顧客視点の大切さ

2010年8月30日

実は本日よりちょこっと海外に行くので、ブログはしばらく更新しない予定です。
現地にはMacBookPro 17インチも抱えて同行するので、書くかもしれませんけども。

で、今朝は駆け込みで、ECコンサルをやる場合のわたしの口癖について。
口癖は何個かあるが、まずは1個目

「顧客視点を絶対に忘れないように」

コレ、実はECに限らず、リアルの店舗だろうが、学校経営だろうが、電子出版だろうが、みんな同じだと思うんです。成功させる人は、とにかく想像力に長けている。つまり「お客さんはどう思うか、何を求めているか」という風に、客の視点に立って考えることができる。
会社を定年退職してお店とかを開いた人の80%は1年でつぶすという記事を昔何かで見たことがあるのだが、だいたいこういう人は「念願だった喫茶店を」「コーヒーにこだわった」のように、主眼が自分に置かれていて、自分がやりたい店をやるという点に執着し、顧客視点の考え方が非常に薄い。サラリーマン経験がいくらあっても大半の固いメーカー等は仕事相手も企業。B to Cビジネスの経験がない。つまり自分の身銭を切ってお金を払う人と接したことがないから、さっぱりわからないのである。もちろんサービス業に勤務していた人が退職して自分の店を開く、なんていうときは失敗率はだいぶん下がると思います。これは経験値があるからだ。

個人レベルのネットショップでも非常に似ていて、失敗するのは顧客視点がないケース。つまり「自分のお店を開きたい」「自分の好きなものを売りたい」みたいなものばかりが先に立ち、「客はなにが欲しいんだろう」「どういう経路で自分の店を知るんだろう」という想像が全く働かない。ショップのインターフェースにしてもそうで、自分の好みと思い入ればかりが先立ち、客の視点が無い。こういう店は、よほどその商品が飛び抜けてよく、さらには参入障壁が高いものでない限り、そうそう売れません、というかほとんど売れない。

顧客視点の無い人=「想像力が無い人」 なので、メルマガ書くにも「お客が読んだときにどう感じるだろう」「誤解されたりはしないか」「どういうタイトルならメルマガを開くだろう」ということも考えない。考えても思いつかない。しかしこれはセンスもあるけれども、経験値に基づくことが大きいので、いつも念頭に入れていると徐々にできるようになってくる。

商品開発についても同じことが言える。わたしもけっこうな品目の商品開発をしてきたが、一番分かり易い例で挙げてみる。ネットには全く関係ないのだが・・・

いまから20年くらい前の話だが、オフィスの近くにあったできたばかりの釣具屋さんにぶらりと立ち寄った。がらんとした店で、人の良さそうなご主人はわたしより10歳くらい年上で、大手の衣料販売会社で管理職だったのだが、脱サラして釣具店を始めたけれど、全く売れない。もう店をたたもうと思う・・という。そこで前から持っていたアイデアを提案してみた。一言でいうと中古の釣具屋さんである。当時は中古の釣具屋なんてなかったが、自分が客なら絶対そういう店があったら行くと思っていたからだ。しかも中古は一物一価。他店との競合がない。
どうせ閉めちゃうなら最後に勝負してみたら? ということで、古物免許を取らせ、最初はわたしのとか友人の釣り具を出してみたところ、大盛況。詳細は省くが、数年後には年商3億円くらいになった。その後、このアイデアで大手チェーンが現れて苦戦していると思うが、とにかく潰れないで頑張ってやってます。私のアイデアもあるければ、ここのご主人が必死だったこと。素直だったこと、そしてそもそもの人柄が良かったことが大きな要因だと思う。

つまり、顧客視点さえあれば、マイナスから億単位くらいのビジネスは創り出せるのだ。たとえばいまの不況ニッポンでも、中国人観光客の顧客視点に立てるお店は絶対、成功できると思います。まあ中国バブルがはじけるまでの間ですけども・・・

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