ウィキよ、お前も衰退か・・・こうすればいいのに。。

2010年9月30日

先日、このブログで日本のブログが大幅に衰退していると書いた。
過去5ヶ月で15パーセントのユーザーがアクティブで無くなっているのだから、2年たったらブロガーは半減というわけなのだが、本日のNewsweek JAPANにも同様の記事があった。どうやら日本だけの傾向ではないらしい。
この記事から引用させて頂くと、「ブログ専門検索サイトのテクノラティによれば、プロのブロガーは増えているが、趣味でブログを書く人は減っている。ブログの約95%は、開設されてすぐに 更新されなくなるという。民間調査機関ピュー財団の最近の調査によると、アメリカの18〜24歳の層で自分を「ブロガー」と位置付けている人の割合は、 06年から09年の3年間で半分に減った。」ということらしいから、日本だけの傾向値じゃないらしい。

で、この記事ではブログだけではなく、ウィキペディアでも執筆や更新の頻度が「深刻なまでに」衰退しているのだという。そしてその理由を「ユーザーが無報酬では動かなくなったから」としているが、それはあまりにも表面的で、的外れだ。この推測ではtwitterが増加した理由が説明できない。世の中はアフリエイターばかりじゃない。損得で動いているだけじゃないのだ。

確かに、仕事の一環でブログを書いてる人、アフリエイターなど小銭稼ぎのブロガーは、止めるわけにはいかないので書き続けているだろう。しかし、更新をやめたブロガーは、「金にならないから」という理由でブログを止めたのだろうか。違うよね。もっと簡単な理由です。誰もがその簡単な答えを知っている。それは「飽きたから」です。

仕事で書いている人といっても、実際にはそれでお金が儲からない方が大半だ。たとえばこのブログだっていわば仕事の一環で書いているわけだが、お金にはなりっこない。だが、書きたいことは山ほどあるし、どんどんネタが溢れてくるのでどれから書いていいか迷うくらいだ。つまり自分自身モノを書くことが好きなんです。ちょっといい方をすると「自分を文章で表現することが好き」なわけ。カラオケで歌を歌うことが好きな人は別にお金にならなくたって歌う。たまに「××さんって歌がうまーい」とお誉めにあずかることがあればそれで御の字だ。それと同じことだ。ブログを毎日更新している人は、文章を書いて自分の考えを表現することが好きなのである。

しかし、ブームに乗っただけで「ブログなるもの」をはじめた人は、そもそも好きでやってることじゃないから、すぐに更新が苦痛になる。そして書くことが無くなる。毎日毎日、あれ食べた、どこ行っただけ書いていても、見る方も面白くないからアクセスは増えない。知人しか見ないという結果になる。たかが数人のために時間をかけてブログを書くのは苦痛でしかない。知らない人から「ブログ読んだけど面白いね」「とっても為になる」と言われることでもあればやる気のひとつも出るのだが、そもそも面白くないブログだから誰も言わないし。ということで、お願いだからこのブログについても誰か誉めてください(笑)。アクセスは徐々に右上がりで増えているので、読者は少しずつ増えてるような気がするのだが・・。

つまり人は、他人に必要とされる、評価されることにはお金の問題ではなくて意欲が湧くが、いくら儲かっても人に必要とされないことはモラルが下がる。なのでブロガーが減っているのだと思う。ではウィキはどうだろう。
実は自分もウィキには何回か書いたことがある。前述のように「書く」ことが好きなので書くだけだが、見た人から「コレを書いた人は詳しいな」と思われたくて書いてるのである。つまり暗黙の賞賛が欲しくて書いたのだと自己分析できる。ウィキが衰退するのはある意味当たり前で、もう書けることが普通の人には無くなってきたのである。いまのウィキに加筆しようと思えば、専門的な知識を相当に持つ人しか無理で、ほとんど書く余裕がない。書きたいところを捜しても自分より知識が豊富な人が書き尽くしているのだから、書きようがない。もし書くとしたら、かなり調べまくって勉強しないとならない。その労力を使うには暗黙の賞賛だけでは足りない。

ウィキの執筆減少の打開策として、お金や賞品を出すことを検討しているらしいが、逆効果だと思う。「金のためにやってるんじゃない」と大半の人は思うだろう。SNSみたいな機能を搭載することも検討しているらしいが、これも的外れだ。だって他の執筆者はライバルなわけで、交流したくないですよ・・・第一、ウィキにそんなこと、求めてない。

ではどうすればいいのか。

先ほども書いたが、他人に必要とされる、評価されることにはお金の問題ではなくて意欲が湧く。ごく簡単なことなのだが、Facebook風でも良いので「拍手」とか「いいね」「役に立ちました、ありがとう」みたいな単純なプログラムで、その数が増えていくくらいの簡単な工夫でも、変わってくると思う。ウィキに必要なのは「自分の書いた原稿が役に立っている」という実感なのである。暗黙ではなくて、目に見える賞賛なのだと思う。

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