沖縄をはじめ、地方再生は道路やダムではなくて教育への投資だ!!

2018年5月21日

先週のことですが・・・

沖縄の知るほどに驚く貧困、低収入・高コストで生活苦が止まらない

というダイヤモンドの記事を見まして、沖縄が可哀想の趣旨で延々書かれているのですが、沖縄は食費も服飾費も一番かかってないんですよ、とツイートしたら書いた方から「あなたは沖縄の冬を知らないでいってる」とか頂いたんですが、沖縄も石垣も波があるのは冬なんで、行くのはほとんど冬です。最近は鹿児島県の種子島がお気に入りで年に何回も行ってます。

まずはウンチクから。沖縄県のデータを見ますと


であり、家計出費は全国の水準(283,027円)を76,520円下回ってます。収入も少ないけど支出も少ない。
全国と比較するとこんな感じ。

被服費は全国平均の半分くらい。食費も15%くらい低いが住居費が非常に高い。これ、石垣島でも同じでアパートがめちゃ高い(都市部に人口がどんどん集中するから)。消費者物価は101くらいだから、全国平均よりわずかに高い程度でそれほど突出してません。文中では「食料に限定すると、東京都区部(104.9)や横浜市(105.9)に比べて、那覇市は104.8」とありますが沖縄県の最新データでは103で、高いことは高いけどでは地元の人はみんなお店で野菜買ってんのかな、になる。

沖縄の人口は142.3万で、那覇市の人口32万、沖縄市14万だから、100万近い人たちは田舎に住んでるわけです。自分は慶良間に昔よく釣りに通ったけど、地元の民宿のご飯は粟ご飯(まじで美味しい)、レタスの味噌汁、おじいちゃんが取ってきたグルクンの塩焼き、庭に生えてるニガナの炒め物、みたいな感じで、たしかに質素ではあるけどお店で買ってるものは泡盛くらいだった。田舎の方は自給自足だったり近所同士で助け合ってるんだと思う。

この沖縄県のデータだと、
一世帯当たり消費支出 232,341円
一世帯当たり実収入 292,952円
一世帯当たり可処分所得 254,641円

と、確かに所得か少ない。沖縄の主要産業は大企業が全然なく、あとは公共工事と米軍基地で食ってるわけです。沖縄タイムスの沖縄の売上ランキング見たら分かる。

流通とライフラインばっか・・・・もう、産業っていうものが観光以外にそもそもないわけです。パチンコ屋が 輝け県内企業ランキング8位にいるんですよ。なんと年商562億円!!!日本全国に405店舗持ってるダイナムの売り上げが7404億円(リクナビより)だし、パチンコ業界の覇者である店舗数315のマルハンの売上が2007年からずっと最低を更新して8659億円。その中で沖縄一県で562億でしかも売上が成長しているって・・・!!


沖縄はとにかく製造業が皆無に等しいくらいないんですよ。

沖縄の労働状況は

小売りと医療・福祉が一番多く、続いて建設業。意外と観光業は少ないのです。そして正規の職員・従業員は358千人。非正規の職員・従業員は231千人と非正規が多い。雇用者に占める有期の契約の割合は31.6%で朝の道路脇で公共事業の労働者のための弁当と肉汁を売ってる屋台がたくさん出てるが、土建業が非常に多いわけですね。現場が終わると契約も終わってしまう。

この経済の構造を変えないことには、いくら場当たり的に生活保護の支給率を上げたとしても全く根本的に改善されないわけ。そして沖縄の人も普通にいうが、「沖縄の男は労働に関する意識が低い」と。確かに平日の朝からビーチのバーベキュー場で泡盛の一升瓶片手に飲んだくれてるのを普通に見ます。湘南なら通報されてるわ・・・。沖縄に限らず、東南アジアはどこも男が働かないで女が頑張ってる。しかしこれじゃいつまでたっても生活はよくなりませんよ。

根本的に沖縄を変えるには大規模な教育投資が必須

政治家には「緊縮派」と「リフレ派」がいて、いまの安倍総理はリフレ派です。簡単に言うと政府が積極的に投資をして経済を活性化させようということで、石破さんや進次郎はそれはもうヤバいからやめようの緊縮派といえます。

自分はその間で、道路やダムの公共投資は土建屋とキャバクラが喜ぶだけで景気回復には効果が小さいことは3.11の復興が証明したと思ってる。土建屋は潤い、被災地のキャバクラは大繁盛したが、現地経済は好転してない。土建の投資は永遠に続かないことくらい馬鹿でもわかるからだ。つまり箱ものへの公共投資はもう不要と思ってます。

土建投資はそのとき土建屋が儲かって土建屋の支持母体が多い自民党はいいかもしれないが、将来その維持が重くのし掛かる。これに対して、永遠に投資効果が続くのは教育だと思っている。明治維新のように若い世代の教育に全力で公共投資すべき。これによって「将来は良くなるかも」という認識が上がればお金を使うし子供も作るから景気は良くなる。

沖縄で言うと、もともと国立は琉球大学のみ。しかも琉球大学の学生は半分は沖縄以外からだという(OBの友人から聞いた)。そもそも高校の偏差値が沖縄と本土では違うのかもしれない。

裕福な家の子は本土の大学に行けるが、そうでない子が多いから沖縄にあった私立大にもいけない。だから沖縄の私立大はみんなFランです。国立の琉球大学でさえ、医学部以外はFランまでいかなくてもレベルは高いほうではない。日東駒専の下、大東亜帝国くらいです。その中で私立だった名桜大学は公立になって偏差値が急上昇して琉球大学に肉薄してきた。つまり学費が安いなら大学に行きたい子はいるのです。

ちなみに口コミを見ていたら、沖縄のエリートである公務員になるには琉球大学くらいが必須で、名桜大学くらいで米軍基地の職員になれるとありました。優秀な高校生は

大学を求めて県外にどんどん出て行き、そこで就職してもう戻ってこないんです。沖縄に残るのは成人式で騒ぐDQNばかりとなってしまう。

沖縄が本当に根本的に経済で自立するためには、学費の安い国立大学を増設し、地元の優秀な学生は学費免除。東京に行かなくても進学できるようにする。
大学では「起業」を教える専門学部を創り、卒業した学生が起業融資も受けられるようにするなどして沖縄に企業を作ることが必要。Uターンで戻ってくる場合でも、起業するなら資金を低利で貸し付けるなどしてとにかく企業と雇用を創る。沖縄の人が創った企業で沖縄の若者が働けるようにするわけだ。

この資料に詳しくありますが、いままでの沖縄の産業は受託、つまり「下請け」がメインで、叩かれるわけでまったくおいしくない。自分たちで企画して自分たちで提案するビジネスでないと大きな富は生まない。

メルカリだって米国に本社を移転してもやっていけるわけだが、いまの沖縄からはメルカリみたいな企業は生まれないだろう。人材があまりに少ない。友人でかつて沖縄でシステムの会社をやってた人もいってました。沖縄で受注しようとしても中小零細ばかりで仕事がない。かといって東京に営業に来ても、結局は「安ければ出す」の受注仕事になってしまうと。

沖縄の貧困の最大の問題は実は「人材」であり、それはすなわち、「働くということの意識改革」をしないといけないということでもある。沖縄にこそ教育が必要だと考えるのでありました。これは沖縄に限らず、どの地方でも実は同じ。土建屋だけが儲かる道路やダムや港を創るより、地方こそ学費不要の大学と人材育成にその金をシフトすべきと思いますよ。

炎上していたけどこれを読みまして・・・
地方出身者が東大に入学して「絶望」 想像以上に大きい地域格差

日本の地方って本当にそうだなと思うし、本当のド田舎にサーフィンやら釣りやらで行く自分は、地元の若い子と話すのであるが、「よくそんなん(収入)で生活できるなぁ」という感覚を受ける。本当に地方こそ、教育が必要ですって100回くらいいいたい。

ここのお米を作っているNGOからこれを頂きまして、飲んでみました。まず、びっくりした。普通の日本酒は白米を磨いているわけで、これは逆に全く磨いてないわけで、もうなにか日本酒とは全く別の物になっているが、これはこれで美味しいのです。日本酒よりワインに近いが、もっと野性味たっぷり。清酒はごくごくと大量に飲めるけど、これは一合飲んだらかなり「飲んだ感」がありますのでがぶ飲みできないと思いました。また詳しくレポートしたいと思います。

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