本日はメルマガの日。先週回答したのですが、切実な質問がありました。
最近自分の知人がネットワークビジネスを始めました。因みに前職は美容師で、なぜ始めたかを聞くと、毎日長時間労働と休みが全くない状態。給料も低く会社の売り上げも下がっており将来が全く見えないとのことで、お金と自由を求めネットワークビジネスを始めたとのことです。この友達に何を言っても辞める気はせず(洗脳されているので)続けるつもりのようです。ここで私は考えたのですが、世間一般でネットワークビジネスは友達を失う、やってはいけない。と言われていますが、なぜやってはいけないのですか?上手く友達にも説明ができません。
深刻です。ネットワークビジネスにはめられてしまう人の多くは、貧困層だったり、知的レベルが高くない人たちです。お金は稼ぎたいが、まともに稼ぐ方法が見当たらない。そこで「簡単に稼げる」と言われてマルチにはまるわけです。
単なるネズミ講は法律で禁止されていますが、間に商品やサービスが介在するネットワークビジネスは厳しい規制を厳守するのであれば合法です。基本的には
自分で商品を売るより人を勧誘する方が儲かるのがマルチ
ということなのですが、公務員は副業禁止規定があるのでやったら懲戒解職。ネットワークビジネスの規制の代表としては広告への一定事項の表示の義務付けや誇大広告の禁止があり
絶対儲かると言った瞬間にアウト
なのです。ネットワークビジネスって長いので以後はマルチって書きます。
一時Facebook広告にマルチのウザイ広告が山ほど出たことがありますが、Facebookは規約でマルチの広告を禁止しています。ガイドラインより
マルチの場合、どういうことをするといくらの報酬があるかきっちりと書かないとならないという法規制があるので、Facebook広告程度では書き切れるわけもなく、したがって掲載不可なのです。以前絶対儲かる的なウザイ広告を出していたマルチの皆さんはみんな犯罪者ですね。
で、どうしてマルチは儲からないのか。儲かるのは最上部の人だけで、ほとんどの参加者は単なるエサになります。で、そのマルチが行き詰まると上層部は逃げてまた別マルチを創り「今度は本当だから」とまた別のマルチの被害者を誘います。裏でつながっているケースが普通。
大金を払っていかにも売れそうな「気配のする」商品やサービスを販売する権利を買うわけですが、今の時代、そんな商品なんて掃いて捨てるほどあるわけで、そんな商品を頑張って売ってもいくらにもならない。自分の下部を勧誘してそいつに売らせようとみんなが思って友人をしらみつぶしに勧誘してみんなに縁を切られるわけですな。
サラリーマン金融道のこの巻で詳しく解説されてますぜ
まあ、いわゆる情報商材屋の大半もマルチ的なやり方であり、「儲かる方法教えます」と下部組織を増やしていくわけで、いずれ法規制がされるものとは思いますが、どうしてマルチは上層部しか儲からないのか、これが一番よくわかる事例が去年話題となって一瞬でおわったtsu(スー)です。
話題のTSU(スー)がネズミ講ソーシャルまっしぐらでお腹痛すぎ!!
ネズミ講ソーシャルのTSUの早すぎる終焉。わずか2ヶ月で頭打ちで爆笑
↑我ながらオモシロス。tsu内でいろいろdisられた私が語ります
入って来た広告収入を勧誘した子ネズミの数などに応じて分配しますよ的な、昔から何度も同じような物が出ては消えていったサービス。情報商材屋やマルチ屋が「これからはtsuだ」とFacebookで吠えまくっていたことが昨日のようです。ではいまどうなってるのかというと
ほぼ終了。アクセスは激減してスタート時点に巻き戻し。誰がやってんのかと思うと
いまはモロッコとアルジェリアで大流行の兆し。www 人口3000万のモロッコと4000万弱のアルジェリアは「楽してガポガポ」系が多いのか・・
広告はGoogleのAdSenseは外され、リンクシェアも切られたのか現在はリタゲのAdrollの広告のみ。アクセスの多くにリスティング広告を使っているため、相当にお金使ってるはず。増資したらしいがこれじゃすぐ資金も尽きるわ。閉鎖も秒読みと思われます。
誉めまくっていた情報商材屋さんの多くは禁止されているアフィリエイトを投稿して除名され(笑)、儲かると騙されて「自動子ネズミ作成ツール」とか騙されて買ったみなさんも大損。
なぜにマルチは儲からないのか
このtsuの失敗を見ると、マルチで儲からないということが明らかに分かる
1 普通の人は子ネズミを集めようとしても友達無くすだけ
そもそもtsuのアクセスが落ちた要因は明らかで、某与沢みたいなやつなら子ネズミはすぐ集められるが、一般の人、冒頭の質問にあったもと美容師のにーちゃん程度ではいくら頑張っても数人程度しか無理なんです。つまり最初から搾取されるだけの存在なわけ。tsuでも同様に子ネズミを集めようとしてFacebookに投稿しまくって友人無くした馬鹿も多いと思われます。でもって数人〜数十人集めた時点で挫折してアクセスもしなくなったと。
2 集まる馬鹿の数には限りがある
よくネズミ講を表現するのに、「ひとりが10人勧誘すると何代目かで総人口超える」とかいいますが、実はそこまでいくわけもなく、2代目あたりで早くも拡大は止まります。それは
引っかかる馬鹿の数には限りがある
ということなんです。世の中はまだ捨てたものじゃなく、利口じゃなくても真面目にコツコツ働いている人たちに支えられています。「働かずにガッポガポ」を夢見る人って意外と少ないんです。よってすぐに拡大が止まる。tsuも同じで、欲の皮の張った人たちに一気に広まったが、そこで急停止したというわけですな。
一人の馬鹿が何度も別のマルチにはまり、親の遺産を全部無くすみたいなのはよくある話。同じ人が何度もはまる構図は「サクラだらけの出会いサイト」「重課金のソシャゲ」に共通するものと思います。そんなわけで、質問に戻りますが、生活に苦しむ元美容師の友人にはどういうアドバイスをすべきなのか、それは先週号のバックナンバーを買っていただくとわかりますぜ。(営業)
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