まだ10月にスタートしたばかりというのに、ネット詐欺師の注目を一身に集めているサービス。それが「TSU」(スー)だ。www
広告収入の9割をユーザーに還元する。建前はいいけどやってみたら中身は完全なネズミ講「もどき」でした。
わたしのアカウントはこれです。ここからメンバーになれます。いっときますけどここからメンバーになりますと、以後私の子ネズミ(スーではチルドレン)になり、今後、わたくしに貢いで頂くことになります。4段階まであるというのも通常のマルチ商法と一緒です。内部から一緒に荒らしてくれる、チルドレン募集しています。
例えば自分が招待したユーザー(子ユーザー)が招待したユーザー(孫ユーザー)が招待したユーザー(ひ孫ユーザー)のコンテンツが100ドル稼ぐと、90ドルの50%(45ドル)がひ孫ユーザーの、90ドルの3分の1(29.70ドル)が孫ユーザーの、90ドルの3分の1の3分の1(9.99ドル)が子ユーザーの、そのさらに3分の1、つまり27分の1(3.33ドル)が自分の収入になる。
このため、いろいろいなところで必死に自分のチルドレンを獲得するための涙ぐましい努力が見られます。TSUで検索すると「ここから登録できますよ」みたいなのが一杯引っかかってきますがそういうことです。
さて、中に入ってみますと、もう、詐欺師や情報商材屋や自己啓発セミナーやネズミ講で有名な方が満載で、お腹いっぱいになります。警視庁捜査二課・捜査三課(知能犯罪担当)の皆さまには、ぜひTSUのメンバーになり、巡回することをオススメします−。もうよりどりみどりです。お知り合いがいる方は教えてあげてください。わたしのIDからはいってチルドレンになってもらうの歓迎。www
なにされるかわからないので、FacebookやTwitterとの連携はオススメしません。
例の方ももちろん頑張ってました。破産したはずがシンガポール在住で、裁判で大変なはずの品川美容外科にもいってるようです。こんな投稿もされてました。
TSUでは「いかにTSUで金を稼ぐか」という投稿がいちばんシェアされますので、タイムラインはそればかりになってきます。凄い。しかし与沢御大でさえまだ1日1061円なのに
すでに自分は1日10万稼いでるし
いや、自分なんて30万円だ!!
みたいな言ったもん勝ちの混沌とした世界になっております。WWW 魑魅魍魎すぎる。与沢御大がまともに見えるから驚きだ。奴らもTSUでは稼げないと分かっていて「稼ぎたい」と必死な馬鹿を騙すことに集中している。そこが彼らのビジネスモデルだもんな。
言ってるのは例のごとく情報商材屋ばっかりなんだけどね。でもって、「稼げる秘密を教えます」って情報商材に誘導してる。フォロワーなんて捨て垢でせっせと登録すればいくらでも作れるし。www
追記;なんならバングラデシュに架空IDひとつ1円くらいで発注して50万人くらいフォロワーつけたら大儲けだよ?いまのシステムではこれさえ回避できない。つまりシステム的にこのビジネスは穴だらけ。お金がからむのに本人確認のスキームがない。
だいたいまだ支払ってもらってないのに稼いだもへったくれもあるか。自分のように稼ぎたかったら情報商材買いなさいのオンパレードで頭痛が痛い。
マルチとネズミ講の違いを理解しよう
混同している人が多いけど、マルチはネズミ講じゃないのです。違いは「商品が介在するかどうか」です。マルチは「商品を販売する権利」が付随してます。洗剤とかが多いですね。現在ではマルチ商法には厳しい法律規制があり、それを遵守していれば合法です。しかしネズミ講は違法です。ネズミ講は昭和56年の「無限連鎖講の防止に関する法律」で明確に違法とされています。先進国ではどこでも同じと思います。
(目的)
第一条 この法律は、無限連鎖講が、終局において破たんすべき性質のものであるのにかかわらずいたずらに関係者の射幸心をあおり、加入者の相当部分の者に経済的な損失を与えるに至るものであることにかんがみ、これに関与する行為を禁止するとともに、その防止に関する調査及び啓もう活動について規定を設けることにより、無限連鎖講がもたらす社会的な害悪を防止することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「無限連鎖講」とは、金品(財産権を表彰する証券又は証書を含む。以下この条において同じ。)を出えんする加入者が無限に増加するものであるとして、先に加入した者が先順位者、以下これに連鎖して段階的に二以上の倍率をもつて増加する後続の加入者がそれぞれの段階に応じた後順位者となり、順次先順位者が後順位者の出えんする金品から自己の出えんした金品の価額又は数量を上回る価額又は数量の金品を受領することを内容とする金品の配当組織をいう。
(無限連鎖講の禁止)
第三条 何人も、無限連鎖講を開設し、若しくは運営し、無限連鎖講に加入し、若しくは加入することを勧誘し、又はこれらの行為を助長する行為をしてはならない。
(国及び地方公共団体の任務)
第四条 国及び地方公共団体は、無限連鎖講の防止に関する調査及び啓もう活動を行うように努めなければならない。
(罰則)
第五条 無限連鎖講を開設し、又は運営した者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第六条 業として無限連鎖講に加入することを勧誘した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第七条 無限連鎖講に加入することを勧誘した者は、二十万円以下の罰金に処する。
TSUがネズミ講なら、やろうよと勧誘すると20万以下の罰金となりますので、上記で「わたしの子ネズミになりませんか」と書いてる私は有罪になりそうですが、現段階ではTSUはネズミ講ではありません。というのは「「無限連鎖講」とは、金品(財産権を表彰する証券又は証書を含む。以下この条において同じ。)を出えんする加入者が無限に増加するもの」という前提がありまして、現状ではTSUやるのにお金はいりませんので「ネズミ講」の規定からは外れていると思われます。
しかし、そもそもなんでネズミ講がいけないのかというと、「終局において破たんすべき性質のもの」だからです。ウィキペディアの説明が分かりやすいです。
1代目:講設置者1名+会員5名=計6名
2代目:講設置者1名+親会員5名+新会員25名=計31名
3代目:講設置者1名+親会員30名+新会員125名=計156名
4代目:講設置者1名+親会員155名+新会員625名=計781名
5代目:講設置者1名+親会員780名+新会員3,125名=計3,906名
6代目:講設置者1名+親会員3,905名+新会員15,625名=計19,531名
7代目:講設置者1名+親会員19,530名+新会員78,125名=計97,656名
8代目:講設置者1名+親会員97,655名+新会員390,625名=計488,281名
12代目には計305,175,181名となり、日本人口を上回ってしまう。初期の参加者だけが多額の配当に与る一方で、後に加入した者ほど新会員を探すのが困難になる。
13代目には世界人口も上回ります。しかし世の中にはそうそう馬鹿はいないので、だいたい5代目か6代目で破綻して首謀者は逃走し、次にまた新しいのを始めるという繰り返しなのです。
実際には「稼いだはずの」金は、大半支払われないはず
TSU上では世界中の金の亡者が「俺はいくら稼いだ」とか妄想吹いてますが、誰もまだ稼いでいません。だって口座も支払い方法も登録してないでしょ。サイトには100ドルを超えた段階で小切手を受け取る、と書いてあります。でも住所欄ないでしょ。今どき小切手??!!みんな海外銀行の小切手もらって換金するのに手数料いくらかかるしか知ってんの??さらにいうと世界で何百万、何千万の人に小切手送るコストがどれくらいか知ってる??
常識的に言っとくと、TSUのWEBシステム作るより、バックエンドの支払いの基幹システム作る方が桁が全く違うコストと運用体制が必要です。WEBだけならエンジニア1人でも可能だし。ちなみにFAQには振り込みやクレジットカードへの支払いは一切しないと書いています。
さらに
If you will have received at least $600 from us this year, we are required to collect your social security number for tax purposes.
年間に600ドル以上受け取りそうな場合は、ソーシャルセキュリティナンバーを課税のために必要とする、とありまして、正規のアメリカ在住者しか対象になりません。日本人はそんなもんないし。おそらく外国人がいくら名目だけ稼いでも支払いは拒否されるものと思われます。当たり前だ。こんなの関係無く海外に送金しまくるのがOKなら、マネーロンダリングし放題っしょ。つまりTSUで稼ぐ為にはまずアメリカに移住しないと!!情報商材作るなら「TSUで稼ぐ為のアメリカ移住方法」ですわな。
さらにもうひとつ。TSUには支払う原資がない。ドメイン調べると誰がやっているのかも隠されている。会社についてもあきらかにされていない(ファウンダーはSebastian Sobczakという人で登記簿見る限り年齢も学歴も不詳→ 追記/出てきました)。資本金調達したという話もない。広告は現在、アフィリエイト広告のリンクシェアのものしか出てこない。おそらくAdSenseなどの広告は拒否されているのではないかと思う。となると、現在の「稼いだ」「稼いだ」と喜んでいる人たちへの支払い資金はどうするつもりなんだろう。広告もろくにはいっていないのに、分配する元手が無いはずだ。
追記:中にはいってやってみると、友人申請しまくればすぐに1日0.02ドルとか稼いだことになる。情報商材屋とかは誰彼かまわず友人申請するので1日1000円超えとか普通にいる。が、すでに300万人くらいはメンバーがいるはずで、一人に1日0.01ドルの支払いが発生するとすると 0.01×3000000×30=90万ドル。すでに月1億円の支払い義務が発生してることになる。これは最低ラインなので実際には数十億になってるでしょう。どこにそんな金があるの??入ってるのはリンクシェアのアフィだけでせいぜい月数百万いってたら御の字。
実はこのような広告費を分配とすると謳うソーシャルは初めてではなく、いままでもいくつも出てきた。たとえばZenZuuという80%還元するとしたソーシャルがありましたが、アフリエーター殺到ですぐになくなってます。珍しくも何ともない。
最悪のパターン。それは・・・
まだスタートして1ヶ月ちょい。実は作った方もこれほど世界の守銭奴が集まるとは思ってなかったのではないか。徐々に普通のユーザーが増えていって広告が入り出したら分配するよ的な考えだったのかもしれない。「儲かったら払う」のはずなのに「全く儲かってないけど人を勧誘したら払う」になってるのが謎。
Facebookだって最初の何年も広告は配信していない。Twitterも同様です。この間に多額の資金調達して前に進むというのがアメリカのやり方です。しかし「いきなり稼げる」の部分にその系の人たちが一気に集まってきた。
で、もうしばらくすると「稼いだはずの金がもらえない」になるでしょう。この時点で「ゴメンね」とサイトが閉鎖になる確率が高いと思うが、最悪のパターンは上位の親ネズミにだけ支払って(ただし日本人はソーシャルセキュリティナンバーないから除外される)、「これだけ儲かった人がいるので新規会員を有料化します」です。有料化するのは決済入れれば簡単で、既存会員は新規会員の月額から90%が還元されるのでバカモンたちはうれしいと言うが、この瞬間に
TSUはネズミ講と断定される!!!
勧誘したりしていれば犯罪者。前科者です。
無限連鎖講の防止に関する法律第四条には「国及び地方公共団体は、無限連鎖講の防止に関する調査及び啓もう活動を行うように努めなければならない。」とあるので、各官庁は早急に実態の把握と監視をされたほうがよろしいのでは?と書いて本日のエントリーを終わります。あと、TSUの規定には「コミュニティにネガティブの発言をするとBANします、とあるので、私とかチルドレンのみなさんはBANされる可能性大ですが、そんときは笑ってください。
ナニワ金融道のこの巻では「マルチ商法」が取り上げられているんですが、ズバリ「マルチ商法は友人関係を金に換える」と説明しています。ネットワークビジネスとはずばり「友人、知人を金に換える」ということなんです。友達無くすよ