By hdptcar
集団自衛権を使える安全保障法制を巡り、「合憲」「違憲」と真っ二つですが、わたくし的には本当に必要なら姑息なことをしないできちんと憲法を改正するべきだと思います。世界で「憲法改正絶対ダメ」って頑ななのは日本だけみたいだし、憲法のための日本じゃなくて日本人を守る憲法なんだから・・・
で、ひとつ違和感ありまして、
「戦争いや」女性たち結集 安保法制に抗議、各地で声
朝日新聞
みたいに、「すぐさま太平洋戦争みたいなのがまた起こる」と短絡的に思う方が一杯いるのに驚きます。わたし、いつも「中国が沖縄に攻めてきたらどうする」的なことを書いていますが、中国大艦隊が航空兵力とともに沖縄に上陸してきて大戦争というのは、99.99999%くらいないです。やるのであればロシアがクリミアを国際社会の反対を押し切って併合したように、強大な軍事力をちらつかせつつ、表面は「沖縄の人たちの意思」として選挙をさせて、その結果・・ということにするはずです。
それはなぜか・・・ということは本日は普通とは違う見地で仮説を立てたいと思いますのでよろしく。
さて、みなさまはスピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」という映画を見たことがありますか?
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非常に素晴らしい映画でわたくし3回くらい見ました。ティーゲル戦車が来た!っていうシーンで来るのはソ連製のT-34/85の改造したヤツでがっかりでしたけど。
このプライベート・ライアンは、第二次世界大戦の欧州戦線でライアンという兵士がいまして、兄が三人いて同じく兵士だったのですが、三人とも戦死してしまい、国務省のルールで一人残ったライアンを帰国させないといけない。トム・ハンクスが「なんで??」とか思いながらも助けに行く話です。この時代であっても、息子全員死亡はまずく、ひとりは残さないといけなかったわけ。
日本軍はどうだったかというと、一番最初の神風特攻隊の編成時でさえも、「一人っ子と妻帯者は外せ」という指示が出た。もっともそんなことにかまっていられなくなってなし崩しのようでしたが・・考えたらわたしの父親も特攻隊(震洋)の生き残りですが、次男です。
人間にとって「子孫を残す」というのは基本的な生物としての欲求ですが、日本の出合計特殊出生率はこのように激減しています。
合計特殊出生率というのが1人の女性が産む子供の数ですね。戦争直後はなんと4.5人くらいでした。戦中、戦前はといいますと1920年では5.9人、1930年では4.71人だったわけです。ところが今は1.4人がやっとです。
海外ではどうなのか・・
アメリカではもともとそれほど兄弟は多いわけではなく、戦後は2.2人くらい。戦争が終わって日本と同じくベビーブームが来たんですが、ベトナム戦争の頃にドカンと出生率が下がり、そのあとやっと復帰して1.88人くらいですね。
そこでわたくし。世界でいま戦争してるとか、クーデターやってるとか虐殺してるとかの国の合計特殊出生率を調べてみました。WHOの2015年のデータです。
合計特殊出生率上位国で平和なところ皆無!!!
●ニジェール 2000年にはいっても暴動と鎮圧を繰り返して政情不安。2010年に軍がクーデター
●マリ 2012年軍事クーデター。様々な組織が入り乱れて大変 あまりにひどくて2013年にフランスが軍事介入
●ソマリア ご存じ無政府状態で世界中の悩みの種
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●ブルンジ ずっと内戦。1972年に1万人のツチ族を殺害されると、その報復として同年、4月から10月にかけてツチ族系の軍隊がフツ族10万人を殺害するという事件が有名。ルワンダと同じだ
●アンゴラ 同じくずっと内戦。全土に地雷多数
●ルワンダ 1994年。政府と暴徒化したフツによるツチと穏健派フツに対する虐殺で約100日間のうちに、当時のルワンダの総人口約730万人中、およそ80万人から100万人が殺害された。↓この映画で勉強してね
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この下も、アフガニスタンも5.1人、ISが戦闘中のイラクとヨルダンも合計特殊出生率上位。イスラエルも2.9人です。なんとWHOの合計特殊出生率上位の国で平和で豊かなところはほぼ皆無。
もちろん子供が死ぬ可能性が高いからたくさん生むということもあるけど、これは逆に言うと「1人2人死んでもなんとか残るから」という考え方の裏返しである。ひどい言い方だが「一票の格差」みたいに「一命の格差」って感じ。「人が1人死ぬ」という意味が違う気がする。国連が紛争介入するなら、いっそ一人っ子政策導入のほうが効果あったりして・・・
少子化の国は全面戦争に踏み切れない
ところがである。
日本の周囲はどうなってるというと、ロシア1.5、中国1.7、韓国はなんと1.3です。
中国は戦後は5人くらいだった合計特殊出生率は一人っ子政策でめちゃくちゃ下がった。1.7というのは公称で、もっと低いという可能性もあるんだとか。
そもそも、極端な少子化の国が自分から大規模な戦争を仕掛けるということはあるのかというと
ないと思います!!
いくら中国だって、一人っ子の息子ばかりで構成された若い兵士を本格的に戦争に投入すれば、クーデターが起きますよ。甘やかされた一人っ子が中国で大問題じゃないですか。
2週間の軍事訓練に参加した2500人の若い兵士のうち600人以上も医務室に駆け込んだり、2008年の四川大地震でも、救難出動の際、「危険だから行きたくない」と子供のように駄々をこねて、泣いて出動を拒否する兵士もいたと伝えられる。
中国は田舎は年金とかあるわけではなく、子供は将来親の面倒をみないといけない。親からしたら子供に死なれたら路頭に迷う。よって絶対に戦争なんかで死なれたら困るんである。戦前みたいに5人くらいいれば1人2人戦死してもまだいいのだが、一人っ子なのです。
日本も同じで、自衛隊員はたぶん北海道出身が多いと思うけど、北海道の出生率は低いんである。東京に次いでワースト2なんである。ということは長男、長女の比率がめちゃくちゃ高い。こんな編成で海外に本格侵攻するぞとなったら瞬時に政権飛びます。いや、ホント。
とりとめなくなりましたが、「戦前に逆戻り」とか「第三次世界大戦が起きたらどうする」みたいな話は、一家に5人子供がいたときの70年前の話で、いまじゃ少なくとも日本の周辺じゃあり得ないって事。だからクリミア形式で「世論を動かす」的に中国はいろいろやってるんだと思います。そんなわけでアメリカも中国も無人機(ドローン)の開発を必死にやってるわけですね。わかります。