いまも余震が続いております。十分にお気を付けください。
今回の地震は直下型の震度7で、同様の地震が海外で起これば1都市が壊滅くらいの強度です。ちなみに2013年に中国で起きた四川地震は死者186人、行方不明者24人、負傷者11826人、重傷者968人でございます。2008年の四川大地震の後に建てられた建築物の多くが損壊し、全く教訓が活かされてないということが明らかになりましたけど、このときの震度は・・・
でありまして、今回の震度7なら完全壊滅しています。ちなみにバリでも数年前に震度たった3の地震が起きて、建物がけっこう崩壊しました。
コレと比較して我が日本は、過去の教訓を元に法改正や建築や土木の技術が進み、今回の被害者の方には謹んでお悔やみ申し上げる前提で、いままでの震災の教訓がムダではなかったということが証明されたのではないかと思います。これだけの被害で済んだのか不幸中の幸いです。
で、わたくし一応大学は工学部の建築工学科でして、普通の人よりは多少詳しいのですが、その前提でテレビを見ていて「あっ、これはいかんやろ」と思ったことが数点ありまして、田舎に高齢のご両親とか祖父母がいらっしゃる方は、気をつけた方がいいと思うので書きたいと思います。
倒壊した家屋の映像を見て気づくこと
朝のテレビを見ていますと、テレビ局って被害がひどいところに出張っていくわけですので、全く無事な建物にはカメラは向けないわけです。被害がひどいところを撮ってる前提なのですが、倒壊している家屋の多くは
重い瓦屋根の古屋
という感じです。瓦はひどく重いわけで、これが屋根に乗っていて、しかも古くてガタガタの家の上にこれだけの重量が乗っているわけですから、地震が来たら潰れてしまうのは当然と言えば当然です。また、倒れた家の映像を見ていますと、柱と梁がとんでもなく細い家もありまして、これじゃ震度7どころではなくて震度5くらいでも潰れたでしょう的なのもありました。
田舎の祖父母、ご両親がこんな感じの家にお住まいの場合、「うちらは年だからこれでいいよ。だってわたしらが死んだらこの家に住む人はおらんけん」みたいに言われがちですが、立て替えはしないとしても屋根を瓦から軽量のスレートに換えるだけでだいぶん安全度が増すと思います。なんならトタンでもよいです。でもって屋根を換えるときに腐った部分があれば修理してもらう。
これだけしているだけでも今回の震災で亡くなられた方は減ったと思います。潰されて死ぬのは痛くて苦しいです。
ブロック塀は必ず鉄筋を入れる
倒壊したブロック塀の画像が流れていて、鉄筋が入ってないことに唖然といたしました。ブロック塀は作るに当たって建築基準法施行令第62条の8でいろいろと決められていることがあります。しかしかなり前に作ったものとか、自分で日曜大工センターで買ってきたブロックで作ったようなものは、耐震強度が無いに等しく、地震で簡単に潰れます。
自分で下敷きになってしまうのは自業自得で仕方ないとして、歩行者がその下敷きになったときは、こんなブロック塀を建てた人も責任を問われます。自分ちのブロック塀はきちんと点検して、ヤバいのは隣人と折半で作り直した方がいいと思います。
耐震性能がダントツで高いのはプレハブ工法
プレハブを工事現場のバラックと勘違いしてる人が多いのですが(爆笑)、プレハブ工法というのは基本的に家の構造物を工場で作って現場で組み立てるタイプのものです。つまり頑丈な箱がひとつの部屋でそれを組み合わせて家を作る。
旭化成のヘーベルハウスとか、ミサワホームとか積水ハウスとかが有名ですが、規模の大きいハウスメーカーがメインです。なので耐震設計も万全。強化した箱を組んでるのでめちゃくちゃ揺れには強い。ミカン箱を机において揺らしてもミカン箱が潰れないのと同じ理屈です。
阪神淡路大震災のときも、断層に沿ってほとんどの家がブッ潰れているときに、ぽつんぽつんと無傷の家が残っていましたが。あれはみんなプレハブ工法なのでした。ちょっと高めだけどね。
で、アパートとかは軽量鉄骨のプレハブは揺れるけどけっこう強く、逆に2〜3階建ての鉄筋コンクリートみたいなのはけっこう危ないはずです。新潟地震の時は4階建ての学校とかアパートの一階が潰れる被害が多発して、それから法改正がされました。いまではかなり丈夫になっているはずですが大学の時は鉄筋4階建てくらいは地震の波長に同期して増幅するから危ないと習った。いまはもう改善されていると思うが・・・。
余談ですが、2級建築士の大工さんでも自宅の鉄筋コンクリートは設計施工できた(今はしらない)のですが、耐震計算ができないので震災時には「工務店さんの社長の鉄筋コンクリートの自宅が真っ先に潰れる」とはよく言われていました。いまはどうかな。
お金があって家を建て替えるときは地震を考えるならプレハブ工法が一押しかな。
人の不幸につけ込む金の亡者のアカウント停止を!!
津波がないのが不幸中の幸い。しかし、大地震に乗じて被害煽り動画や原発事故動画、発生してもない津波被害の煽りを入れた動画をYouTubeに広告オプション付きでアップロードしている奴ら。最低だな
— 本田雅一(本人未確認) (@rokuzouhonda) 2016年4月14日
地震が起きた瞬間に、全く関係のない震災や津波や原発事故の動画を「熊本」とか名前だけを変えてYouTubeにアップしている、金の亡者のYouTuberさんたちにつきましては、Google様は即刻アカウント停止されるべきと思います。
YouTubeってそういうことのためにあるものではないはず。被災者の気持ちを逆なでという前に、情報を混乱させ、ガセネタを撒いているわけですので完全な規約違反です。もとよりアップロードしている動画は他人のもので「特定のユーザーが反復して著作権を侵害する行為を行っていると判断する場合には、そのユーザーによる本ウェブサイトへのアクセスを停止します」に相当しますので即アカウント停止が妥当と考えられます。
先日は、Yahoo!知恵袋の検索をこのエントリーを公開して数十分で外されたGoogle様ですので、日本中から怒りが吹き上がって炎上される前に対処してくれると信じたいです。
で。テレビ見てましたら着の身着のままの被災者の方が多いですが、我が家もこういうリュックを常備しています。こういう機会におひとつご両親にプレゼントとかどうですか