高齢者に「タクシー定期券」 JTB、定額で何度でも
日経新聞
JTBはタクシーに定額で何度でも乗れる「定期券サービス」を高齢者向けに始める。病院やスーパーなど事前に指定した2~3地点と自宅を行き来できる。料金は月2万円程度からで、今夏にも長野県諏訪市で始め順次全国に広げる。路線バスの減少や、高齢者の運転免許証返納が進むなか、新たな地域の足としての需要を見込む。タクシー運賃は通常、道路運送法の定めで乗車した距離や時間に応じて加算される。駅や空港を結ぶ定額運賃もあるが、単発利用向けだ。JTBは旅行会社が目的地などを決めて募る旅行業法上の「募集型企画旅行」と位置づけ、同社が旅行商品として売ることで乗り放題を実現する。
さっきみつけたニュースですが、あまりのナイスアイデアに刮目しました。JTBはお仕事でここ何年も毎週行っているが、こんなことをしているとは知らなかった。オールドエコノミーの企業ではあるが、こういう柔軟さはけっこうあるんです。
このビジネスモデルの凄いとこは2点ある。まずこの記事にあるように「免許返納して足がなくなる高齢者向け」に足代わりに使ってもらえることだ。高齢者の運転する車の暴走が相次ぎ、免許返納しても足がない。本当の怒田舎では難しいだろうが、地方都市では十分に使える。
タクシー業界は実は非常に縮小していて、業界の資料では
輸送人員のピークはなんと、昭和45年。1970年だから大阪万博の年で年間に42.9億人も運んでいる。しかしバブル崩壊は1991年(平成3年)だから、バブル期に年間30億人を超えていた輸送人員はそれからどんどん減っていって、いまでは半分以下の15億人を切っております。いまじゃ会社の交通費でタクシーを精算できるところも少ないよね。
で、今回のJTBのビジネスモデルは、「旅行会社が目的地などを決めて募る旅行業法上の「募集型企画旅行」と位置づけ、同社が旅行商品として売ることで乗り放題を実現」というところが凄いのです。タクシー会社から席を一定数買い付けて、旅行として販売するわけです。誰が考えんだ、このスーパーアイデア。
北九州市で取り組んできた実証実験ではタクシー料金で2030円に相当する距離を1回当たりの走行上限とした。対象は70歳以上の高齢者、利用時間帯もタクシーに空きが多い日中に限定して採算を確保しやすくした。乗車の数十分前に申し込んでもらう。
でね、日本交通のサイトで見てみた。
初乗 1.052km 410円、237m毎に80円加算だから、2000円だとざっくり5.76キロ。渋谷から東京駅くらい。これさぁ。
田舎より東京のほうがマーケットあるでしょ!!
総務省の全国消費実態調査によれば、2014年の自動車普及率(2人以上世帯、1000世帯当たり)は84.8%と、5年前と比較して▲0.7%ポイント、10年前と比較して▲1.4%ポイント低下しているが、都道府県別では、東京都、大阪府の低下幅が大きく、特に東京都区部では10年前と比較して▲6.4%ポイントも低下。都市圏の自動車所有率が思いっきり下がってるわけですよ。
田舎なら車がなければ生活できないということで、なにがなんでも車を買う層がある。しかし都会は「なければないでやっていける」からクルマをそもそも所有しない家庭が爆増しているわけです。しかし、若いウチはそれでもいいが
1 子供が病気でしょっちゅう熱を出す
2 ワンコが高齢で毎週病院に行かないとダメ
3 週2で透析に行かないといけない
4 高齢で買い物に行くのに車でないとキツい
みたいなケースもたくさんあるわけで、このサービスは田舎よりむしろ、都会のほうがいいのではないかと。さらに月2万円は田舎の高齢者ではキツいと思うが、首都圏なら月2万円はまったくかまわないという人もたくさんいるでしょ。車持つよりずっと割安だし、家まで来てくれるし。
さらには仕事の打ち合わせでしょっちゅうタクシーを使う人など(自分だ!!)、月2万円で乗り放題なら普通に経費で落とすわ。だって10回乗れば元が取れるわけだから、電通の営業マンとか会社で山手線圏内乗り放題パスとか与えそうな気がする。利用する方もいちいち交通費精算するの、めちゃ面倒くさいし。
まあ、会社の場合ですと不法に使い回しされると大変だから、個人のスマホに紐付けちゃえば良い。タクシー乗るからお前のスマホ貸せよ、みたいにはならんでしょ。北九州の高齢者の場合だって、たぶん夫婦で1パスだと思うんだよね。夫婦2人なら4万とかではないように思います。
Uberは日本では全然だめだったけど、大手旅行会社が「募集型企画旅行」としてやるなら可能と言うことで、タクシーを利用したコミューターの未来が少し見えてきたと思うんですよ。
さて、いろいろ食している玄米ですが、これは美味しいよ。昨日から食べ始めたばかりですがもちもち感が凄い