最初は全く盛り上がらなかったけど、最後に来てググーっと来たリオのオリンピック。
昨日の特番はけっこう面白かった。選手は昔みたいに「お国のため」という感じではなく、楽しんでやっている。または内村航平みたいに「求道者」としての道を突き詰めようとしている感じ。グローバルな時代なんだし、国のためとかもうどうでもいいです。
その中でどっちらけのニュース。
これほどウソっぽい発表は滅多にない。パソコンも使えそうにない森爺が、スーパーマリオブラザーズを知ってるとか誰が信じる?
いずれマリオについての記者の質問で露呈するか、週刊文春が「安倍さんのマリオ案を考えたのは私だ」みたいなすっぱ抜き記事をやりそうだが、超不人気な森爺になんとか花を持たせようと、後追いで創った話が見え見えです。まあ自分としてはマリオよりピカチュウの衣裳で出てきて欲しかった。全世界が「アレが欲しい」と泣いたはずなのに。
それはさておき、今回のリオのオリンピックで自分が一番感銘を受けたのは、
あんな適当でもちゃんと感動するオリンピックができたんだ!!
ということです。開会式とか閉会式の演出も素晴らしく、北京の時のような口パクの女の子の熱唱とかCGの花火みたいな欺瞞とこけおどしがないのもよかった。
散々だった運営の不手際
しかし開催前とか開催中もテレビやメディアで不手際報道がたくさん流れていた。
日本人被害事件は19件、強盗多発でも「普段の3分の1」ボランティア来ず、会場空席も目立つ
運営面では、大会組織委員会によると、仕事への負担や長時間拘束などに不満を抱き、ボランティアが会場に現れないケースが目立った。予定していた2割しか来なかった会場もあったという。また、競技場では空席が目立った。広報責任者によると、購入者の11%が観戦せず、無料招待した子供の半分以上が来場しなかったとしている。
ボランティアの件はテレビで見た。
東京外大の女の子が英語と日本語の通訳で行っているのだが、「ボランティアの説明会もなくて、担当者から私を探してという案内が来ただけだった」という。つまり「説明会で言われてことをやる」というボランティアでは使い物にならず、自分で事務局担当を探して詰め寄って「××ができます。やらせてください」というタイプでないとダメということだ。ほとんどの日本の若い子、ダメじゃん。笑
説明会で説明しないと自分では動けず、言われたことだけやるボランティアじゃ使い物にならないから、日本のボランティアの選抜でもこの方式がいいんじゃない???
あと、中国語のボランティアが多すぎて仕事がないっていうのも笑った。仕事がないからボランティアに来なくなる。中国系で英語ができる人は多いから全世界からボランティアとして集まったんだと思うが、中国人観光客がずいぶん少なかったんだね。買い物もできないし観光するには治安が心配だからかな。あと、調べたけどリオへの直行便がアジアからはほとんどない。日本も中国もないはず。片道25時間以上とかエコノミーで行ったら死にますよ。
パリからでもエールフランス直行便で11時間。遠っ!!!
ボランティア運営については、東京オリンピックの時はリオを参考にして綿密で細かな選抜とか教育とか組織作りが行われるだろう。世界に恥じない「おもてなし」のために、東京都も国も徹底的にマニュアル化してひとつひとつ詰めて丁寧にやるんだろうが、ちょっと待って欲しい。
日本の丁寧さ、細かさは労働時間に跳ね返ってくる
日本人は丁寧で綿密な国民と言われてます。もちろんそうじゃないのも大勢いるが、少なくともラテン系とかアフリカ系の人に比べれば比較にならないだろう。日本で超適当男も南米やタイやアフリカに行けば超真面目人間で通りそうだ。
工業製品にそれが反映されて日本は成長してきた。しかし職人芸もカイゼンも徐々にコンピュータによって再現できるようになり、アジア各国との差が詰まってきた。逆転されているジャンルも多い。かわってサービス業の時代が来た。日本の産業はいまやサービス業がメインで、このサービスの差が素晴らしいということになっている。これがいわば世界に誇る「おもてなし」である。
しかし考えたらわかるが、この「おもてなし」というのはITでは代替が難しい。以前良く行ってた房総の有名回転寿司がタッチパネルの注文方式に変わってから行かなくなって久しい。だって味気ないんだもん。
ここで、日本の労働時間についてだが、日本全体の年間労働時間はOECD加盟国の平均(1770時間)を下回る1729時間で加盟38カ国中21位とどっちかというと少ないのである。3位のお隣韓国よりも395時間少ない。
東京をはじめ首都圏に住んでるサラリーマンは「労働時間が長い」と感じているだろう。が、地方はそうでもないはず。地方は公務員率が高いし、メーカーの工場なんてしっかり8時間だったりする。飲食店は8時前に閉まっちゃうし、商店街は6時とか7時にはクローズしてしまう。サービスの質は首都圏のほうがはっきり高い。首都圏は地方に比べて世帯年収が高い反面、労働時間が長くなるのであります。ところがネット上の人口分布だと首都圏や都市圏が大半だから、「日本の労働時間は長い」とか思っちゃうのです。
このブログでも「都会と田舎の収入格差」について何度か書いたけど、田舎はそもそも労働時間が短いから収入が少なくなって当たり前の側面もあるのであります。都会ではその分みんな必死に働いてます。なので単純に「東京は税収が多いからそれを地方に」とか言われると東京人はカチンとくるわけです。我々は必死に長時間働いてるのに、なんでのんびり暮らしている人たちに送金しないといけないんだ的な・・・ww
ちょっと調べたら労働時間は神奈川県が1位で、千葉県、埼玉県、東京都の一都三県がベストテンに入ってました。あと、農業などの盛んな地方も労働時間が長くなる傾向があります。夜明けから夕方まで働いてるもんね。しかしサービス業だけに絞って全国の労働時間を算出したら一都三県がダントツだと思う。
加えてこちらの資料見ると、日本は労働生産性が低い。
アメリカの7割しかないのよ。
日本の主要産業がサービス業になってることから考えると、日本人はひとつの仕事をやるにも丁寧に時間と手間を掛ける。それがすぱらしい「おもてなし」につながっているわけであるがその反面、労働時間が長くなります。
つまり何が言いたいのかというと、「東京オリンピックで世界に日本のおもてなしの神髄を見せる」と、役人が張り切ると、担当している人たちの労働時間は必然的に長くなり、死にそうになって来る。首都圏のサラリーマンで定時に退社できる人は稀だと思うが、仕事に求められている質が高いから手間と時間がかかるわけです。サービス業ならなおさらです。
当然のように、東京オリンピックで世界に類を見ないおもてなしを見せてやれと意気込めば、ITとかで補助できる部分が少ないサービス業では現状の首都圏の勤労者はさらに負担増です。で、提案したいのは
リオから手の抜き方を学べ
ってことなんですよ。リオでダメだった点を東京では全てカバーするになると、森爺とか自民党都議の労働時間は増えませんが、我々都民の労働時間が爆増します。重要な部分については徹底的にやるのは当たり前ですが、逆に「リオでは手抜きだったけどたいした問題にならなかった」点については、手を抜くようにする。すべてを徹底的にではなくて抜くところは抜く。つまり労働生産性を上げる。
一般の仕事についても同様ですが、我々消費者も「最高レベルのサービスを求める」のは「最高レベルのお金を払ったとき」にとどめ、たいして払ってないときにはそれなりのサービスで満足するようにしないと、首都圏のサービス業は疲弊して死んでしまいます。ワタミで自殺者が出たのは安い金額で提供しているんだから抜くところは抜こうということをせずに、徹底的なサービスをしろということから派生したと思うんですよ。
この「それなりのサービスでも満足度は高い」というノウハウを、リオのオリンピックから学び取って活かすことが、今後の日本人の生活を豊かにすることにつながると思いますがどうでしょうか。ちなみにわたしも抜くところは抜いてます。時間がかかる割にたいして役に立たない「成果物」としての書類は、一切作成しないのがその例です。必要のない会議(往復時間もあるし)は開かずにLINEやチャットワークで済ませてます。
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