こんな時代なので、わたくしのメルマガには「まともな副業で月10万円くらい稼ぐ方法はないか」的なお問い合わせがけっこうあります。こういう方のニーズを食い物にするのが情報商材屋で、この間このKindle本を紹介したら著者の方からお礼のツイート頂きました。300冊以上売れてランクインしたそうです。
この本には実際に販売されている実際の「情報商材」の中身ってこんなもんだよというものが書かれていて、マジでくだらないことがよくわかる。儲かる系の情報商材はなんの役にも立たない内容のものを「いかにも役に立ちそうに誤認させて」馬鹿を騙して売りつけ、儲ける手段に過ぎない。このだまし方自体がマルチ商法として販売される仕組みになっているわけだ。
話は戻る。よく頂く質問にたとえば、「せどり」は実際に儲かるのでしょうか、というものがある。せどりというのは古本屋で価値の割に価格が安い本を探してAmazonで高く販売するというビジネスモデル。本だけでは無くて最安のネットショップでカメラやゲーム機を買って、ヤフオクで利益乗せて転売して「儲ける」というのもある。ヤフオク見るとやってみたが、全く入札が入らず、しかも新品価格はどんどん下がっているから泣き面に蜂のIDがけっこういますよね。ハイリスク・ローリターンのこんなことをよくやるものだ。
結論でいうと、儲かった時代はあると思うが、情報商材屋が「せどりが儲かる」という情報商材を売り出した時点でこのビジネスモデルは終わっている。株の世界ではディトレーダーがいない時代には、「どんなに高騰している相場でも素人が手を出し始めた時点で終わり」と言われていたが、それと同じことです。
素人向けのノウハウ本や情報商材がビジネスモデルを潰す
もし本当にせどりが儲かるなら(実際には儲かった時代もあった)、誰がそのノウハウを他人に教えるだろうか。ライバルが増えれば増えるほど自分の儲けが減るのに、そんな優しい人がいるのか?? いるわけない。ということは、それを本にしたり、情報商材にするのは
やり方を教える利益 > 実際にやる利益
だからです。本当にガンガン儲かるなら、せどりの情報商材なんか売っていないで自分でブックオフをガシガシと回りますから! 「せどりがまだまだ儲かる」って情報商材売ってる点でお腹痛いです。まだまだ儲かる = もうほとんど儲かってない、からですからね。素人がちょこっとやるくらいではもう儲かりませんって自分で言ってどうする。
加えて「Facebookでガンガン儲ける」のが可能なら誰にも言わずに自分でガンガン儲けてます。「Facebookでガンガン儲ける方法」というのは
Facebookをネタにあなたからガンガン巻き上げて自分が儲ける方法
な訳ですね。わかります。
つまり、情報商材やノウハウ本で「ガンガン儲かる」と言われ出した時点でそのビジネスモデルはほぼオワコンになっているわけです。なぜなら・・・
参入障壁の低いビジネスモデルはすぐに競合が乱立する
という鉄則があるからです。ノウハウ本は参入障壁を大きく下げる。下げられたことで競合が多くなれば利益は下がり、臨界点を超えると赤字に転落する。残るのは多額の資本があって数で勝負できるか、非常にオリジナリティの高い商品やサービスで勝負できるところだけです。ラーメン屋で考えればわかる。巷のラーメン屋は日高屋や幸楽苑のような大規模資本系と、味にこだわる独立系しか残っていない。素人が脱サラして修行もしないで簡単にラーメン屋はじめても絶対失敗するわけです。
上記のように、すでに巷で「儲かる」と言われているビジネスは、素人までの認知が浸透した時点で儲からなくなる。そんなところに素人が参入しても、暴騰した仕手株を「この株が上がってる」って聞いて素人が買うようなもの。損して終わるだけです。
素人の副業こそ参入障壁が高いものを考えよう
ネットショップを始めるなら、誰でも簡単に仕入れられて販売できる物は競合が乱立するから成功はしづらい。よってドロップシッピングとか卸サイトで仕入れたものを売るのは、よほど宣伝広告を投入したり、大量に仕入れて仕入れ価格を叩けるだけの資本力が無いと勝負にならない。数年前に個人でアメリカのアバクロで買い付けた商品をネットで販売しているが全く売れないという相談を受けたが、ヤフオクに数千、数万点出ていてハワイにでも行けばいくらでも買える商品を扱うだけで間違っているのだ。
では、どういうものが参入障壁が高いのか。それは自分しかできないことをやることです。
※ネットショップ※
友人の奥さんで人形の洋服を自分で作って販売している方がいるが、けっこう調子いいそうな。手先が器用な人は「自作」というのが一つのキーワードでしょう。海外からもってくるなら日本人観光客がほとんどいかないところでないとダメ。ハワイとかアメリカとかオーストラリアみたいに日本人が多ければバイマでとっくに買えるし、有名ブランドは資本力のあるところに勝てないですよ。ブータンとかチベットとかチリとか、およそ日本人観光客とか留学生をほとんど見かけない国のものなら可能性はあります。ただし「ブルキナファソ」「マラウイ」みたいな、日本人は行ってないけど興味も無い的な国のは検索もされないので誰も来ません。観光で行く人は少ないけど人気はある的なのがよろしいです。
もうひとつは一物一価のもの。つまり手作りのワンオフのものとか、中古品です。大量生産の工業製品の中古は価格競争になるので、市場にあまり流通してないものが狙い目。ネット黎明期の頃、田舎の古本屋回って下の方に埋もれている何十年も前のエロ本売ったら大儲けやといってた自分ですが、すでに掘り尽くされてますな。www 盆栽とかクワガタとか、骨董市で掘り出した焼き物とか、自分でカラーを綺麗に塗り替えたルアーとか、いくらでもあるような気はしますけどね。
※ブログなど※
ブログを書いてGoogleのアドセンスのようなアフィリエイト広告でお小遣いを稼ごうと考えるなら、書く内容はあなたしか書けないものでないといけない。誰もが5分で書けるようなブログは誰も見ないから永遠にアクセスはなく、広告収入もない。
たとえば英語が堪能なら、海外の面白いニュースを紹介するだけでアクセスは稼げるし、本が好きなら自分が読んだ本の感想を毎日一冊書けば数年でそこそこアクセスがあるサイトになるでしょう。
一番×なのは自分はこう思う的なことを書き散らすこと。有名人でも無い人が勝手なこと書いても誰も見ません。大半の人はここで煮詰まってしまうわけですが、大きなヒントをひとつ差し上げます。わたしがブログの書き方を指導するとき、これをきっちりやっていただければ1日1000人くらいの訪問者は数ヶ月で必ず稼げるようになりました。2年続けて500ページくらいになれば、月間10万PVくらいは行ってると思います。これで月2〜3万円くらいをAdSenseで稼ぎ、ほかのアフィリエイトを加えて月5万円くらいはいけるようになります。20万PVなら月10万円が狙えます。
みんなが知りたいことを面倒だが代わりに調べる
というのがキーポイント。政治家の放言が報道されたらすかさず全文を探して掲載する。韓国と日本の教科書の歴史観の違いを調べて比較する。いま流行っているパンケーキの店を回って食べ比べる。iPhone5sはどこのキャリアで買うと一番安いか徹底的に回る。自分で知りたいけど、調べるのがちょっと面倒というところを代わって調べる。ここで注意するのがネットからパクってきた情報をそのままコピペ掲載するだけにしないこと。Googleに通報されて検索から外されるペナルティになるだけですし炎上したら信用失墜です。あくまで自分で調べる。自分で手間を掛ける。となると1日数時間は絶対かかる。サラリーマンなら朝5時に起きてやらないといけなくなります。土日もリサーチに回らないといけない。でもアクセスが来始めたら楽しいし、燃えますよ。というか、そういうタイプにしかできないんですけどね。
家に帰ったらパソコンもないし、勉強は嫌いだし働くのも嫌。好きなことは風俗と競馬とパチンコというレベルではブログ書くのは無理。情報商材に騙されてカモになるしか無いと思います。というかそんな人、このブログ見てないわな・・・
その昔、大手通信事業会社に勤務する友人が「小遣いが少なくて死にそう」というので、高級住宅地に張り紙して回り「情報処理資格者がマンツーマンでパソコンを1からマンツーマンで教えます。2ヶ月でマスターして周囲をびっくりさせよう」というパソコンの家庭教師を土日限定でやったらどうだ、大企業の経営者とかニーズあるよといいましたら、「土日はゆっくりしたい、働きたくない」と申しまして、「骨の髄までサラリーマンっているんだな」って自営業の友人と話したことがあります。こういう人もダメだわ・・・