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先日より2025年問題のエントリーが炸裂し、「いままで知らなかった」「なんでこんなことが周知されていないんだ」という声をたくさん頂きました。
8年後は入院することもままならなくなる。死ぬときは家です。
突然ですが、昨日は、いったん豊洲移転してから築地に戻ると想像の斜め上いった小池知事の発表。この件についてのわたしの意見はこちらですが、わたくし「とにかく豊洲に20年も前から決まってるんだからつべこべ言わずに移転すればいいんだガー」という硬直した意見には断固として反対している。
ベンゼンとかそんなものどうでもいい。来たる暗黒の2025年には、築地の流通量が豊洲計画時の2割以下になるからであります。いまの赤字の推測はそれを見越してない。東京都は「取扱量は横ばいで推移する」というバラ色の設定で試算しており、計画時から8割も減ったら家賃収入とか電気代とかどうなんのまでは計算してない。ガラガラのでかい箱もので毎年物凄い赤字を垂れ流すようになったら、2025年の恐怖の大魔王降臨のときにどうなると思ってんだ。
で、豊洲の問題は2025年問題、日本の少子高齢化と非常に密接に結びついていると言うことをここで証明したいと思います。
豊洲についてTwitterなどで「とにかく移転さえすればいい」という皆さんと会話しますと
とにかくつべこべ言わずに決まってることなんだから移転すれば良いんだ
↓
豊洲は計画が古くオージースペック過ぎて将来の重荷だ
↓
そんなことは引っ越してから考えれば良いんだ。きっと流通量は増える
↓
どうやって増やすんですか。引っ越してからどうするんですか
↓
引っ越してから考える
以下リフレイン
という感じで会話になりません。
ですので、本日は引っ越したあと、2025年には鮮魚の流通量さえも大きく落ち込むと言うことをデータで証明します。
少子高齢化が解決できないと市場は滅びる
というか、中央市場はすでにオワコンといってもいいくらいに落ち込んでいます。築地の扱い量を見ますと
かろうじて鮮魚は横ばいからやや下降。
加工品と冷凍食品は激減して2025年までには0になる。
この加工品と冷凍品が激減しているのは、まず輸入品が増えたこと。大漁に消費する外食産業や流通業は市場を通さずに直接海外から商社を通じて仕入れるようになった。当たり前だ。そのほうが中間マージンがかからない。鮮魚と違って冷凍や加工食品は品質がある程度一定していて「目利き」がそれほど重要ではないから、市場を通す必要がないのもあるでしょう。
で、いまは加工品や冷凍ほどひどく落ち込んでいない「鮮魚」の流通も、2025年問題とともに大きく落ち込む可能性があるのです。
日本の水産業は2025年にはどうなるか
そもそも魚離れが言われているわけですが、東京卸売り市場自体が発表してるデータを見ると愕然とします。
25年間で国内の生産量は1/3近くまで落ち込み
もうね。国内生産量が激減!!!
この表では平成25年までなので、その後はどうなのかというと農林水産省のサイトにありました。
平成24年から海面漁業は15%もダウン!!!養殖入れても11%ダウン
毎年このペースで漁獲量が落ちていくと、平成50年(2038年)には国内海面漁業の水揚げ0・・・・
しかし実際にはもっと早く来る。それは・・・・
漁業従事者の超高齢化 半数以上が60歳以上!!
24歳まではたったの2.9%、39歳までの合計でたったの16%!!!後継者少なすぎ!!
これは2012年までなので、その後はどうなったかと見ますと、農水省のリリースには平成28年の漁業従事者は平成20年から8年で28%減で、28年は65歳以上が37%となっています。
平成24年(2012年)から年齢別人口比は変わらず、従事者のみ10%減。高齢者が占める割合が大きいので、実際には2025年にはいまの65歳以上は後期高齢者近くになっていて漁業はもう無理だろうから一気に漁業従事者は半減します!!!
いままでは高齢の漁師さんたちが頑張っていたが、
2025年には鮮魚の流通量も半減
ということになりまして、そのときの築地か豊洲か知らんけど、豊洲の計画時の17%どころか10%切ってる感じの流通量になるわけです。わたしがどでかい豊洲は赤字垂れ流しの癌になると言ってるのはココ。
日本の漁業の暗い見通し
自分はサーフィンも釣りもするので海には毎週行きます。昔、政府関係の漁協とマリンレジャーの関係を模索する社団法人の理事もやってました。当時から漁業は衰退していくので、マリンレジャーの基地として漁港を使えないか模索していたのです。次のビジネスモデルね。
漁師の知人、友人もそこそこいるのですが、イワシやサンマはご存じ中国や台湾の大型漁船とバトルするようになってペイしづらくなり、また鮮魚って漁港、地方市場、中央市場と流通が複雑なので消費者に渡る前に多くの手数料が乗るので生産者の手にはたいしたお金は渡りません。多くの若い船長は遊漁船(釣り船)に転進したものの、客の高齢化でここ20年で客数が激減。廃業に至ったところもたくさんあります。養殖用のブリの稚魚を捕ったりの高額な報酬が得られる漁を優先し、あまりお金にならない魚は獲らないわけですね。
大型定置網とかはひっどいの。大型のは水産会社が運営してて漁師は安月給で雇われてるケースも多いが、稚魚までごっそり獲って肥料にして出荷してる。ただ最近は漁自体は減ってるのでブリの稚魚は捕らないからめちゃ釣れるようになったし、相模湾ででかいマグロが釣り人にがんがん釣れるようになってます。釣り人口は高齢化で減ってるけどね。
後継者はどうなのかということを気軽に言う皆さん。朝3時起きで、危険と隣り合わせで、しかもその日によって儲かるかどうかも分からないギャンブルみたいな職業に就きたい若者がたくさんいると思いますか?
さらに漁ってひとりじゃなくてチームでやるのが大半ですよ。過半数の漁師さんたちが高齢で引退したらそもそも船が出せません。そして実は結構な閉鎖社会で、「漁師になりたい」って奇特なわかものがいてもなかなか受け入れてもらえない。
いまの少子化の時代、将来に就きたい職業はソニー生命調査ですと
公務員にYouTuber、一見、楽そうか楽しそうな仕事ばっか。漁師さんの家庭だって子供に継がせたいかといえば「安定した公務員が一番だ」とかいうわけでして、漁船も老巧化しており、房総などの漁港は昔と比較してかなり寂れています。数千万する漁船なんてなかなか新造できないのです。
そんなわけで、「少子高齢化」にほとんどなんの対策もしてこなかった歴代政権のおかげで、このまま2025年を迎える今、豊洲の将来もほとんど厳しく、わたしとしてはこじんまりした金のかからない場所でちんまりと観光中心にやっていくしかないでしょう、と訴えるつもりであります。もし自分が料亭とかやっていて漁師さんたちがほぼ引退してして漁獲量が激減したら市場で待ってないで産地に買いに行くなと・・・
豊洲移転しないのはケシカランという経済人に「築地の流通量は計画時から半減しており仲卸の6割が債務超過。2025年には計画時の17%まで落ち込むのですが計画時の試算は扱い量は横ばいで設定されており引っ越すと莫大な赤字を垂れ流す可能性大なんですが」とツイートしても誰1人返事が来ない謎
— Isseki Nagae/永江一石 (@Isseki3) 2017年6月20日
ひとりくらいレスくれてもいいのにね。みんなスルーするんですよ。池田さんも堀さんも。