昨日、感銘を受けたツイート
糸井重里さんが語る一番効くコピー「例えば、"洗って干して畳んでくれる洗濯機"っていうコピーがあったら絶対売れますよね。表現技術も何もいらない。実はこれが一番効くコピーなんです。」http://t.co/AK1oAIBvHp 日本通信販売協会会報誌2012年9月号より。
— yuri (@syoyuri) 2015, 1月 5
糸井さんは文章力が富士山よりあるんだが、単にコピーを書くだけではなくて、商品開発にも精通されている。マーケッターでもあるわけで、上記のツイートはそれを意味している。
つまり、もっとも効くコピーライティングは、顧客のニーズをそのまま汲み上げたもの、ということになる。100%顧客視点です。
しかし、ほとんどの人はそれができない。実際自分もスマホ連動する洗濯機より「洗って干して畳んでくれる洗濯機」のほうが1億倍くらい売れると思うが、家電メーカーが開発しているという話は聞いたことがない。
世界に先駆けた日本の携帯がなぜ負けっ放しになってしまったのかということがよく言われ、やれスマホ対応が遅れただの、キャリアの買い付け保証がおかしかっただの言われるが、自分はもっと簡単だったと思う。要は開発者が商品としてiPhoneのようなものを考えつかなかったか、考えついたとしても社内稟議を通らなかったからだ。
シャープがJ-フォンのときに写メールを開発し、いまではカメラ付き携帯が当たり前になっている。これを考えついた人は凄い。確かに顧客視点はあった。
この写メールを産みだした人は高尾慶二さんという方らしい。この方がまだモバイル端末やっていたら日本の携帯も世界に通用していたかもしれないが、現在はやはりJーフォンを離れていらっしゃいました。
当時のJ-フォンは、資金力で高速通信環境を提供するDocomoやauに負けていました。
ユーザー増のための策として我々の強みはメール機能だったので、メールをさらに進化させる方法を四六時中、夢にも出るほど考えました。ある時、長崎から出てきた両親を連れて箱根に旅行に行くと、ロープウェーで一緒になった60歳くらいのご婦人が一生懸命メールを打っていたのです。当時では珍しい光景に思わず目が行きました。後になって、「あのご婦人は景色の素晴らしさをメールで誰かに伝えていたんじゃないか」と思ったのです。百聞は一見に如かず。今見ている景色をそのまま写真に撮って送ることができたら、もっとエモーショナルに相手に伝える事ができる。これは、メールを進化させることができる方法だと思ったのです。
んで、みんながみんな賛成するものは成功しない。賛成と反対が対立するくらいのが良いと言われていて、ソニーの故盛田会長がウォークマンを開発しようとしたときに社内から「こんなもの売れない」と猛烈に反対されたという伝説がありますが、こちらも
同時期にDocomoやauは携帯電話に音楽プレーヤー機能をつけたため、営業責任者からは「こんな物売れるはずが無い」と言われ大喧嘩をしましたが、社長や専務が私たち開発チームを信頼して下さったため、“写メール”を世に送り出すことができました。
http://sugoihito.or.jp/2013/07/6789/ より
そのまんまやん・・・
わたくし思うに、日本は失われた20年で経済がめちゃくちゃ停滞してしまったわけですが、経済が停滞するとサラリーマンは上に対してものが言えなくなる。逆らえば「辞めていいよ」になるからだ。こんな中では優秀な人間は組織を去って起業するか、もっといい起業にヘッドハントされる。残るはイエスマンばかりになるから、社内の強烈な反対を押し切るなんてことはしなくなる。ソニーをはじめとする家電メーカーの衰退はこのあたりに根っこがありそうな気がするんですが、どうでしょう。
自分が洗って干して畳んでくれる洗濯機なみにほしいもの
昨日、打ち合わせしているときに出た話なんだが、最近は「肉」に関するソーシャルの投稿が多いでしょ。焼肉部とか肉会とか、儲かってんだか儲かってないんだか全くわからないビジネスモデルもあるが(儲かってない方に10000カノッサ)、「肉」っていう響きは若い女の子にも響く。
でも、ちょっと待って。テレビで出てくる高級な但馬牛とか松阪牛はみんな霜降り。石ちゃんはめちゃくちゃ美味しそうに食べるが、震災の時に分かったように、あの手の牛は出荷が数週間遅れると死んでしまう。つまり死ぬ寸前の牛なのだ。ニュージーランドでは牛に牧草以外の穀物を食べさせるのは禁止されているという。
で、思うんだが、生産農家さんは、「霜降り=高級」という固定概念に縛られていないか。
我々おっさんは霜降りなんて脂っこくて1センチくらいしか食えない。それよりめっちゃ旨い赤身が食いたい。ヒレがそうなんだが、高級牛のヒレは価格も超高いしさらにはヒレのくせに霜降りだ。そんなの求めてない。味が濃くて柔らかでジューシーな赤身の牛肉を専門に作る生産農家があってもいいんじゃ無いかと思う。生産農家も高齢化でじーちゃんばーちゃんが大半だと思うが、霜降り牛肉なんて自分では食べてないんじゃないの?? 自分たちで食べて美味しいと思う「赤身」の牛肉を試験場と一緒に開発し、我々おっさん、おばはんや高齢者の富裕層に向けてリリースしてくださいよ。お願いします。
味が濃くて柔らかでジューシーな赤身の牛肉
糸井さんに比べるとずいぶん落ちるが、これがわたしの一番効くコピーです。洗って干して畳んでくれる洗濯機と同様、作れるかどうかまでは知らん。
↓昨日ブログで紹介したらアマゾンで売り切れになり、ビジネス企画ジャンルで1位になっちゃいました。
広告コピーってこう書くんだ!読本