かなり私的な・・起業についてのお返事まとめ

2014年5月16日

メルマガの質問で、最近増えてきたのが「起業」について。典型的なものにまとめてお答えします。

ネット見てると起業、起業で世の中は進んでいるように見えて焦る人もいるかもしれないが、実は世界では日本の起業マインドは非常に低いほうである。とくに若い人の間では草食化が進み、公務員への応募が殺到しているわけで、起業マインドはかなり低下していると思われる。経済産業省の昨年のデータを見ますと・・・

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起業といっても2種類あるのが明確になる。TEAとは総合起業活動指数のことで、後進国には「食えないから自分でやるしかない」的な起業がめちゃくちゃ多い。どこも雇ってくれないから自分で露天商でもやるしかないわけ。アフリカ諸国の起業マインドが突出してます。経済発展して雇用が拡大すると起業マインドは下がっていき、さらに豊かになった時点で「自分の能力を活かしたい」という新しいマインドのイノベーション型起業が発生してくる。山崎豊子とかの戦中、戦後直後あたりの小説読むと、ほとんどの人は「あえて起業」なんてまるで考えてない価値観だし。

なので極論言うと「自分の能力ではどこも雇ってくれない」という理由での起業は後進国でしか成立しないわけですね。後進国型を「後ろ向き起業」、先進国型を「前向き起業」と勝手に名付け、以下は前向き起業についてです。

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日本の起業マインドは世界でもトップレベルの低さ。特に2004年はめちゃくちゃマインドが落ちた。2003年は景気がけっこう回復していたので「このままサラリーマンでいてもいいかな」と思った人が多かったのかも。世界金融危機は2007年だったけど、この年に日本で起業する人が多かった。勤務先に見切りをつけたのかもしれない。そんなわけで、景気が低迷すると起業する人が増え、良くなるとこのままでいいやと思う人が増えるのが日本らしい。

独立してサラリーマンの時の3倍の収入にならないなら意味が無い?


独立して自営業者になるということは、いままで会社が負担してくれた保険関係とか、オフィスから通信費、交通費まで自己負担だ。しかも会社なら病気になっても多少は保証されるが個人なら即日干し。退職金もないし、身分保障もなくなる。ローンも借りられない。そんなわけでサラリーマンから独立して個人事業主になるんだったら、目安としてサラリーマンの時の3倍くらいを稼げることが前提だとずっと言われてきた。つまりこれくらいいけるという目論見がないなら止めとけよということです。自営業の500万とサラリーマンの500万は価値が違う。
年収500万なら、独立して年商1500万にならないといけない。なので年収500万円のプロブロガーとかは自分は (?_?) 「将来ドウスンノ」なのだが、人は好き好きなんで横に置いておきます。自分がリクルート辞めたときは年収700万くらい、3年後以降は3人で年商6000〜9000万くらいでした。

もっとも今の時代、退職金も保険もないというブラック系も多いわけで、こういうところに勤務するなら個人事業主と大差ないと思う。

ついでに言うとホリエモンがすぐ「起業しなさい」というのは、頑張ればどんな仕事でもすぐに1500万円くらいの売り上げは上げられると思ってるからですね(たぶんな)。

独立するのに一番重要な能力は


前にも書いたけど、間違いなく「営業力」です。前に役員全員がひきこもりのNEET株式会社ができたという報道を見たけど、どうなったかなとおもって探したら、無料のヤフーショッピングで「ゴミの烙印を押されたTシャツ」売ってました。大丈夫なのか?

営業力とは、別に電話をリストから掛けまくるとか、飛び込みできる的なことのみをいうわけでは無い。もちろんそういうド根性があれば不動産だろうがコピー機だろうが売りまくれるだろうが、基本的には他人としっかり信頼関係を持ってつきあえる能力です。自分をしっかりと売り込め、相手に強い信頼感を与えることができる能力と言ってもよい。フリーでやっている方の中には意外とこれに欠けている人が多く、そういう人は1回は仕事が来てもそれで終わってしまう。

Web系の会社で起業するのに社長が持っていたほうがいい技能


これはよく質問に来るが、受託で細々ではなくて自社でオリジナルのサービスをやりたいなら間違いなく「エンジニア」としての能力です。ザッカーバーグもホリエモンもそうだし、GoogleもTwitterもそう。Webデザイナーは学校にいけばナンチャッテレベルには半年でなれるが、ちゃんとしたWebのエンジニアはそうはいかない。
ハイレベルのWebエンジニアのギャラっていまの日本だと月120〜200万くらいだと思うが、オリジナルサービスのプログラムやサーバ管理を外注化してると、お金がいくらあっても足りないのです。

基幹系のエンジニアは「仕様書通り間違いなく早く作る」能力を要求されるが、Web系の場合は「独創性」とか「センス」が要求され、どっちかというとクリエイティブな仕事になります。基幹系とは言語も違う。自分で仕様も考えてサービスを創っていくのなら、社長自身がWebエンジニアというのが一番効率がよく、思ったとおりのものができる。

よって「将来ITで起業したいがどうすればいいか」という質問には「プログラマになれ」といつも回答します。mixiの笠原君は1年死にものぐるいで独学してFind Job創ったと言っていたが、それくらいの基礎能力がないと難しいかもしれないとは思う。

起業してからどうやって食っていく?


資金が潤沢ならまだしも、基本的に「前向き起業」の場合は、初期は受託で食いつなぎ、後にオリジナルのサービスを立ち上げるというパターンが多いのではないか。受託を取ってくるには「営業力」が必要だが、永遠にこれで行くと営業し続けて新規を取っていないと、途切れたらめちゃ不安だ。しかも受託は基本的に儲からないのである。よほど優位性がある場合を除いて競合が多いから。

よって、みんな自社でのオリジナルサービスをはじめたいと考えるのだが、ここには戦略がかなり必要。10も20もサービスを創ってひとつも成功せず、利益を全部ぶっ込んでいる会社をいくつか知っている。

下手な鉄砲は数撃っても当たらない

戦争で勝つには最大兵力を思い切って投入するというのが基本だ。一発で勝負かけるくらいの気負いがないなら自社サービスはやめといたほうがいいのではないかと思う。

起業系の質問はほかにもいっぱいあるのだが、昨日、東証一部に上場したばかりのファンコミュニケーションズの柳澤さんが面白いブログ書いていた。

東証一部に上場して何が変わったのか。

もし自分が起業して東証一部に上場させたいと思ったら、アドバイスはひとことだけ。

「同じステージに立たない」

だそうです。沁みるわ!!

ところでついこの間RX100M2買ったと思ったら、さっきRX100M3出しやがってSONY殺す!!!レンズが広角・大口径化されとるやないか!! 号泣

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