ちらかしはまとめるのがWeb運用の基本でござる

2014年7月14日

ワールドカップも終わったし、台風はいっちゃったし、あとは梅雨明けと夏休みを待つだけですな。そんな月曜日ですが、最近の新規のクライアントさんで同様のことがあったり、メルマガでの質問にも多い「ちらかし」についてです。
簡単に言うと

CIS:W.39-2008

とっちらかしてたくさん作ったサイトはどうするか

ってことだ。具体的に言うと

1 頑張ってネットで運営しようと思って似た感じのドメインたくさん取った
2 ブログも、アメブロとかWordPress設定したりいろいろやってみた
3 どれもこれもそこそこ中途半端だったり放置したりで訳がわからない
4 そのうちいくつかは投稿内容がほぼ同じ

みたいなヤツです。中にはいつ開設したかどうになってるのか記憶に定かで無いものまでどんどん出てきたりするケースも。傾向値としては「ネットにあまり詳しくはないけど、熱心だった時期があった」だったり「よくわからないので、だれかに任せきりにした」みたいなのが多い。でもってまかせた相手が蓋を開けたら素人に近かった」というのが役満一発振り込みです。特に後者は悲惨です。官僚の天下り先の政府外郭団体とかもこんな感じでいらないのが大量に存在して金ばっかり食っている気がします。

珍しく最初に結論からいうと、こういうときは自分の時は

まずは精査

からはいります。ほとんど更新してないようなカスサイト、カスブログはどんどん閉めさせて、重複しているものも削ってしまう。アクセスがほとんど無いようなサイトは何の価値も無いので閉鎖です。ものによってはメインのサイトにリダイレクトさせることもあります。徹底的に整理整頓して方向性を決めます。

カスサイトはサテライトにもならない

その昔、被リンクは多ければなんでもいいという時代が確かにありました。そもそも「役に立つサイトならたくさんのサイトからリンクされるだろう」というGoogle様の性善説に立った基本方針があったわけです。しかし性悪だった人間共は、でたらめなカスサイトをたくさん作ってそこからリンクしてお金儲けをはじめました。役にも立たないサイトに外部リンクを貼ることで役に立つサイトとGoogleに誤認させたわけです。

業者にお金を払って金で解決しようとした皆さんとは別に、自分で外部サイトを作ってそこからリンクした人もいます。多くの場合、無料ブログに適当にジャンルが似たのを立ち上げて、リンクしたわけですね。これを「サテライト」と言います。大量の散らかしサイトは、こうした時代に作られたのがまだ残っているのが多いのです。この時代のままで脳内停止している某上場企業の新人営業マンからは、いまだに「SEO対策します」という営業電話がかかってくると言う都市伝説もあります。

こうした小細工に対し、Google神は怒りました

小賢しい人間ども。そんな狡い手で神を騙したのか。そうした行為は報いを受けるであろう

ということで、金で買ったリンクや、くだらない自作自演、神の目を誤魔化すための意味の無い相互リンクなどの罪をしでかすと、神の元から追放され、地獄の果てまでぶっ飛ばされて検索結果に出なくなるようにされました。もっとも神も万能のはずがそうでもないので、いまだに外部リンクを増やすだけで検索順位が上がるケースも多いです。

たくさんのサイトを運営するアフィリエーターさんたちは、一つや二つが追放されるリスクよりそのサイトでお金が稼げなくなるリスクのほうが高いので、いまだにこの手法を取り入れている人が多いですけどそれはプロだから。一般の企業の場合、そんなハイリスクなことをして、リブセンスみたいになりますと元も子もありません。ちなみにわたしもペナルティを受けた上場企業の子会社から相談されたことがありますが、あまりに外部リンクが多すぎて(万単位!)いかんともしがたく、ドメイン変更を勧めたことがあります。今頃どうしてんのかな。

つまり昔作って放置プレイの外部サテライトはとっとと閉鎖した方が安全なわけです。現在では外部リンクによってサイトの価値が上がるためにはリンク先自体に価値が無いといけません。何十、何百もの無料ブログからリンクされるより、ひとつの価値あるサイトからリンクされたほうが順位が上がることだってあります。そのサテライトを残すかどうかはこうして判断します。

運用にかける手間があるかで存続を決める

アフィリエイターでも月に何百万も真っ当に稼ぐような皆さんは、物凄い時間と手間をサイト運営に費やしています。前述のようにへぼいサイトからリンクされてもリスクになるだけで何のいいこともないので、サテライトを作る場合もサテライト自体が評価されるように、きっちりと更新してオリジナルのコンテンツを創ります。つまり「ひとつのサイトの価値を上げるため、複数の価値あるサイトを運営する」わけですね。

しかし、そもそもたくさん創って放置プレイを重ねてきた人が、ひとつに集約させてその一つのコンテンツを拡充しないといけないのに、サテライトまで同等の労力で運用できるのでしょうか。「運用できる」と考えるなら続ければ良いし、一つでも本気でやるのは大変なのに複数もできないよと思えば閉鎖すれば良いのです。

重複コンテンツとして検索から外れる危険性も

中には別のドメインで、まったく同じ、ほぼ同じコンテンツのサイトを作っているケースもあります。検索キーワードで自分の運営するサイトが複数出てくれば、どっちかに引っかかるだろうという初心者の考え方なわけですが、こんなことが許されたら検索結果がウザすぎることになる。昔は上から下までアフィリエイトのサイトで埋まることもありましたよね。

そんなことが起きたら、誰もグーグル検索を使わなくなりますわな。よってGoogle神は「コピーサイト」として重複コンテンツを察知して、コピーのほうを検索から外します。これが一番問題になるのが、楽天やAmazonやDeNAやYahoo!ショッピングなど、とにかくショッピングモールに出しまくる作戦を採った場合です。

ECサイトで自社サイトと楽天ショップの重複コンテンツを防ぐ方法

今年6月に参加したSMX Advancedで、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏に次の質問を僕はぶつけました。ECサイトを運営していて、自社サイトのほかに楽天やアマゾンでも出店し、同じコンテンツを公開したら重複コンテンツになるか? マットの答えはこうでした。「重複コンテンツになる。ペナルティではないが、どれかは検索結果に出なくなるだろう。rel=”canonical”で優先するサイトを指定することができる」

同じ商品写真と同じ説明文で掲載しまくると優先サイト以外はひとつくらいしかでなくなるわけだ。5年くらい前にはドロップシッピングのビジネスでリスク無しで副業みたいなのが流行ったけど、いまじゃほとんど死亡フラグが立っているのもこれが原因の一つでしょう。

しかしぶっちゃけ、どこでも買えるような商材の場合、現在ではユーザーは検索エンジンで検索して探すより、Amazonや楽天などふだん買い慣れているサイトにいってそこの検索機能を使う人が大半。検索エンジンの利用度はECにおいては「他店にないオリジナルの商材を持たない場合」どんどん下がっている。となると、ECの場合はこれも作戦のひとつなのです。オリジナルサイトはもう諦める。名付けて「鵜飼いの鵜に徹する大作戦」だ。

同様にいろいろな違うドメインで同じ内容をアップしていると、メインサイトが「コピー/重複」として検索にでなくなる可能性が出てくるわけですね。

放置している間に乗っ取られて犯罪のハブにされる

皆さんは去年のロリポップ大騒動を覚えているでしょうか。ロリポップのサーバの脆弱性を突かれてサーバに侵入され、次々と芋づる式に1万近いサイトが乗っ取られました。乗っ取った方は愉快犯でたいしたことはして行かなかったのですが、通常は「悪意のあるファイル」を置かれたりします。誰かがアクセスするとウイルスに感染させ、重要な情報を抜き取るわけですな。
散らかしサイトをたくさん作っていて、大半を放置している場合、乗っ取られても気づくのがめちゃくちゃ遅くなります。アクセスする人はたいしていないとは思いますが、まかり間違って感染させられたほうは大迷惑ですよ。ロリポップ騒動の時も、1ヶ月くらい経過しても乗っ取られたまんまのところがかなりありました。

まとめますと

1 人的リソースが限られている場合、一点集中で運用した方がよい場合が多い
2 あれもこれも食い散らかすのは健康に良くない
3 食い散らかしたものは綺麗に片付けて整理整頓
4 放置するとスラム化して犯罪の温床になり、大迷惑

という感じかな。

ところで全然話は違うんだけど、自分で料理するのにはじめて京セラのセラミックの包丁買ってみた。自分で魚のお造り作れるくらいの包丁マニアで、出刃と刺身包丁とかは持ってるんだけども、あの京セラが包丁出してる!!というのが面白くてついつい買っちゃった。さっきこれでズッキーニ切ってみたら面白いくらい切れる。すごい。しかも錆びるわけもない。これでナイフ作ったら空港の金属探知機を通過しちゃうからヤバいんじゃないの??キャンプ用のアーミーナイフもセラミックで作ってくれたら絶対買うよ。

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