白状するけど、実は自分も7年くらい前に宮崎に行ったときにひっかかりました。道の駅のお土産コーナーでこれが売ってまして・・・その時期宮崎は「伊勢海老祭」っていうのをやっていたので、ついつい「いいな、これをお土産にしよう・・・」と。
はい、これです。
インスタント伊勢海老みそ汁・・・・Amazonで製造元らしいS商店というところが販売しているが、そのほかにも検索すると出る出る出まくり。楽天では・・
検索すると90件も出てきます。ここまでは大ヒット商品で別にいいのだ。日本全国に浸透するには物凄い営業努力が必要だったでしょ。しかし・・・宮崎でこれをお土産に買った自分は、後日、愕然とすることになる。
千葉でも、伊豆でも、茨城でも、静岡でも、物産店でも、道の駅でも、高速道路のPAでも、市の名産物販売所でも、同じ物が売られているのだ。
先週、高速道路のPAで売られてました。
何パターンかあるが、どれにも共通しているのが裏面。
販売元として地元業者の紙シールが貼ってあります。製造元の名前はどこにもない。これだけ見たら旅慣れてない人は「ああ、地元でこんなの作ってるのね」と思って買うわけです。製造元は書いてないけど0120お客様ダイヤルは書いてあって検索したらテレアポの営業会社の電話番号でした。
想像するに、これはお土産のOEMなわけですね。どこか関係無い場所で作ったお土産に、現地の販売会社のシールだけを貼って卸す。お土産にもいろいろあって「製造業者」と「販売業者」が併記してある場合は買うときにチェックして「製造業者」が地元じゃないと「なあんだ」となるわけだが、これには製造業者が書いてないからわからない。が、これは違法ではない。合法なんである。消費者庁のサイトには
と明記されている。売り方は全く合法なんだが、買ってしまった方から見ると釈然としない。ただ、商品名表示については合法とは言えない。裏側の材料一覧(含有量の多い順から書くように定められている)を見ると「伊勢海老粉末(アメリカ)、伊勢海老粉末」とあるんですが、アメリカにいるのは日本の伊勢海老とは種類が違うため、見た目は似ていても表示義務的にはロブスターなんである。こういうニュースもあったよね。
国産の伊勢海老粉末を少しだけ入れて、量的に多いのが米国産の粉末であるならば、これは
ロブスターみそ汁
と表記すべきなのだ。話がそれた。
で、気になって物産屋とかを見て回ると、めちゃくちゃ多くのこのタイプが販売されていることに気づく。蟹味噌汁に金目味噌汁、味噌汁だけじゃなくて佃煮とか菓子類まで幅広い。いわゆる「ぶっさんてーん」という大規模店に並ぶ商品のうちの多くを占めている。
旅慣れてない人が見ると、「これはいいお土産」と思って買うんだろうと思う。上の写真撮ったときもおばあさんグループが買い物かごにばさばさ入れていた。
OEMのお土産の功罪
販売する方から見れば、商品開発はしなくていいし、いかにも売れそうだからすぐに置けて楽ちんだ。しかし買ってしまった客から見たら、あとでどこでも売っているものとわかったら正直かなりがっかりする。店側もよくわかってないところもあり・・・
【事象1】
道の駅とかのサイトで、こちらを地元名物として販売してるところがある。痛すぎる・・・
【事象2】
るるぶでこの味噌汁を「お土産」として紹介。ライターさん知らなかったのだろうが・・
【事象3】
某伊豆の市営の「地元名産品」コーナーに堂々とこれが販売されてましたっ!!
ビジネスとしては面白いし頑張って営業している。しかし、特に事象3の時には自分は横に並んでいた商品を買おうとしていたのだが、これが隣にあったので止めた。これが隣にあると、たとえ本物の地産であってもめちゃめちゃうさん臭い。
こうした商品があると、旅慣れた人はそこでお土産を買わない。買うなら本当の地元産の物を買う。そんなわけで、素人お土産量販店(笑)はいいと思うが、本物指向のところで扱うとめちゃイメージ落ちる、のであった。