが結構好評なのよ。最近の一番のあたりはコレだ!!なんと3000円以上するバルサミコ酢なんだが、こんなので驚いていてはいかん。Amazonでは万単位のバルサミコ酢がうようよしている。自分ごときにはもったいないのでこれで勘弁してやったのだが、「もうなにこれ、すごい」というくらい違う。主に夏野菜とか刺身に特上のオリーブオイルと一緒にかけて食べるのだが、マジでヤバすぎる。あぶく銭がはいったら万単位のも食してみたいものだ・・・(夢)