Facebookの陰に隠れて、というか若い女性と主婦中心になってすっかりログインもしなくなってしまったmixiではあるが、
ソーシャルネット事業は、売上高88億円(前年同期比3.7%減)、営業利益26億円(同29.6%減)。「mixiゲーム」の開始により課金売上は順調に拡大したものの、震災の影響による出稿抑制やスマートフォンが普及していく中でモバイル広告の出稿が減少した。売り上げの内訳は、広告売上が15.1%減の61億円、課金売上高が39.5%増の26億円となった。
■2012年3月期の見通し
2012年3月期は、売上高130~140億円(前期比1.7%減~5.8%増)、営業利益16~25億円(同52.6~25.9%減)、経常利益13~23億円(同56.5%減~23.1%減)、当期純利益5~11億円(同63.8%減~20.4%減)を見込む。
ということで、ガラケーからスマホの切り替えでやはり広告収益が伸び悩むものの、mixiゲームの開始で少しは回復兆しっていう感じ。
んで、新たに開始した「mixiバースデー」っていうのが好調で、週に50万件の利用。ただこれは別に収益に関係ない。将来的にはmixi経由で現物のプレゼントを送れることになるので、多少はコマースの売り上げが増える可能性はある。今後はコマースもやるというが・・・
しかし・・前にも書いたが、
GREEとモバゲーの客 → ゲームやる気まんまんで来た
アメーバピグの客 → ナンパに来た
mixiとFacebookの客 → 友達と交流に来た
なのである。交流に来ているわけだから「mixi年賀状」とか「「mixiバースデー」はヒットして当たり前。しかしFacebookも同じでコマースやゲームは根幹のビジネスモデルにはなり得ない。なぜなら来訪している人たちの目的が違うからだ。原宿の駅前がいくら人通りが多くたって、掛け軸の骨董品屋開いても売れないのと同じです。
また「友達と交流に来た」というmixiとFacebookでは、交流に対する基本姿勢が異なっていることが忘れられている。
Facebook・・・既知の友人と交流する
mixi・・・・・新しく友人を創る
なわけです。 FacebookのFAQには、はっきりと
Facebookは実世界の友達や家族、個人的に知っている人と交流するための場です。
と明記してある。エセコンサルに騙された人とか、Facebookを理解できないリテラシーが低い方は、会ったことの無い人に友人申請を出しまくるが、それやってるとアカウントを停止されるし、無作為に受けまくっても停止されるケースがある。つまりそういう人は、Facebookには不要の客なのです。Facebookはセミナーなど公式の場でもそういってます。エセコンサルが知らないだけです。
だから、Facebookはリアルの友人が多くないと機能しないわけです。
これに対してmixiはというと、コミュニティがかつての存在意義だった。コミュニティを通じて新しい友人ができ、交友関係が広がった。新しい友人もたくさんできた。ここが決定的に違うのにコミュニティの機能拡充・改変をしなかったので、いまではオピニオンリーダーの流出のためにほとんど動かなくなった。現状のmixiはつぶやきにしか投稿されてないわけで、はっきりいって身内だけのtwitterである。新しい友人ができる導線が皆無。SNSが怖いという若い女性は身内だけで呟き合えるからいいとしても、そのうちおばさんになって図太くなったら卒業してしまう。
で、です。
実は日本には古来より(といっても20年くらい前 w) 、知らない人と出会うためのSNSが存在し、しかも年間2000億の市場があったのだ。
なんだ、それ。と思うでしょ。そんなんあったんか、と・・・
じゃ〜ん それは「出会いサイト」。 出会いサイトについてはこのエントリーにも書いたが、ポイント制になっていて、最初に5000ポイントとかが無料で貰えるが、メッセージ一本出すためには500ポイントとかが必要で、女だと思ってる大半の相手は実はおっさんのサクラ。どんどんとポイントを消費させるようにしていいところでポイントが無くなるようにする。そうするとついついお金を出してポイントを買ってしまう、という携帯ゲームと同じ「課金タイミングが命」のサービスです。しかしガラケー全盛期の10年前には、年間2000億円の市場だった。出会い系サービスのASP業者から聞いたので間違いないです、はい。
つまり「出会い系」はコミュニティ手段に課金することによってビジネスモデルとしているわけです。地味にやるならサクラを使わなくても回るはずだが、一気に稼ぐために使っているだけ。
「出会い系は男女が出会う場」だから、mixiとは違うのだろうか。
いや、知らない同士が知り合うというための場、というなら全く同じことだと思う。もちろん出会い系みたいに「キー (`_´)」となって夢中で金を払いまくりってことはないだろうが、「知らない人と知り合いになるため」に課金が必要なら、それなりのものは払うだろう。その目的のためにログインしているわけだから・・。
たとえば有料の・・・
○高性能コミュニティサービス
※いまのコミュはメンバーにお知らせも送れない。10年前のまま
○足跡追跡システム
※サーバの負荷分を負担してくださいという考え方に
○専用ユーザーサポート
※無料と有料では扱いが変わって当たり前
○高機能の日記
※いまの日記はまったくもって10年前から一歩も進んでない
○バースデー機能
※タダでは無くて多少でも有料のものをもらったほうが相手も嬉しい
みたいに、いくらでも考えられる。 しかも上記はどれも「Facebookには無い」サービスなのだ。
Facebookが上場目論見書にも公式にライバルとして「mixi」を 挙げている今、差別化できるサービスを進めないと、本当に太刀打ちできなくなる。mixiでたくさんの友人ができて感謝している自分だから、この際、勝手にアドバイスさせていただきました。
どうでしょ