ネットショップ、成功するとこ、しないとこ

2010年9月15日

実はわたしの本業はEC系のコンサルだったりするわけだ。しかも、ド下流。河口寸前の汽水地帯です。

コンサルといっても大別すると2種類あり、ざっくりいうと上流と下流があるわけですね。大企業でいうと上流系コンサル代表が、マッキンゼーやアクセンチュア(昔のアンダーセンだ)なら、下流系が船井総研でしょう。上流のコンサルは数値や分厚い企画書、顧客解析などから行うが、下流は他社の成功事例と、自分の経験、そして「勘」です。船井総研なんて他社の成功事例を調べて自分のお客に教えるのが全てといっても過言じゃない。いい方悪いがパクリです。まあビジネスはすべてパクリから始まるんですけど。

twitterやネット上には怪しげなコンサルタントが溢れている。会社やってるとこういう人たちから営業電話やメールがばんばんくる。大半が「営業のやり方をもっと誰かにコンサルしてもらった方が良いよ」という会社だ。とくにGMO系の営業マンはバカっぽい。「御社のSEO対策はどのようになってますか」って少なくともそれで飯食ってるこちらに営業してくるわけですから。電話かけてくるなといっても、また別のがかけてくる。30年前のリクルートみたいです。

話が飛んだが、私のブログでネットショップについての記載が少ないという声も約1名からいただいた。これで飯食ってるし、ダバダバ書くのも面倒くさいので、本日は「成功するとこ」「しないとこ」の特徴について書きたいと思う。
以前にも、そして本にも書いたが、小規模、大規模にかかわらず、ネット販売で成功するには(1)集客 (2)マーチャンダイジング の2点が大きな鍵となる。ひとつを語るだけで500ページくらいの本が書ける。というかこれが全てでもある。しかしこれだけではないんだな、実は・・・。

それはなんやねん、というと、企業の体制です。

いままで下は社員数3名。上は数万人まで、大小様々な企業のネット販売のお手伝いをしましたが、まずは一番簡単に成功しやすいのが、「社長=店長」の零細企業タイプです。理由は簡単ですが、決断が早いし、決済とかがいらない。そしてなにより自分の会社ですので、必死になってやってくれます。こういうところは先に効果を少しでも出してあげるやり方をとると、「キターーー」とばかりに頑張ってやってくれます。素直な社長さんならもっと効果的です。年商数千万〜一億程度なら、それほど難しくないでしょう。ただしフットワークが軽くて行動的な社長がよろしく、後ろ向きで逃げ腰の方は辛いです。

かなりの大企業の場合も、おおむね良い感じです。それはなぜかというと、そもそも社員のレベルが高い。学歴以前に、ITリテラシーが高い。頭もいい人が多い。大企業に就職するにはそれなりにふるいがかけられているわけです。
しかし・・人材的なことのほかに、大企業では人事考課制度がしっかりしてます。ECの担当になったら、実績が上がらないと評価も下がるので出世やボーナスにも響きます。なので基本的にみんな頑張ります。ただ、大企業はコスト意識がはっきりしてるので、軌道に乗るとコンサルタントは契約終了です。なのでこちらは美味しくないです。だから最近では零細企業と「売上げからの定率契約」で仕事をすることが多いです。このほうが苦労のしがいがあります。

では、「成功しないこと」はどんなとこ? というと、これにあてはまらないところです。企業規模でいうと小〜中規模。社員数10〜数10名。こういうケースでは、だいたい社長は手を動かさず、担当社員を割り当ててきます。しかし担当社員はたいてい兼任で、大企業と比較すると能力的にも「?」の人が多いです。しかも社員の評価基準が定まってないので、売れれば売れるほど仕事が忙しくなるわけで、社員にとっては全く嬉しくない。なので基本的には「仕事してるふり」をする人もたくさん・・。いわれたことの70%くらいをやって、のこりはバックれます。自分から言い出して仕事を増やすことは絶対にありません。
こういうのに当たると、そりゃもう大変で、いろいろアドバイスしても「社長に確認します」「できません」「時間がありません」のオンパレードとなります。厳しくいうとすねる人も確率的に高し。社長には「厳しくいうけどこちらのことを全くわかってない」と告げ口したり。分かってないのではなくて、分かってるけど知らないふりしてるのです、こちらは。だって担当者の立場に立っていたらなにもできないもん。

そんなわけで、いままでこの規模の会社とやって成功したことはありません。懲りたのでだいたいはお断りするようになりました。

自分でも30人規模、資本金3億円の企業を経営していたわけですが、実際に一番儲かったのは社員数5名くらいの時でした。ひとりあたりの売上げは3000万円くらいあったときもあります。こういう時は儲かりました。しかし15人を超えると目が行き届かなくなり、30人だとたぶん10人は毎日仕事してるふりして遊んでいたと思います。もっと大きくなって社内の体制ができれば解決していくんでしょうが、ココを超えるのがたぶん大変なんだろうなと考えております。よって二度と会社経営はしたくないです(話が飛んだ・・)

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