世界最高のiPhoneケースを由良拓也さんのムーンクラフトと作ってみた

2012年5月15日

こういう仕事をしていると、故スティーブ・ジョブズがうらやましいことがある。世の中には彼の作品が残り、永遠に讃えられていくだろう。芸術家と同じだ。

昨年のこと、新しくネットショップを構築したいという話があり、商材もまだ決まってないのでまずは東北の技術で作るスマートフォンケースを企画しました。企業さんのプレミアムにも使っていただいたり、販売したいというお話もたくさんいただいたりで小さく成功しつつあるのだが、正直これでは全然利益が出ません。で、ほかの商品を企画・開発しようということになりました。チャーンス!!!

わたしの基本姿勢は「自分が欲しい物を創る」です。

世界一のiPhoneケースを創ってやろう、と決意する。iPhone3G,3GS,4,4Sと4代使っていてケースは何個分からないくらい買ったけど、正直どのケースも中国の大量生産品で、ジョブズのiPhoneの美しさをスポイルしている。iPhoneの美しさをケースを付けることによって隠すことになっているものばかりで、ケースにいれることによって価値が下がる。コレでは意味が無い。どうせなら「iPhoneより美しい」ものでないと!!

しかしiPhoneは芸術品では無い。実用品である。実用品であるってことは機能を妨げてはならない。それどころかもっと実用性を上げないといけないのである。まずはここから考えた。iPhoneの実用性を上げるとは・・・

そーだ・・・カメラだ!!

iPhone4Sのカメラはへたなコンデジ顔負け。だが弱点もある。広角が弱く、たとえばレストランなどで集合写真を撮ろうとすると両側が切れる。また暗い室内では手ぶれしやすくミニ三脚を付けたいけど付けられない。最近はやりの自分撮りしようと思ってもミニ三脚が無いとできない。ちなみにiPhoneに付いてくるイヤホンがリモートシャッターになってるのは知ってる? ミニ三脚が付けば彼女と2人撮りもできるのです。

で、実はわたし、以前にこういうの買ってました。

中国製のアルミの「タートルバック」っていうケースです。iPhone4を入れてレンズ交換もでき、15000円くらいだったと思うが、いそいそ買いまして使ってみました。んが・・

激重!!!

カメラとして使うにはいいですが、人の頭殴ったら殺せそうなくらい重いです。 撮影している時に電話がかかってきて話したら数分で手がだるくなりまして、しかもケースの出し入れの時はでっかいネジを外すのですが、ねじ山がすぐに潰れてしまいました。でもって一回使っただけで放り出してありました。誰か買ってください。

よーし。どうせ創るなら世間をあっと言わせるものにしよう。と考えまして、白羽の矢を立てたのが昔から知り合いのレーシングカー&インダストリアルデザイナーの由良拓也氏です。実は一緒に釣りをしたり、20年くらい前からの知人で、氏のムーンクラフトの御殿場にお邪魔して風洞に入れて貰ったこともあります。リールのハンドルも作って貰ったり・・

昔、ネスカフェ・ゴールドブレンドの「違いが分かる男」のコマーシャルにも出てましたけど、車好きのおっさんならたぶんご存じでしょう。それでは懐かしの由良さんの作品をまずはご紹介。


その昔、富士スピードウェイでは日本ならではのグラチャンと呼ばれるレースが大人気でした。当時無敵を誇ったマシンのデザインはだいたいが由良さん。


ルマンに出ていたマツダのマシンもそうだし



日本で初めて開催されたF1で、初日の予選で世界をびっくりさせたKE009という国産マシンのボディカウルもそう


市販はされませんでしたが、ヤマハのスポーツカーのデザインもされてましたね。モーターショーに出てた記憶が・・これ、たしか前後2座席なのです。


最近ではレース業界自体が低迷ですが、市販車ベースのGT300というレースでは、ムーンクラフトの「紫電」っていうマシンで参戦。欲しい人には市販用にも製造してくれるそうで、億万長者の方、いかがでしょう。先日のレースでは準優勝してました。 ちなみにいまのメインスポンサーはエヴァンゲリオン・・・

凄いボディカラーになっております・・・・

で、実は由良さんは、車だけでは無くて工業製品もけっこう手がけております。イタリアではジウジアーロとかベルトーネがいますが、ジウジアーロって日本の清酒の瓶までデザインしてます。機能美を追求する車のデザイナーはつぶしがきくようです。



セイコーのめちゃ高価な由良拓也モデル。欲しかったので調べたらプレミアム付いてました・・・w


なんとキングジムのポメラの限定バージョン。予約で完売とか・・・

最近では、裕福な老人向け

カーボンの杖!!! レーシングカーのボディはカーボンで作られているのでこういう造形はお手の物だそうな・・ハンドメイドでめちゃくちゃ高いらしいです。


アルミの自転車や・・・


こんなかっこよいさくらクレパスのボールペンも!! これ以前にいただいたのですが、現物が出てきません・・・涙

まあ、こんな人に「iPhoneケースを作ってください」と頼む自分も自分ですが、実は由良さんもiPhoneユーザーで、使っていていいケースが無い、ということで「自分が欲しい物を創る」ということで一致したのです!!

わたしが提示した商品コンセプトは以下の通り

1 違いが分かるおっさん向け

※若者、お金無いし・・・哀

2 レースのノウハウと素材と技術を使用する。原価は高くてもよし

※どうせ数は売れないから、好きな人が買えばいいんです。

3 単に美しいだけではなくて「機能美」を追求する

4 レンズ交換ができて、三脚が付けられる。そして超軽量!!!

ジュラルミンの削り出しで、思い切り軽く作る

5 ほか、由良さんのアイデアを盛り込む!!

最初のデザイン画が送られてきたとき、ため息しか出ませんでした。
欲しい・・・欲しすぎる・・・!!

製造はレーシングパーツを作っている日本の町工場。精度はめちゃくちゃ高く、時間はかかってコストも高いですが、中国とかでは作りません!!

実は初期ロットは時間や予算の関係もあり、たった50個となりました。といっても事前にけっこう予約系で実際にはそんなに販売できません。予約がたくさん来たら第2期生産します。
すいません、50個のうち、1個はわたしが抜きました。家に届いたとき、その箱の軽さに仰天。カラじゃないのかと思ったくらいです。見た目は重厚ですが、ジュラルミンの塊からの削り出しで、めちゃくちゃ軽く仕上がってました。

先日、これにレンズと三脚付けてサンプル写真撮っていたら凄い勢いで外人が来て「ソ・・ソレハiPhoneデスカ」「クール!!! グレート!!!」とヤバイくらいにしゃべりかけてきたので恐ろしくなったくらいの仕上がりです。精度が高すぎてつなぎ目がわからないくらいになります。ボルトはチタンボルトです!!

とまあ、ここまで引っ張りましたけど、まだ写真が出せません。というのは
明日、発表&リリース&発売開始 なのです!!

明日のブログでは詳細写真とかたくさん入れますので、チェックお願いします。

ここで名言よいですか
「商品開発の極意。それは自分が欲しい物を創ることだ。 自分が欲しくないものは他人も欲しくないからだ」 by Isseki

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