Facebookページに多数生息する、中小企業のリテラシー低めの経営者から小金を巻き上げるのが得意の皆さんの口癖が
「×ヶ月で×人のファンを獲得!」
というものなんだが、このフレーズ、Facebookやってるとよく目にしませんか?
実はFacebookページのファン数の比較は、たいした意味を持たないと断固として思う次第です。
前にも書いたが、ファンが欲しければ金で買えます。
Facebookページで短期間に大量の「いいね」を獲得するドス黒い方法
以前「たった××ヶ月でファンを何万人にしたセミナー」をやってるエセコンサルがいまして、その成果として上げられているFacebookページを見たら、まさにこれ。だいたい日本のローカルの店舗に何十万人もイイネが付くことがおかしいと思わない人の頭の方がおかしいだろ。いやおかしいというより、若干足りないだけかも。
誰がファンなのかは管理者以外見えないけど、今日の運営者の日本語の投稿に、つくわつくわ、世界各国の人からイイネが付いてたので笑いました。こんなの買ったあとで日本国内だけ表示するように設定すれば外国の方から見えなくなるのに、それもわからないリテラシーの低さが泣けます。こんなセミナーに大金払って行く方の顔が見たいです(実は二人ほど見ました w)。
お金を使わなくても、最初に日本以外の国、たとえばインドネシアみたいに人数が多いところだけをターゲットにしてファンをかき集め、そのあとで日本だけの表示にするという手もあります。ファン数が500を超えるとページ名が変えられなくなるので要注意ですが(笑)
またFacebook広告も非常に巧みに使うと1人あたり35〜50円くらいのコストで(広告自体はもっと高いですが増加率計算で) 集めることも可能です。こっちのほうがちゃんとしたファンですから、まだまともです。1000人集めるのに時間と手間はかかりますが数万円です。懸賞プレゼントやケンテイで集めるのは全く無意味ということは記載しておきます。理由はちょっと考えたら誰でも分かるでしょう。
フィード購読者も金で買えます。
なんでこんな人にフィード購読者がたくさんいるんだ、怪しいと思ったら誰が購読しているのか見たらいいのです。そこかしこに出てくる自称IT系のケバいおばさまがコレでした。投稿しているのは日本語なのに、しかもほとんど投稿してないのにフィード購読者が数千いて90%が世界各国という訳の分からなさ。
要するにフィード購読者が大勢いてもその人が信用できるかはわからない。その上、こういう方はなにか魂胆があるわけですからブロックしておいたほうが賢明というものです。
ですが、Facebookページの運用のコンサルをしていると、ちょくちょくこうした勘違いの落とし穴に落ちてしまう人がけっこういる事に気づきました。自分のFacebookページの投稿がたくさんシェアされたり、いいねがたくさん付くと、それだけで嬉しくなってしまい、熱が入ってくるわけです。これは企業規模に関係無く、熱心さが空回りしたときに良く出るケースだと言うことが分かってきました。
Facebookページの投稿がシェアされたり、たくさんイイネが付くポイントがだんだん分かってくると、それが面白くてそればかりになります。嬉しくてたまらないので同様の投稿をするわけですが、ショップの売り上げや問い合わせが増えるかと思いきや、全く増えない。アフィリエイターやエセコンサルならそれでもいいですが、まともなビジネスの役に立たない。これだと苦労した割にソーシャル運用なんて何の役にも立たないと思い始めてくるわけです。これが負のスパイラルですな。と、訳の分からないことを言ってみたり。
シェアやイイネが多いからといってビジネスにつながるとは限らない
これを実証する例を挙げてみましょう。私への仕事の依頼はだいたいにおいて、(1)ブログを見つける (2)Facebookでフィード購読をする (3)有料メルマガを購読する、という段階を踏んで依頼してくる方が多いのです。電話帳に出てました、とか知人の紹介で、とか全然無いです。ましてやチラシ見ましたとか、広告もないです。広告出してないからさ(笑)。
で、前にも書きましたが、先月、Facebookにある投稿をしたところ・・・仕事とは関係のない、新聞の投稿欄についてのコメントな訳ですが・・・
シェア10423件
いいねが86488人
ということがありました。さて問題です。これだけ多くの人の目に付いたわけだから、いったいどれくらいの仕事の依頼があったと思いますか?
って、書いてるくらいくらいだから、想像付くと思いますが、見事0件です。フィード購読は数日で400人くらい増えましたが、その後大半が解除されました。たぶんわたしがいつも「いい話」をする人だと思ったんでしょうが、大半の方にはいつも訳の分からない投稿なので「ヽ(`Д´)ノ」と思って解除されたっぽいです。
たとえイイネとかは50くらいしか付かなくても、仕事の依頼がバンバン来た投稿も過去にはあり、ココではっきり言えるのが
ターゲット以外にアピールしても無駄
ということなわけですね。だから「タダでもらうのが趣味」という人たちを大量に懸賞で集めたり、「ケンテイ大好きッ子」を死ぬほど集めても、それはファン数で自慢することにしか使えません。ガキじゃあるまいし、意味ないから・・・・。
マーケティングの基本は「ターゲット・セグメンテーション」。当たり前ですが、狙ったターゲットを絞り込んで、そこにアプローチしないと効果は無いわけ。オカマにフンドシは売れないし、アフリカ系米人に血液型の本は売れません(80%以上がA型だからさ。しかしアフリカ系米国人の80%が同じ性格の訳は無いから血液型で一喜一憂するのは馬鹿のやることです)。いくら犬が好きでもペット禁止のアパートに住んでいる人にはドッグフードは売れないし、イスラム教徒に酒は売れません。たくさんの人にアプローチすればいいというマス広告から、ターゲットを絞れるネット広告にシフトしている時代に、数だけ集めればいいという感覚が間違ってるのです。
Facebookページなどのソーシャル運用を語るのであれば「×ヶ月でソーシャル経由で売り上げが×%増になった」ということしかないと思う次第です、私。