タイトルにはちょっと釣りもはいってます。ww
イーロン・マスク手がけるTeslaが公式サーフボードを販売開始。斜め上だけどスタイリッシュで本格的
という記事が出まして、すでに売り切れですが、eBayではとんでもない価格で販売されています。元値は1500ドルですが、eBayでは3000〜5000ドルで出品されています。今見たら20本出ていました。
記事を読むとわかりますが、このサーフボードのデザインは、アメリカのロスト社の総帥、メイヘム・マット・バイオロスで、いまや世界で最も有名で、アメリカで一番売れているサーフボードメーカーのオーナーです。実際にこのボードを制作したのは、ブラックダートというメーカーで、ロストの板はいろんな工法を選択できるのですが、自社工場以外にブラックダート製のも選べます。自分も2本持っておりますよ。これがその1本と私。ブラックダートのDrew BaggettさんとはInstagramでつながっています。
んで、このサーフボードのロスト社とはかなり昔からいろいろにつながりがあるんでございますよ。
昔話からはじめます
このロスト社のサーフボードは、ローストサーフボード・ジャパン、ラスオラスという会社が日本総代理店で、パイロットショップのLUVSURFが蓮沼にあります。オーナーはプロサーファーの西井さんで自分はここのコンサルを10年近くしています。もうすぐ3回目の大リニューアルを控えています。ww
で、自分が担当してから、ロストの日本での販売本数は5倍以上くらいになってると思います。当然、日本の発言力も増しました。サーフィン業界も若者の人口減、草食系のお金ない男子の増加で高齢化が進んで業界全体としては非常に苦しいですが、なんとか頑張っております。
わたしがコンサルに入った時に最初にやったことは「顧客層の入れ替え」でした。当時はロストは若者向け、コンペティター向けの尖ったメーカーだったので、プランドイメージはいいのですが、販売は伸びない。そこで自分が提案したのは
日本人にあったサーフボードを創ろう
でした。アメリカやオーストラリアなどのサーフィン大国と日本は根本的に違います。アメリカもオーストラリアも、サーフィンをするのは海の近くに住む人たちで、クルマで2時間走って海に行くような人たちはほとんどいないのです。オーストラリアは始業時間は早いけど就業時間も午後3時だったりするので、波があれば毎日サーフィンしていますし、アメリカ人もサーフィンしてる人は波があればだいたい毎日します。
ところが日本のサーファーの大多数を占める都会の人たちは、東京なら土日にクルマで2時間以上掛けて外房や鹿島まで行く。湘南は世界でも名だたる波のないサーフスポットなので、実は波のある千葉までみんな来ています。そして年齢層が前述のように非常に高いのです。平均したらたぶん45歳は超えているような気がしますよ。
また、日本人は小さな傷や凹みに非常にこだわります。アメリカ人とかは「道具なんだから別に傷なんか良いよ」というのですが、日本人はそうはいかない。工芸品みたいに考えるので品質チェックも大変です。基本的にサーフボードは大量生産品のもいまではありますが、ロスト本社で作るものは一本一本すべて異なるワンオフです。
そこでわたしと西井さんが相談したのは
○週末のみサーフィンする
○年齢は比較的高い
○仕上げは日本向けなのでかなりよくする
という点を抑えようじゃないかと。アメリカ人と日本人は体型や筋力もめちゃくちゃ違う。同体重でアメリカ人と同寸のにはなかなか乗れないのです。おまけに日本人は年食ってる。ww そして波は基本的にアメリカよりずっと良くない。
そんなわけで、こうしたアイデアを持って西井さんが毎月アメリカに通いデザインを詰めた結果、日本で売っているモデルはアメリカのとはだいぶ異なるものになり、それが成功して販売を伸ばしました。客層も大きく変わりました。
そしたら数年後には、アメリカ側から「日本向けモデルをこちらでも売って欲しいという声が大きい。売らせろ」みたいな話になり、「フザケンナよ」と思いましたが(www)、アメリカでは旧モデルを販売してもらい、常に日本はこちらで企画した最新モデルを数年間先行で販売することになっています。
わたしと西井さんで企画したモデルは世界中で物凄い数のパクリを生み、最初にヒットした「コンクエスト」「タブレット」は単一モデルでは日本でもっとも売れたモデルです。そんなわけで、イーロン・マスクの制作したサーフボードには、遠くからではありますがわたしも関わっていたというプチ自慢なのでした。サーフィン偏差値は48なんですけどね。サーフィンやるなら一度はLUVSURFは行くべきお店ですよ。在庫数は日本一です。
今日いっぱいでAmazonのタイムセールは終わりなんですが、コレが出てました。オススメです。同じ物を持っているのですが、家のでかい木製本箱をこれでぶった切って燃えるゴミに出しました。アルミパイプも切れるので断捨離に最適です。