フリー素材アイドルっていうの見つけたから使ってあげたよ
みなさま、こんにちは。
わたくし、このブログではなんどか「正しいクレームの付け方」について講義して参りました。もっともバズったのは、
ジェットスターにも勝利した、正しいクレームの付け方(秘)をこっそり伝授
というエントリーでございまして、1年ほど「ジェットスター」でググると何番目かに出ていました。そこに目を付けたバリューコマースさんからエクスペディアの広告貼ってくれと依頼がありましたが、全く成果が上がらないのでさきほどはずさせていただいております(笑)。
本日は正しいクレームの付け方について解説いたします。まず、立場が企業と客のような場合は上記のエントリーを参照して頂くとして、今回は対等な場合について解説しましょう。で、例に挙げるのは先日、わたしのブログでこのエントリーを書いた時に来たクレームです。
楽天でブランドものを買った数百万人の皆さまはいますぐ偽物チェックだ
クレームがあったのはこの部分です。
◆◆ここから画像 —————————————
◆◆ここまで画像 —————————————
メールではなく、Facebookで顔写真もないほとんど使ってもいなさそうなアカウントからメッセ頂きました。
楽天で、ブランドショップを、営業してるものです。永江一石のITマーケティング日記「楽天でブランドものを買った数百万人の皆さまはいますぐ偽物チェックだ」見させていただきました。書かれるのは、勝手ですが、ここに貼り付けてある、「レビュー」は、弊社ページのものです。弊社、30年以上、この仕事を、しておりますが、一度も、「偽物」は、販売したことは、ありません! 商品はすべて、直営店及び、代理店より、輸入しております! いたってまじめに、営業しております! それでも、一部の購入者より、不本意な、書き込みを、されることは、あります。同業者の、嫌がらせかもしれません。確認もせず、またこの業界において、素人のあなた様が、こういうことを、書かれることに対し、非常に、遺憾に思います。すぐに、弊社の「レビュー」は、削除されたし! 「名誉毀損「営業妨害」です。あなた様に対して、「訴訟」も含めて、弁護士に相談しております。即座に、対応していただきます様、お願い申し上げます。
まず、徹底的にクレームとしては最悪のやり方でした。当然ながら、削除などはするつもりはないとはねつけております。
それではこのクレームのだめな点を挙げてみます。
1 法的根拠がなにもない
「名誉毀損「営業妨害」で告訴するそうですが、キャプチャは8年にもわたって自社のショップに掲げられていたものです。自店の看板に「偽物で有名な店」って書いてるのと同じです。自社で8年も堂々とネット上に掲げていて公開されているものを、いまさら他人が一例として紹介しただけで、「名誉毀損」「営業妨害」になるのか、その根拠が全く無いわけです。まずはじめに自社で自社を「名誉毀損」「営業妨害」で訴えたらいかがでしょうか。
後ろめたいことが全く無いのでどうしても告訴したいのなら、楽天さんを「名誉毀損」「営業妨害」で訴えるほうが筋道合ってますよ、と申し上げました。デパートが店子の店頭に「この店の商品は腐ってます」って書いたビラを貼られているのに、絶対はがさせないと言ってるようなものです。さらにいうと、「全く身に覚えがないのにいわれのないことを書かれているなら、普通は楽天止めるよな〜」って思うのが一般消費者です。私ならそんなモールは縁切り状叩きつけて絶縁します。誰がこんな嫌がらせの評価したか、裁判所から情報開示命令を楽天に出させ、IPアドレスから相手を特定して訴訟に持ち込みます。これが普通ですな。
あと、社名書いてないでしょという回答に、「検索したらわかるではないか」というのは検索を提供している楽天に文句言うが吉です。わたしはそんな検索を提供しておりません。
このやりとりを当方の弁護士に見せたところ
なにひとつ権利を侵害してないですよ(呆)
ということで、楽しみに裁判所からの通知を待っています。ネタに最高です。裁判になったら御社の名前も出して経過を報告します。間違いなくバズりますので有名になれると思います。店名で検索したら間違いなくこちらが上に出ます。www
2 確認もせずにってなにを確認すんの?
次はここ。オタクは偽物売ってるの?って聞いてもし本当に偽物売ってたとして「はい。売ってます」と答えるわけはなく、なにを確認しろというのでしょうか。確認するのは私では無くて楽天さんの仕事です。わたしにできるわけない。
で、当たり前の話、並行の場合どうしても偽物のリスクはあるわけです。中間に入ってるところが偽物を卸してきたら判断できなくて通してしまうこともあるからです。たとえ現地正規店に社員が買い付けにいったとしても、社員が差し替えているかもしれない確率は0では無い。大きな声では言えませんが、有名な某チェーンで販売されている有名ブランドの並行品には相当の偽物が混じってるという話を専門家から前に聞きました。各店で仕入れを別々に行っているわけで、ブローカーが偽物入れてきたら100%は防げません。これが並行故の恐ろしさでもあります。販売しているほうは本物と信じて売っている場合もあるってことですね。いえ、この店がそうとは言ってませんよ。あくまでも確率の話。
結論!!いきなり大上段からの物言いは相手を怒らせるだけ
もし私がついつい小学四年生の振りして偽名で政党批判サイトを立ち上げるほどの子供なら、「弁護士」「訴訟」という言葉に恐れおののいて即座に削除する可能性もありましたが、弁護士さんや司法書士さんのクライアントもいる私でございますし、訴訟も何度も経験しております。怖いどころか面白がるだけです。
で、もっともいけないのは、法的根拠もないのに(つまり相手には単に言いがかりだということが分かっている)、脅しに近い形で要求を出したことです。これでは相手を怒らせてしまい、こんなエントリーまで書かれてしまうわけで全くの逆効果であります。さらに本人かどうかもこちらには分からない。捨てIDでの嫌がらせの可能性と受け取られてしまいます。その可能性は実際半々だと思いますけどね。
それではどうしたらよかったのでしょうか。
この場合、一番の方法は「泣き落とし」でした。自分は競合だと思われる相手にこんな嫌がらせをされ、本当に困っている。楽天に言ってもなにもしてくれない。本当にひどいんです。困っています。的なメッセージだったら、人の良い私のこと、「可哀想だから他の店のレビューに差し替えてあげようかな。こんなんいっぱいあるし」と思ったもしれません。いやきっと思ったでしょう。いや、絶対思ったはずだ。
つまり相手と対等な場合のクレームでは、相手を怒らせてはいけないのです。それより相手を味方に引き入れるべく画策する。それが頭のいいやり方です。この店のレビューには「店の対応が最悪」というのもあったのですが、きっと今までも同様な対応を、お客さんにもしてしまったのかもしれませんね。このエントリーで勉強されたら、「相手を巧く自分の味方に引き込む」ってことに注力したほうがいいかもしれませんな。
↓これ、ほんとそうよ。本当にだめな場合、客はなにも言わずに二度とこない。文句を言われるうちが花。