キンコン西野の絵本のデータ無料公開は賢いマーケティング手法。実は自分もやらせてる。

2017年1月25日

あまりに騒がしかったので、自分はほとぼりが冷めた頃に後出しじゃんけんです。

キンコン西野、絵本ネットで無料

公開 声優らの批判に反論「フリーミアム戦略で売り上げにも貢献」
寄せられた批判に対して、西野さんは無料公開を始めた1月19日〜22日に公式ブログを断続的に更新し、「無料公開はフリーミアム戦略であり、結果的に絵本の売り上げにも貢献している」との趣旨で反論した。主に挙がった批判としては、西野さんが無料公開することで他のクリエイターの作品が売れなくなり、結果的に負の影響を与えるのではないかという懸念の声や、子供に対する悪影響を心配する声が挙がっていた。しかし、西野さんの公式ブログなどによると、絵本の無料公開を始めた1月19日、書籍を扱うネット通販サイト、Amazonと楽天ブックスの売れ行きランキング(1時間ごとに更新)では総合順位で1位を獲得したとしている。(23日午前10時時点ではAmazonで2位、楽天で4位)。

Twitterで上がった子供に対する悪影響という批判って言うのを見ますと、めっちゃ的外れ・・・
無料のソシャゲに慣れてマリオを叩いたみたいな感覚になるとか、時間と労力を費やしたものに対価を払う意識がなくなるとか、ほんと、どこ見ていってんだか。無料のソシャゲは広告でやりくりしていたり、一部の課金者のために無料のユーザーは餌になってたり、ビジネスでみんな回ってる。
「時間と労力を費やしたものに対価を払う意識がなくなる」っていうなら世の中のプレゼントとか懸賞とかお年玉付き年賀はがきまで批判しろと。

キンコン西野のいい方も悪い。絵の才能はあると思うけど、人に悪印象を与える技術がピカイチ。

「僕がやったのは、「キミ、絵本を買えないの? じゃあ、僕が(物質としての)本を無料でプレゼントしてあげるよ」ということじゃないの。「情報としての絵本のお金はもう要らないよ」ということ。子供の教育のことを考えてもね

こんなイミフないい方せずに「本を売るため、マーケティング戦略の一環です」とはっきり言えば良い。実際に売り上げも伸びたんだから「スゲー」と賞賛されるだけ。それを教育とか言うから誤解されちゃうんだよ。「お金の奴隷解放宣言」とか言えば、お金のために頑張ってる人から総スカン食って当たり前でしょ。まあそれを狙った炎上マーケティングならしたたかだが、けっこう気疲れすると思うなぁ。自分ならイヤだ。

で、後出しじゃんけんですが、わたしは「素晴らしい、むしろ腹黒いまでのマーケティング戦略」と思うわけです。その理由について書きます。

実際、わたしもクライアントには同等のことをさせてるよ

1 電子書籍書いて貰う
2 それを有償で販売する
3 同時に希望者には無償で配布する
4 本の知名度が上がると、推薦されて買う人も増える

という流れです。そもそもわたしのクライアントはキンコン西野のように「本を売る」のが直接的な目的ではないが(もちろん西野も長期的には絵本作家としての自分のブランド構築を狙っている)、基本的には方法は同じ。しかし電子書籍なので絵本のように実際の販売にはそれほど貢献しません。

近い形で言うと、自分の電子書籍はKindleアンリミテッドで契約していると読み放題なのであるが、これで読んで「やっぱり所有したい」と購入してくれる人もけっこういます。アンリミテッドは10冊以上保持できないから、本当に欲しかったら買ってくれるようです。

ちなみにわたしがコンサルして発行した本はこちら
コンサル契約が切れたとこも含んでいます。






だいたい見てもらうと、そこの顧客層にあった内容になっていると思いますが、どうですか?


キンコンの西野の本は絵本なので、いくらwebで見せても実際の紙の本とは質感が違う。電子書籍もないから、子供に読み聞かせとなると枕元でブラウザ開いてとかあり得ないだろう。なので

1 webで見てみる
2 これはいいな〜と紙の本を買う

という流れになる。これを小難しく「お金の奴隷解放宣言」とかかっこつけるから炎上しただけだ。キャバ嬢の写真をWebで見せて来店させて本物に会わせるのとなんら変わりない。
「ブラックジャックによろしく」とかも同じでしょ?

著作権までフリーにしたことで、どっと読者が増えて「この人のほかのも読んでみたい」になる。佐藤秀峰先生の作品はほとんどアンリミテッドで読めるからAmazonも痛いだろうよ・・・w

キンコン西野の手法は他の絵本作家さんだって使える。が、知名度がないとWebに集客できない。サイバーエージェントも公開してくれない。w 自分レンタルサーバでほそぼそやっても誰も見に来てくれないというジレンマはあるわけですが、紙の本でこそ素晴らしさが分かる!という自信があるものなら、やってもいいんではないかと思います。絵画の販売とかも同じではないかと・・・・・

それでは打ち合わせに出かけてきます。

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