ネットニュースとかのステマ問題が非常に燃えさかりましたね。
実は私、ずいぶん昔からこれについてはアレコレ言ってます。
Gunosyにステマが来てかなりムカつく日曜日
2014年3月9日
要はライブドアニュースに配信してる女性サイトが占いサイトの広告(小さく下にPR入り)をライブドアにニュースとして配信、それをどうしてだがGunosyが拾ってきたという・・・あとでライブドアの担当者から「こういうのが多くて当社も困ってます」的な回答を頂きました。まあ、PRと入ってるだけマシではあるが、なんでそんなものをGunosyは拾ってくるのかという点にムカッときたわけです。
【追記】「Yahoo!ニュース」からステマ記事排除へ、悪質事業者には法的措置も–ヤフー声明
ネット上のステマについてはアメブロの芸能人がいろいろやらかしたあたりからネット上で有名になってきたわけですが、わたくしもっと根本的な問題が日本にはあると思っています。広告業界、PR業界の人は口をつぐんでいるので本日は書いてしまいます。なにかっていうと
テレビの情報番組にステマがいっぱい
ってことですよ。言っちゃった・・・
このエントリーにも書きましたけど
ネットの中ではリテラシーが低い方のYahoo!のユーザーでも、一般的なレイトマジョリティから見たら情報に対しての理解度はかなり高い。しかしながら、国民の大半はレイトマジョリティなのだ。スマホは持っていてもまとめサイトとLINEだけ。新聞も読まないし、テレビしか見ないっていうクラスタは実は日本の大半を占めているはず。特に高齢者層です。
今年9月のNHKの調査データ
NHK見てるのはほとんどが60代以上です。民放の調査は無料のがなかなかみあたらないのだが、NHKよりは少し若いだろうと思う。
しかし・・・
電通総研のこの本から、ぎょっとするデータ
低学歴になるほどテレビを見るという事実
20〜30代の女性では、専業主婦が一番テレビを見ていて最終学歴が下がるほどその傾向値が高くなる。フルタイムで働いている人に比べて無職は2倍近くテレビを見てるわけです。当然のことながら、「テレビ依存度が高い人ほど情報の真偽を見極めるリテラシーは低い」ということが推測できます。
で、話をテレビに戻す。
ずいぶん昔からですが、たぶんバブル崩壊して番組制作費が切り詰められるようになってからだと思うんですが、「民放の情報番組に取り上げてもらうのはお金を払えばよい」ということが広告業界では常識です。テレビ局に払うのではなくて、制作会社に「制作協力費」として払います。土曜の日中にやってるような女性向けのアレですと、だいたい200万円とかだったけど、時間帯や視聴率によっても違います。数十万程度からですね。もちろん全てが制作協力費をもらってるわけではなく、独自の取材のものと、そうでないのが混じっているわけですが、番組中に「PR」とか出ませんよね?
制作側には「客の言うままに制作しているわけではなくて、協力費を頂いているだけでこちらの独自取材である」という言い分があるのかもしれないけど、お金をもらわなければ取り上げないものをお金をもらって取り上げる、しかもお金をもらっていることを視聴者が分からないというのは問題はないですか。しかもネットのユーザーなら「これはステマだ」とか気づくか、上記のようにテレビの視聴者は全く気づかない可能性がずっと高い。
テレビでやってたから、流行ってるんだ
テレビでやってたからあの店は美味しいんだ
って、リテラシーの低い人たちは鵜呑みにしてしまうんですよ。だいたい観光グルメ番組でも、「なんであんな店が紹介されるのか」みたいなのがいっぱいある。自分とかは「これ、絶対にお金払ってるよね」とか思って見るが、普通の人とかは丸呑みでしょうよ。
で、ネットニュースとかは自主規制でいいのだが、公共の電波を使用するテレビでは放送法で決められている。
【放送法】
(広告放送の識別のための措置)
第五十一条の二
一般放送事業者は、対価を得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない。
対価を得ているのは放送事業者ではなくて制作会社だという言い訳もあるかも。しかし繰り返すが「お金をもらわなければ取り上げないものをお金をもらって取り上げる」というのが社会通念上広告にあたるのかというと、広告ではないけどPRでしょう。ネイティブアドと同じじゃないの?
完全に抵触してるっしょ、これ。
やるなとはいわない。ちゃんと「PR」または「スポンサード」ってテロップ下に流せばいいじゃないか。あ、番組にはメインスポンサーが付いてるからそれはダメか。じゃ「制作協力××」とかね。
自分もお金をもらってこのブログに記事書くことはあるけど、その場合は好きに書かせてもらう。でもちゃんと「PR」って入れてますよ。そんなわけで、よりリテラシーの低い人に対してこそ、見破る能力が低いわけだから法律は厳重に適用されないといけない。放送局は制作会社に丸投げだから関知せずとかいうかもしれないけど、やっぱネットのステマを言うなら、まずはもっと規模が大きくてターゲットが騙しやすく、しかも日常的に行われていることについて誰かが言わないといけないと思う次第です。
こういうの来ました。これは放送法違反じゃね?
キー局に紐づくCSのビジネス番組に政策協力費180万で出れますって、広告代理店でも制作会社でもなく、局の人に言われたな。始めは取材だと思ったんだけどね。
なんでみんなテレビのステマは話題にしないのかなというと http://t.co/jaV0P3aLLA @Isseki3さん
— 意識低い社長 (@ishikihikuisha) 2015, 10月 2
テレビの出演とかないので平気で書ける自分です。