このシーズンになると、各就職サービスでは人企業ランキングを発表します。
マイナビでは
文系
第1位 JTBグループ
第2位 全日本空輸 【ANA】
第3位 エイチ・アイ・エス
第4位 日本航空【JAL】
第5位 三菱東京UFJ銀行
理系
第1位 味の素
第2位 東日本旅客鉄道【JR東日本】 エントリー
第3位 資生堂 エントリー
第4位 トヨタ自動車 エントリー
第5位 サントリーホールディングス
になってました。
キャリタスでは総合ランキングで
第1位 三菱東京UFJ銀行
第2位 東京海上日動火災保険
第3位 三井住友銀行
第4位 損害保険ジャパン日本興亜株式会社
第5位 みずほフィナンシャルグループ
みんな金融なのが謎です。キャリタスって文系だけの就職情報なの???
なんでこういう企業が学生に人気なのかというと
「給料が高そう」
「人に自慢できそう」
「知名度が高い」
「楽しそう」
「親が喜ぶ」
「倒産しそうにない」
とかいう、およそ業界を知らない無知なところから来ているわけですね。
出てくるのは知名度の高いB to Cのところばかり。ファナックとか物凄い競争力で一番潰れなさそうなのにテレビでCMもしてないB to Bだからどこにも出てきません。
で、就活で失敗する多くは、業界や仕事内容に関係無く、有名で人気企業ばかりを片っ端から受けて片っ端から落ちるという事象・・・・・。マグレで入社しても「想像と違った」「ここの風土に合わない」と、いまの若い子達は簡単に退職します。
就活生はよく知らないで企業を選びがち
敵を知れば百戦危うからずなのに、大学生って一部を除いて本当に情報リテラシーが低い。前にも書いたけど
いまの大学生はどんどんレイトマジョリティになっているという話
理系で実験でもないかぎり、パソコン持ってないとか普通だし、就職活動までパソコンもなくて、大学の共有のパソコンで調べたりしているわけですね。わたしもたまーに大学の授業にゲストで呼ばれて行ったりもしますが、正直わたしのことを知ってる大学生に会ったことが無いです。国公立上位とか早慶レベルなら違うのかもしれないが、偏差値50前後だとネットで有名な人でも認知度は0.×%とかではないかと思う。で、就活直前に「自分のしたいことがわからない」とか言うわけですよ。
で、親もよく知らないから子供に就職相談をされても「有名な会社ならいいんじゃない」とかでまともに相談にならないの。昔と違って「自分の意図とは違っても我慢して勤めよう」とか思わないから、適当に入ると適当に退職されてしまうわけです。で、今回は、お子さんや知り合いの大学生に相談されたときに、こうすれば業界を選ぶことができるということについてデータで解説したいと思います。自分は相談されたらいつもこれです。
まずこれを確認しよう
簡単です。
君が重要なのはこのみっつのうちのどれかね?順番つけなさい。です
1 高い給料
2 自由な時間
3 やりがい
この優先順位を付けさせる。これだけで適正のある業界が分かるのです。
この論理を裏付けするために、面白い調査がありましたので紹介します。648人のビジネスマン対象なんでデータとは言えませんが傾向値程度ですね。設問の設定が巧いので是非一読を。
お金、やりがい、時間…仕事で大事なのはなに? 業種別で徹底調査!
Q1. あなたは「お金」「時間」「やりがい」のうち、仕事において何を重視しますか?
金融業界は「金を一番重視」で「やりがい指向が最低!!!」ウケる!!!仕事の内容なんてどうでもよくて「金」なんだ。
この質問も面白い。
以下のA・Bの選択肢のうち、しいていえばあなたはどちらの仕事に就きたいですか? それぞれAかBをお選びください。
A:労働時間は長いが、給料も高い仕事
B:労働時間が短く、給料も低い仕事
労働時間は長くても、高い給料が欲しい人が全体の6割以上。特にメディア、小売/卸/外食といった労働時間の長いイメージの業種は、拘束時間分の高い給与を欲しているようです。またQ1で仕事において一番重視するのは「時間」との回答が多かった農林漁業が、ここでは「労働時間は長いが、給料も高い仕事」との回答が75%にものぼります。 「労働時間は気にするけれど、報酬次第で長時間働くのも可」ということでしょうか。
給料は安くてもいいから早く帰りたい人たちが選ぶナンバーワンは公務員。長時間働いてもいいから給料が高いほうが良いのはメディア。ww テレビ局の平均給与が一番高いのが分かりますなぁ。結果がこれで
1 メディアの人たちがいちばんやりがいを重視して高い給料を望む代わりに長時間労働を容認。
※サービスや小売りが似た傾向値なのがちょっと驚く
2 一番やりがいを求めず、高い給料を希望するのが金融
・・・・・お前らは金だけか!!
※金融と似た傾向値なのがメディカル!!
3 やりがいと給料は求めるけど長時間労働もOKなのが建設・不動産
今頃やっと「週休二日制導入」とか言ってるらしく・・・
4 のんびりやりたいから金は要らない。でもやりがいもいらない のが農林漁業・・・・
※やりがいあるのかと思ったら意外と少ない
という傾向値です。つまりこれらの業界にマッチするには、本人もその価値観とマッチしている必要がある。たまたま大学が一流で成績が良いだけで違う業界にはいってしまうと、のちのち風土に合わずに離脱することになるわけです。
たとえば、「仕事にやりがいを求めて」という意識が高い子が金融に入ると、中の風土は「やりがいなんて関係ない。高い給料払ってるんだから長時間働け」の半沢直樹だから、支店で中小企業の取り立てに回されたり、客が絶対に損する金融商品を売らさせるだけで消耗してしまう。
たいして給料はいらない。やりがいもなくていい。9時5時で帰りたいという就活生はまよわず地方公務員ですなぁ・・・・
メーカーはそこそこバランスが取れています。だから味の素とか資生堂とかトヨタが人気があるんでしょう。
意外とやりがいがないのが商社。基本的には総合商社って右から左に流して利ざや稼ぐだけだもんね。
IT系は、建設や小売り・飲食や金融と比べて意外と時間的な融通はきくっぽい。まあ二次請け、三次請けの派遣のプログラマは除くの一文が必要かも・・・。
直接消費者と接するサービスや小売り・外食は、やりがい度が高い
ということになりますね。自分は「やりがい」が一番なので、コンサルタントというサービス業をやっていて楽しくて満足しています。そんなわけで、あなたはいまの業界に満足しているか、チェックしてみたら面白いと思います。
こういうのがベストセラーになるんだから、たぶんわたしの認知も当たってると思います。今月のKindleの月替わりセールで一番売れてるって・・