昨日発行したメルマガですが、時々物凄い質問が来ます。
いま一番回答に困っているのはこれ
発行本社はどうしようもないので置いておいて、新聞販売店が元気を取り戻す秘策はないものでしょうか。無読層が増えて、購読者数も増えず、折り込み収入も回復しません。
原文ママ いや、コレキツい・・・
かくいうわたしも20以上購読した某紙を年末で解約。いまはWeb版だけ有料で購読してます。
自分が紙の新聞が不要な理由は
1 情報が遅い
一晩寝かせた情報を朝読んでもナァ・・・
2 とにかく捨てるのが大変だしモッタイナイ
の2つです。1はもうどうしようもない。
で、朝日新聞が自社で分析したデータだと・・
現在の読者のうち、男女ともに60歳代が一番多くて25.3%。
しかし、だ。全ての数字出しても合計で80%くらいにしかならない。そして読者層には70代以上がない。ひょっとして70歳以上が20%なら60〜79歳代で半数近くになっちゃうから操作してるんでしょうか???(疑)
産経新聞のサイトには自紙と競合他社の読者分析もございました。ココに出てる朝日新聞の数値が本家と全然違うんだけど、いいのか
ここには「平均年齢」と書いてあるけど70歳以上の読者比率がない。それでトータル100%にして平均年齢だしているのには明らかな作為を感じる。日本の人口の4人に1人が65歳以上で、75歳以上も12.5%いるのに、読者合計は70歳以上は含まれてないのであります。NHK調査では70代男性の78%もが新聞を読んでいるにもかかわらずです!!!
平均年齢をわざと下げてるんじゃないのか、これは・・。仮に70歳以上も含めると90歳とか100歳とかが数十人混じると一気に平均年齢が上がってしまう。だから省いたとすると「平均」ではない。意図的な作為を感じますが、新聞社各位の反論があったら聞きたいです
※追記 リサーチの専門家の萩原 雅之氏からFacebookで教えていただきました。
朝日と産経のデータは、ビデオリサーチが毎年継続的に実施している J-READ 調査によるものです。もともと対象が15~69歳なので、70歳以上は出てきません。だから年齢そのものの分布を帯グラフで書くのはおかしいわけで。年齢別の購読率でみるべきでしょうね。
http://www.videor.co.jp/solution/media-data/newspaper/jread01.htm
なんだそれ・・70歳以上は対象外の調査ですか・・・
つまりそれほど読者数は高年齢化していて、きちんと出せないくらいまで切迫していると疑りたくもなる。
前にも書いたエントリー
にも書いたけど、いま新聞をきちんと読んでいるのは圧倒的に60〜70歳代なのです。つまり
あと20年後には紙の新聞の読者はほとんどいなくなる
ってことです。新聞社自体はWebや著作権ビジネスに移行するかもしれないが新聞販売店は間違いなく壊滅します。マンモスや恐竜やタイプライターや写真フイルムやシルクハットや、駄菓子屋、学生服屋、代書屋、とかと同じ運命です。
手遅れになる前に業態転換の成功例が富士フイルム
なにをかくそう、その昔。富士フイルムの広告というかPRの仕事をしてました。懐かしいカセットテープのAXIAです。カメラマンがKodakのフイルムで撮影してしまい、納品時にめちゃ蒼白になったのは懐かしい思い出です。笑って許してくれたのですが・・・
さて富士フィルムは、いまではフィルム屋さんではなく化粧品とかIPS細胞までやっており、業績をめちゃ伸ばしています。一方、間違えて使ってしまった世界一だったフィルムのKodakは2012年1月に倒産してます。
富士フイルムはなぜ、大改革に成功したのか
東洋経済オンライン
社長就任後、市場は最初の2~3年で7~10%減、その後20~30%減とストーンと落ちた。それまでの写真フィルム関連は、全社の売り上げの6割、利益の3分の2を占めるコア事業。いろいろとシミュレーションしたが、これでは早晩会社が行き詰まることは明らかだった。そこで、事業の構造転換を伴う新しい成長戦略を実行した。写真フィルムは続けるが、世界中に広がっていた巨大な生産設備、販売組織は大幅に縮小。そして、自社の技術の強みを生かして、勝ち続けることのできる分野で戦うことに決めた。
自社の技術の強みを生かして
はいここ、大切です。大声で3回復唱。
メルマガで質問頂いた質問者さんはezwebのキャリアメールで、新聞販売店一本でやってきて、いまさらまったく経験のない飲食店やコンビニやWeb制作会社に転進するのはリスクが高すぎるわけ。では新聞販売店が転進するのにあたり、「他とは違う優位点」を整理してみることからはじめましょう。
1 めちゃくちゃ早朝(というより夜明け前)からの労働力を確保をしている
2 いまのところ、まだ「折り込み」が使える
自社で折り込む分には印刷代以外はかからない
3 契約している家の事情をかなり知っている
家族構成とか、留守がちとかも分かっている
この3つの要素で考えます。ひねり出した第一のアイデアはこちら
1 深夜の雑作業を引き受け事業
飲食店など、店を休業にして改装したりすると売り上げが落ちるわけで、閉店後の深夜から朝にかけて作業したいと思うケースは多いでしょう。以前、夜中に畳を張り替えるサービスが飲食店向けに大歓迎されているというのをテレビで見ましたが、同様に「内装の張り替え」「修理」「エアコン入れ替え」「家具入れ替え」みたいなのを深夜にやりたいニーズはけっこうあると思います。
作業する側にとっては割増料金を設定できるわけで、稼ぎたい職人さんや電器屋さんなどがいれば、グループを作る。売り込みは配っている新聞のチラシを使うかエリア内の飲食店にポスティングする。販売店で抱えているスタッフは徐々にこちらに移行すれば首を切らなくても済みます。
2 高齢者を対象にしたお手伝いサービス
介護保険では時間がタイトでお使いや買い物代行は依頼できません。そこで新聞販売店の機動力である「配達用原チャリ」を駆使して、「替わりにお使い」サービスをスタートする。対象はやや高額所得の高年齢世帯。集客は同じく自社で配っている新聞の折り込みです。小さな物なら朝刊と一緒にお届けもできます。感謝されてお金にもなる。投資コストもかからないし、お揃いのジャンパーくらい創ればいい。そしてなにより高齢者の方には「いつも新聞を配達してくれてるおにーちゃんがお使いにいってくれる」というのは嬉しいし、新聞もなかなか止められなくなります。
これが巧く行けば、高齢者向けのカタログ作って宅配サービスもできます。電話注文もらって新聞を入れるときにお届けする。高齢者は早起きだから意外とその時間も起きてるしね。どうでしょう、このあたりでひとつ・・・・
Kindleで700円だったので買いました。マジでこういう手口はむかつく。ご両親のためにも読んでおいたほうがいいですよ
老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書)