さて、年が明けて、noteのマガジンも2018年版になりました。年間購読でして、1号あたり108円のnoteを毎号をバラでお買い上げいただくと年6000円弱。3980円のマガジンのほうがだいぶんお得です。購入後に追加されたノートがあった場合、追加料金なしで閲覧できます。ちなみに年間の文字数考えるとビジネス本がかなりの冊数買えます。購読されたらぜひ質問をいただきたく・・・・
で、本日はなかなか面白いご質問を頂きましたのでブログでお答えしようと思います。
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メルマガは、創刊以来拝読オンリーでしたが、この度、はじめて質問させていただきます。
質問は、大学の受験生募集戦術についてです。現在私は、某地方都市の小規模校に勤務しておりますが、ご承知の通り大学業界は斜陽産業で今後も受験生のV時回復の見込みはありません。本学も然りです。
本来、より多くの受験生を集めるためには、大学自身が教育内容の個性化や先鋭化で受験生にアピールすべきものであることは当然ですが、短期的にはそのような悠長なことは言っていられない現実があります。小規模校の資源やマンパワーでは限界もあります。
もし永江様が、小規模大学で受験生集客プロモーションを手がけられるとしたら、どのような戦術をとられるでしょうか。また、大学におけるWebサイトの位置付け、Webサイトそのもので受験生に希求ができるのかについてもお考えをお聞かせ願えるとありがたく存じます。
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さて、少子化に伴い、地方大学はどこも苦しいと思います。加計とかほんとうに大丈夫なのかという感じです。地方は全体の人口も減っていますが、特に問題なのは高齢者の人口が変わらず、若年層だけが減っていくことです。前にも引用した秋田県の人口推移予測見て震えるが良い。
これを見ると、地方での若年層から若い層狙って30年ローンのアパート建てるとか命知らずだし、高齢者は減らないのに若い層が激減することで消費は停滞し、労働力は不足していく。まさに田舎マッドマックスの時代になっていくわけです。人口が半減するのに高齢者の数が変わらないんですよ。
まず、「Webサイトそのもので受験生に希求ができるのか」という簡単な質問からお答えしますと・・・・・
大学による
としかいいようがありません。Webをよく見て志望してくる受験生はそこそこレベルも高く、自宅にパソコンもあるわけですよね。いくらなんでもスマホ1丁では検索しまくって細部まで見るとか無理。ところが以前書いたように日本の中・高校生のPC所有率は先進国の中で低い。携帯ゲーム機所有率は異様に高いのにな・・・
日本の中学生のPC保有率が世界で図抜けて低いことはどういう結果になるか
高校生ではノートPC持ってるのが43.2%、デスクトップが25.9%。1人で両方持ってるのも多いから、まあ半数くらいでしょう。いまはもっと下がってるかも。で、どう考えてもPCを買い与えられている家は所得が多く、親の教育レベルも高くて子供の成績もよい傾向があるだろう。東大の受験生でPC持ってないのはほぼいないと思うが、4年間遊んでいるだけ、入れればどこでもいいのFラン大とか専門学校、短大なら、持ってないのが多数とかの可能性もある。要するに
レベルが高い人気校はWebの効果がより強く出る
というのは明確だと思うんですよ。
では、地方の小規模校はどのようにして生徒を集めるべきか。考えられる範囲を無責任に挙げたいと思います。
地方自治体とがっちり手を組む
人口減、労働力不足に悩んでいるのは地方自治体も同じ。爺さんの首長が「自分の在任中にはたいしたことにならんだろう」となにもしてないところも多いと思うが、危機感を持ってやっているところはやっている。それにそのエリアの大学にきちんと生徒が集まるかどうかは自治体にとっても死活問題です。
そこでがっつり手を組むわけ。例えば
成績優秀者に住居を自治体が提供、学費100%免除
みたいな、フルフルの奨学制度です。衣食住を自治体が提供してもよいではないか。そのかわり卒業したらその自治体で5年間は働いてもらう。自治医大や防衛大方式です。自治体の職員としての採用ももちろんあり。全国の母子家庭や貧困家庭、そして児童福祉施設を回って優秀だけどお金が無くて進学できない子たちを集めてくるのです。
この試みはマスコミでも大きく取り上げられるだろうし、地頭が良くて努力家の子たちが地元に留まってくれれば間違いなく活性化します。大学院に進んで教職に就いてくれれば最高じゃないですか。たとえ今はFランでも、こうした努力は必ず良い結果を生みます。
独特の専攻学科を創る
自分が大学経営者ってセンスないなあと思うのがココです。
要するに
ニーズがある学科がない
わけです。文学部なんていまや就職、いや自分の将来になんの意味もないわけだから、Fランの文学部なんて「そこしかいけない子」のたまり場になる。経済学部や法学部も似たようなものだ。
であれば、日本のどこにもない、しかしニーズがある学部を設置すればいいんです。しかも有名教授もいらないよ。
1 起業学部!!!
4年間に渡り、徹底して起業について教える。先生はエリアの税理士、銀行員、弁護士、労務士さんに経理と労務関係を仕込んでもらい、あとは地元の企業家に協力をお願いする。石川県ならDMMの亀山さんを特任教授で迎える。ww
地元だって起業で成功したラーメン屋さん、中古車屋さん、飲食店、工務店などいくらでもあるでしょ。IT系の先生が欲しければ東京のIT企業の人にアサインして、Skype授業をやってもらう。4年かけて自分でどの業種なら起業できるかじっくりと考えて練習して貰うわけ。インターンとか引く手あまたじゃないのかな。だってみんな肉食系でやる気のある子達ばかりになりますよ。
都会で起業というとすぐIT系ばかりを考えるが、勉強ができない子だって立派に起業できるんです。そうした子を鍛えて起業家を生み出していく。これ、けっこう人気が出る学科だと思うけどね。
行きたい! 4年とせず、2年で卒業して起業したらインセンティブ与えてもいいかも。それか大学がファンディング手伝うとか。地元活性化して一石二鳥や! https://t.co/uudfvSvsZe
— 五十嵐 悠一 (@rakuda1980) 2018年1月8日
起業学部に行きたい。40歳おっさんより。
観光学部とかあるけどいまいち何やるのか分かりにくい。儲かる学問を分かりやすい学部名にして。地方都市の少規模大学はどうやって生き残るべきか https://t.co/jreoeD8zxS @Isseki3から
— tsukasamania (@tsukasamania) 2018年1月8日
2 飲食店経営学部!!!
なんでかわからないが、「飲食店を経営したい」という若者って多いでしょ。たとえばこういうの
これも、大学で4年間、徹底的に教えてくれるなら来る子はいますよ。
経理、資金繰り
労務
マーケティング
飲食店設計
接客
調理
メニュー開発
事業展開
など、これも地元で成功している先輩や、税理士、銀行員、労務士さん、そして調理師、内装設計屋さんあたりを先生に招いてじっくり教える。やりたいことを学ぶわけだから本気度が違います。ついでにお医者さんにも来てもらって禁煙しない飲食店は客が死んでもいいと思ってるとちゃんと教える。
本当に優秀な子には自治体から卒業後に開店資金を低利で貸し付ければ、自治体への集客コンテンツも創ってくれる。最高じゃないですか。
つまり地方の大学経営は
1 自治体と一致団結する
2 大学に行きたくてもいけない優秀な子を集める
3 本当に学びたいことを教える
4 地元のリソースをフル活用する
で、かなりの展望が見えると思うんですが、いかがなもんでしょうか。
本日はこれ読む。なかなかオモシロス。これくらいがいいの。「必ず儲かる」とか詐欺丸出しです