有料メルマガの質問で相当数を占めるのが「地方に住んでいるんですが、なんとかして活性化したい」という類です。みなさん頑張って地方のポータルとか作っていらっしゃるんですが、中には行政側でお金だけ使ってあまり意味のないものも見受けられますよね。何度も書きましたけど、たとえば
桃太郎市のキャンペーンで観光客は呼べない。地方の税金は有意義に使われているか。
岡山市の炎上マーケティングは、やっぱり「惜しい、岡山市」だと思う
一瞬だけネットで話題になった岡山市。特設サイトに人は来てるのかな・・・最後の更新は今年の3月31日。Similar Webで見ますと
月にたったの2000人で個人ブログ以下。2000万円もかけて創ったはずが・・・・。
賭けてもいいけど昨日数百万くらいはあったアクセスは、日を追うごとに落ちていって最後は1日数百人くらいになってしまう気がする。数ヶ月たったらみんな忘れてますよ。
予言当たりすぎて最後は1日数十人まで落ちてるけど・・・
また、こちらで書いた
地方活性化のための根本的な考え方を素人ですが私が論じてみます
では、どこかで成功したと聞くと一斉に物まねに走るっていうのはいい加減に止めようというのが趣旨。「B級グランプリ」と聞けば一斉にB級、「タレント観光大使」と聞けば全県で観光大使と、さらにゆるキャラ大氾濫でオリジナリティのかけらもない。まあ考えるのが地方公務員のみなさんで、コンサルタントや広告代理店のいうがままになんかやってみるという感じだからねえ・・
ところがである。これは凄い。これこそお手本だというのを見つけましたよ!!!
http://wrsb.saga-city.jp/
朝日新聞にも取り上げられてます。上の桃太郎の岡山市はスポニチだから、差がでかすぎ!! www
閲覧注意?有明海のエイリアンを知ってるか 本家も注目
朝日新聞デジタル
佐賀市が観光プロモーションビデオ(PV)で未知の生物「W・R・S・B」と銘打ち、映画仕立てで売り出したところ、国際短編映画祭で部門賞をうかがう高評価に。本家の「エイリアン」もくらいつき、関連ゲームの発売にあわせた共同キャンペーンも始まった。
制作は世界の広告祭で受賞経験を持つ有名なクリエイターが担当し、カメラマンや出演者のほとんどは佐賀市の方々だそうな。撮影は佐賀大学の学生さんだ!!!つまり県内の才能を結集している(大げさ)
桃太郎の1/10だが、桃太郎が丸投げ感半端ないのに対し、こちらはかなり丁寧に作り込んでいる。手間かかってるのがよくわかる。金かければそこそこのを作るのは簡単だけど、金を掛けないと手間がかかる。才能を探してくるのだってめちゃくちゃ手間ですよ。
佐賀市プロモーションムービー 「W・R・S・B」 製作者・出演者について
このキャンペーンが面白い理由はいくつかあって・・
1 一時的なものではない
※YouTube動画は時間を掛けて拡散していく。やりっ放しで終わらない。
2 インバウンド向けに最初から英語がついてる
※海外でもかなり話題らしい
3 観光客の誘致という明確なコンセプト
※佐賀のご当地アイドルも出演している。www
4 独自性が高い視点
※動画を作ってそこからバズらせるとか、なかなか地方自治体じゃ思いつかない。
とくに「インバウンド対策」っていうのは大事。今の日本、お金を持っていて旅行するのは主に高年齢者です。観光省の調査によりますと、日本人全体では国内旅行に対するマインドがかなり低下。
宿泊旅行・行楽(日帰り)をした人の割合を見ましても、こんな感じでガクべり・・・まあ、旅行に行くなら今の時代、LCCも飛んでるしで国内より海外に行きますわ的な・・・
国内宿泊観光旅行の年間平均回数はどれくらいかというと
20年前から比較するとガクべり。まだ60代以上に支えられている感じで50代が一番ガクべり
国内旅行1回あたりの費用はこんな感じ
こちらも60代以上に支えられてます。30代が一番貧乏とは・・・ついで20代・・涙
「年金下げられて老人殺す気か」って・・・一番旅行してお金使ってるのは老人なんすけど・・
この傾向が急に上昇に転じるなんてことはない。よって国内の観光は今後
インバウンドに目を向けないと死ぬ
ということなんです。旅館も民宿もレストランも、トリップアドバイザーやAirbnbに登録必須でしょう。メニューは英語と中国語は必須でしょう。対応が遅れている観光施設は間違いなく死に絶えるだろうし、地方自治体も同じです。そういう意味では「YouTube動画」は国や言語の壁を越える。ここに注目したことで佐賀市を高く評価し、ここに表彰するものといたします(いらんだろうが)