最近、政治的なエントリーが多いと言われますが、仕方ないじゃん、いまが旬で、マイブームなんだもんさ。このブログは前にも書いたように「エッセイ」ですので、自分が興味あることを書くのであります。
さて、最近、主にネットで話題の安保法案反対デモの学生集団SEALDsくん。どんな組織かといいますと
反対派の急先鋒・SEALDs(シールズ)の正体とは? ラップ調で抗議活動、ネット活用…
《国民なめんな》《言うこと聞かせる番だ おれたちが》《安倍はやめろ》
安保法案が激しい議論となる中、国会前では毎週のように反対するグループが集まり、ラップ調の抗議を連呼したり、演説を行ったりしている。その中心にいるのが、シールズだ。関係者らによると、シールズは特定秘密保護法に反対する学生有志の会として平成25年に結成された「SASPL(サスプル)」を前身に、今年5月に結成された。サスプルは首相官邸周辺などで同様の抗議活動を行ってきたが、同法の施行で取り組みを終えた。その後、「平和憲法と立憲主義を守り、対話と協調に基づく外交・安全保障政策を求める」ことなどを新たな課題に、名称を変えて再結成された。首都圏の大学生ら30人程度が中心メンバーで、単体で数百人の動員力があるとされる。
共産党系の民青の別組織かと思ったら、公安関係者が「メンバーは基本的に無党派」って言ってるそうなので、しかも↑は産経のネタなので本当なんでしょう。もし共産党系ならボロクソ書くはずだし。
特定秘密保護法に反対する学生有志の会として発足したそうだが、あれだけ「治安維持法の再来」とか「これで日本に自由はなくなる」と言ってた割に普通にデモができているという不思議・・・
まあ、自分もあえて面接で「SEALDsで頑張ってデモやってましたぁ」とかは言わない方が良いと思うが、顔くらい晒したって別に落とされはしないでしょ。採用担当はいちいちチェックしていられないから。ただし固い金融とか、社長が右系のとこ(どことは言えないがけっこうあるよ)とか、労働組合に嫌悪感示す企業とかは厳しいかなと思いますが、IT系とかはまず平気でしょう。
あんなデモくらいで世の中を動かすことができるなら、僕の今までの労力はなんだったんだ?世の中そんな甘くない。
と、橋下さんもツイートしておりました。3万人規模のデモといっても、実は台湾や香港のデモと比べると非常に規模が小さく、しかもそもそものデモの根拠が全く違う。台湾の「ひまわり運動」、香港の「雨傘革命」の2つに共通するのは、一党独裁で基本的人権を軽視する中国共産党の横暴に対して、若者たちが「自由と民主主義を守ろう」と立ち上がった運動ということだ。つまり両方とも
一党独裁の軍事国家「中国に対するデモ」
なわけで、日本の安保法案反対デモとは根本的に違うわけですよ。中国に対して圧力をかけるためのデモなわけですよ。でもって中国政府はこのデモにたいして激しく反発したけど、今回の日本のデモについてはなんの反応もない。そりゃそーだろ、普通は安保法案通らない方が中国には嬉しいからデモ歓迎が本音。
しかし、中国や香港のデモは一般の人の心にも響いたけど、日本のは全く響いてない。その証拠に
内閣支持率43%に回復 首相談話「評価」57% 安保法案「必要」58%
これは産経新聞だから話半分として
内閣支持率46%に回復、70年談話「評価」42% 本社世論調査
日経新聞のほうが支持率高いやんけ
と、内閣支持率は上昇しております。つまりはデモは残念ながら響かなかったのです。これについては非常に素晴らしい分析がこちらに
「ネットの声」を世論と錯覚する愚。五輪エンブレム問題から考える”ネット世論”追認の危うさ
ところが実際には、そうしたネットの声は、特定のクラスタ、特定のネット階層といういわば亀の甲羅に似た「島宇宙」の中の声を代弁したものにすぎない。上記の例で言えば、例えば次世代の党の価値観に共鳴する保守的なネット上のクラスタの声がネット世論調査に強い影響を与えたが、それは世論とイコールではなかった。或いは、現在、安保法制を巡る集会や抗議行動が盛んに繰り広げられている。特に8月30日には国会前に3万とも10万ともされる参加者が集まり、「反安倍」の声を上げた。しかし一方で、直近の世論調査では、7月に4割を割った内閣支持率は40%台に軒並み回復していることを伝えている(日経・テレビ東京=46%、産経・FNN=43%)。政党別支持率をみても、NHKの政治意識調査では、自民党の支持率は34.3%と一位を堅持しており、二位の民主党(10.9%)を大きく引き伸ばしている。国会前での「反安倍」の絶叫と世論は必ずしもイコールではない。「狂騒」のただ中にいると、どうしてもその中心が世論であり世界の全てであると勘違いする。或いは、「狂騒」を近くで観察しても、まるでそれと同じ現象が日本中で繰り広げられているという錯覚を生む。それらは、両方共大きな間違いであると自覚しなければならない。
どうしたらもっとSEALDsくんたちは支持を広げられるのか
長々と書きましたけどここからが本題です。本当に日本の安保法案を廃案にしたいのなら、もっと支持を集めないといけないわけです。そのためには今のデモは逆効果です。賛成派、容認派も「馬鹿がデモやってる、これはヤバい」と言うことで結束してしまいますからね。
あまりに短絡的な主張は馬鹿に見えるので止める
自分の主張を拡散していきたいなら、必要なのは顧客視点です。相手がどういう印象を持つのか想像して「いい印象」を持ってもらえないと支持が広がりません。
それ!
RT @sammy_int: デモに対する違和感がわかりました。あまりに論理が飛躍してるからです。「安保法制=徴兵されて殺される!」という短絡思考が無理です。安倍首相への人格攻撃とか見ると普通に引きますし。週末にあんなとこ行く気持がわかりません。
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2015, 9月 5
「安保法制=徴兵されて殺される!」という短絡思考は、安保法案を全く読んでいないことがバレバレ。反対するのであれば「そもそも憲法違反だからダメ」というそもそも論も、「憲法学者はそもそも自衛隊も憲法違反でダメといってわけで自衛隊自体がいらないと?」と逆そもそも論で突き返されるだけなので、法案のどこがダメかきちんと言った方が良い。
また、とりま廃案とか、遊び半分で書いたようなプラカードも止めましょう。ふざけてお祭り気分で参加しているようにしか見えないので反感を食います。ラップも止めた方がいいでしょう。自己表現のためにデモしているようにしか見えないからです。全員で静かに蝋燭でも持っている方がずっと「平和を愛している」感じがします。
汚い言葉使いはしない
[安倍、死ね」とか「馬鹿か、安倍」みたいな汚い罵声を使うと、普通の大人は引きます。全然平和を愛してるように見えません。こんなチンピラみたいな奴らが力を持ったら大変だと思われますので、台湾の「ひまわり運動」、香港の「雨傘革命」のような、毅然として美しく礼儀正しいスピーチをしましょう。論理的に語ることがポイントで、感情的になるのは意味がないのです。これはネトウヨも同じで、民族差別的な発言も自分の品格を貶めるだけです。
考えが違う人たちと交わろう
デモの中にいると、みんな同じ考え方です。これだと連帯感とか仲間意識で気持ちはいいですが、他の考え方を全否定するようになってしまいます。毎回同じ顔ぶれでデモしてもしかたないでしょう。よって積極的に他の考え方をしている人たちとも交流しましょう。
ソーシャルを運用するなら、自分と違う考え方の人をブロックしたりしていると自己満足で終わります。「デモをするなら日の丸を掲げて」とツイートすると一瞬でブロックされるそうですが、そういうのは愚の骨頂。そういう人たちを取り込まないと運動は広がらないので真面目に対応する。相手が罵声で来ても冷静に対応しているうちに周囲は「あれ、こいつらしっかりしている」と思うのです。違う考え方の論客も積極的にフォローして、相手の主張を理解しましょう。
実名でブログ書いたりしよう
3万人でスゲーとかいってはいけません。このブログだって1日2万人以上は読んでます。だったら影響力のあるブログを書けばもっとたくさんの人に響きます。その場合は実名でないと影響力が発揮できません。そのうちに朝生に呼ばれたりしてさらに影響力が出てきたら、選挙に出るという選択もあるでしょう。ある意味、馬鹿ですけど山本太郎が評価できるのはそこだけです。他人にボロカス言われても主義は貫いています。馬鹿だけど。
バランスを取ろう
なんで中国の軍事パレードについては黙認して誰も反対しないんでしょう。逆に「中国や北朝鮮の核兵器は善」といってる人たちまで安保法案に反対していることを知りましょう。村山元首相は軍事パレードまで参加に行きました。最後はひよって現地で入院したらしいですが。「戦争反対」ならば、いちばん危険性の高い独裁国家、自国の国民を1000万人も虐殺した中国に対してもデモを行いましょう。
「あんたらが海洋権益とか、軍事パレードするから日本も対抗せざるを得ないんだ」というデモを中国大使館に35万人くらいかければ、多くの安保法案容認派もSEALDsくんたちを認めて評価します。こうして支持を広げて行った方がいまよりずっと浸透するんですよ。これ、何回も書いてますが。本当です。本当に戦争反対なら絶対やった方が良い。