朝日新聞もいい記事書きますね。www スカイツリー4本分だってさ。
当初の目論見を大きく上回り、2500億だがなんだかに予算がふくれあがった国立競技場。いまやこの建設に賛同するのはゼネコンと土建屋以外には日本にはいないと思います!!!右も左も意見が揃うのが珍しいくらいです。
もし、自分が安倍さんなら、緊急会見を開き、このように発表します。
「日本国民の皆さん。国立競技場の建設について、本日、首相権限でもって、国立競技場の建設はいったん白紙とし、過去5大会の競技場建築費の平均である500億円を予算とし、1から計画を見直すように指示をいたしました。国民の皆さまからお預かりしている税金を、1円でも無駄に使うことは到底許されるものではありません」
支持率一気に20%くらい上がるわ!!!!
強行採決し放題になりますのでそれもちょっと困りますけどね。
でも、これだけでは不十分です。いったいどんな国立競技場ならいいのか対案を出さないと。そこで工学部建築学科を卒業しながらまるで素人のわたしが戯れ言で語ります。さて、なんで今の宇宙船風の国立競技場がダメなのか、端的にいいますと・・
1 予算に見合う投資価値がない
2500億かけても5000億くらいになって帰ってくるなら、投資ですので別に良いのです。しかし絶対に2500億は帰ってきません。その理由として「観光資源にならない」という事があげられます。シドニーに旅行に行った方、オリンピックの競技場、見に行きました?? 北京に行った方、わざわざ「鳥の巣」見に行きました??行かないでしょう。だって歴史的建造物にならないもんね。
2 目新しさは陳腐化する
SF的なデザインは、50年もすると陳腐化します。メカニックデザインの方向が変わるからです。いまから50年前のSFD映画「宇宙家族ロビンソン」に出てたロボットがこれ。当時は「ひぇーーーーー、かっこいい」と子供が言ってたわけですが・・
いまこんなロボットが出てくる映画作ったら頭おかしい。同じように50年後にあのデザインの国立競技場見たら「ださ〜い」って思うよ。
3 全然日本じゃない
少なくとも自分は全然格好良くないと思う!!!無駄銭!!
で、わたしが考える国立競技場はこのようなコンセプトにします。素人なんで詳しくは突っ込むな。
世界最大の木造建築競技場!!!!
皆さんはつい最近まで東大寺の大仏殿が世界最大の木造建築物だったことを知ってますか??
これです。これ。
しかし最近になってスペインで博物館やショッピングモールを統合した木造建築物にその座を奪われました。
ここに詳しい記事が出てますよ。
しかし、日本の木造建築の技術って凄いんですよ。1000年以上の間、何度も起きた地震にもみんな耐えてる。法隆寺の五重塔って耐震構造になってるの、知ってますか?
もちろん巨大になると、木造オンリーでは強度が足りません。上記のスペインの建築も鉄筋コンクリートも使われていて外部の仕上げが木材になっています。しかし我らが日本となると、世界に誇るカーボングラファイトがあるじゃないですか。木材とカーボンなどの先進技術を使い、外観上は全く木造のものをつくるのです。もちろん防火などの法改正が一部必要ですが、安倍さんの指示で特急でやる。
具体的なプランです
1 日本中の大工を結集して1000年後も誇れる建造物に
1000年後にも誇れる世界最大の木造建築物を建設するために、日本中から大工を集めます。現場の指揮を執るのは宮大工。神様のような人がいます。日本中で大工さんの社会的地位がめちゃくちゃあがるし、「大工になりたい」という若者も多くなります。だって「あの競技場は俺が作ったんだぞ」って言えるから。日本ではブルーカラーの地位が不当に低いのでバカでもFラン大学に行こうとするのだが、大工=カッコいい というムーブメントが起きるでしょう。
そしてなにより、廃れようとしている日本の卓越した木造技術が、広く後世に伝えられます。木造建築物は鉄筋コンクリートなどとは違い、手を入れさえすれば半永久的に使えるのです。伊勢神宮は20年ごとに建物を壊して新しくする(神宮式年遷宮)ので世界文化遺産になれないんですが、これで貴重な技術が後世に伝わるのです。それと同じ事になります。
エジプトは2000年前のピラミッドの観光遺産でいまも食ってるわけで、ピラミッド作るのは物凄いコストだったと思うけど、十分ペイしてます。
2 ラグビーのワールドカップやオリンピックまでに間に合うのは座席だけで良いとする
スペインのバルセロナにあるサグラダファミリアって知ってますか?
わたくし大学の専攻が「西洋建築史」だったのですが、建築家のガウディはこの世界では「神」です。
1882年着工。ガウディは前の担当から引き継いで設計をやり直し、まだ建設中です。噂では今世紀の中頃に完成するのではといわれてますが、スペインなのでわかんないす。で、このサグラダファミリアは
スペインでもっとも観光客を集める建築物
なわけですよ。観光客からしたら、何回行っても「どこまでできたかな」という事で楽しめる。作っているところも見られるのです。日本の国立競技場だって、ハッピ着た粋な大工さんたちがカンナやノミで卓越した職人の技を見せつつ建設するわけで、それだけで物凄い観光資源になります。だからあえて完成してなくても木造の和風ベンチ部分や基本部分ができているなら海外からの観客は喜ぶ。絶対「クール!!」って言うよ。
オリンピックの開会式では「この世界最大の木造競技場は日本の粋を尽くしてあと20年後に完成します」ってぶち上げる。オリンピック終わっても観光客はたくさん来る。
つまり、ずっと観光資源として稼いでくれるわけですな。
3 日本に有り余っている杉材を徹底使用する
花粉症で苦しんでいる皆さま、あの、戦後に林野庁が植えまくった杉が、いまや木造住宅のニーズが無くなったため、花粉をまき散らしております。手入れもされていないし予算もないのでひょろひょろのもたくさんあります。こうした全国の杉林を伐採し、使える物はみんな使う。そうでない山も綺麗にする。これで日本の自然は蘇るし、地方に働く場ができます。
針葉樹は広葉樹と比べて山が痩せます。ブナの木を切って杉を植えまくって日本の自然は破壊されましたが、この世界最大の木造建築物を建造、維持していくためには日本の山の再生が必要なんですわ。これをセットで賄えるプランです。なにより日本中の花粉症で苦しむ人たちから見たら、ここへの税金投入は全く惜しくも何ともありません。杉はベンチとか構造に関係ないところなら十分使えますよね。
追記、イメージ的には1200年前に建てられた清水寺が参考かな・・・
そんなわけで、安倍首相の元へ届くようにお祈りして公開したいと思います。
日本木造遺産 千年の建築を旅する