話題になってるのでさっそく読みました。
実はわたくし、釣りも趣味でございまして、20年ほど前にはアメリカ製のフイッシングボートを友人と共同所有していまして、カジキを釣ってました。カジキって房総沖でもけっこう釣れるんですよ。小さなボートで三宅島までも行きました。
その関係で、プレジャーボートの社団法人の理事を仰せつかり、水産庁や当時の運輸省との漁港活用のミーティング、各漁協との話し合いなどをやっていました。なので漁業の裏の世界もけっこう知ってます。
巨大な違法な定置網を張り巡らして、見えにくい体裁にしてプレジャーボートが引っかかるとそれっと駆けつけて高額な補償金を取る「プレジャーボート漁 w」や、某地方で好天の日に遙か彼方まで張り巡らした悪名の高い鋼鉄の定置網をアメリカ海軍の原子力空母が引きちぎって去って行った話とか、駿河湾に回遊魚の群れが入ると湾を塞ぐくらいの何十キロもの網を流して一網打尽にする船団とか、定置網で稚魚まで捕りまくって全部肥料にしている漁協で、その網の所有者が仲卸の水産会社とか、いまはどうかしりませんが危ない話が死ぬほどあります。
そもそも日本の旧漁業権は、戦後に180億円という破格の補償金を払って消滅したのに、いまでも「ここは漁業者オンリーだから入るな」みたいな場所もあります。自分の経験では房総のある港(空いててガラガラ)にはいって給油しようとしたところ、ヤクザみたいなのが現れて「1万円払え。でないと出て行け」みたいに脅されたことがあり、来ていたガソリンスタンドの人も「またか」みたいな・・・。
まあ書けばどんどん出てくるのですが、29年の水産庁のデータでは1年に30年以上操業する漁業就業者数は、15万3,490人で、前年に比べ6,530人 (4.1%)減少。
65歳以上が約4割で、15〜24歳は3.6%しかいない。ということは、あと10〜20年もしたら日本の漁業はまさに崩壊するわけです。漁業経営体数は、7万8,890経営体で、前年に比べ2,990経営体 (3.7%)減少しており、平成25年から29年の間に16.5%も減っている。こちらも10〜20年も経過したら・・・・。
こういう前提でこの本を読むとさらによく分かります。
東京の卸し市場に深く食い込むヤクザ
暴対法の施行でヤクザのシノギは非常に厳しくなっており、最近では架空請求とかオレオレ詐欺までやってるのはご存じの通り。北海道の禁漁の場所で鮭を釣りまくってイクラだけを抜いてあとは捨てていく仕業もヤクザの構成員だし、高齢化している漁業に食い込んで来て違法な利益を貪ろうとするのはよく分かる。だって遵法意識がないんだもん。
簡単な例で言うと伊勢海老は漁業者でないと厳しく捕獲が規制されているが、伊豆や房総ではチンピラが夜に伊勢海老を釣りに来る(防波堤から釣れる)ので地元の警察と漁業者が巡回しているくらいだ。現場を見たことある私です。ホントに日常的に平気で盗みをしそうな方達でした。メルカリに伊勢海老釣りセットが出ていたので通報もしました。
しかし、この本はもっと深い。でもってまださっと読みだが非常に面白い。渾身のレポだ。
有名な観光市は泥棒市
銚子港の漁業組合のボスが暴力団
東京の中央卸し市場と暴力団の密接な関係
海上保安庁も手を焼いている
一番問題なのは、著者が築地で潜入アルバイトをし、暴力団が密漁している違法の水産物が大量に流れていることを突き止める。産地も偽装している。
いまは豊洲で営業されてるわけですが・・・・
東京都のコンプライアンスはどうなってんの!!?
であります。都民の税金使ってあんな豪華な市場を建てて、暴力団の資金源に還元されてるとか、おかしいっしょ。
東京で高く売れないなら密漁してもしかたないになるから、取り締まりするより早いかもしれないじゃないか。
そんなわけで、音喜多君には都議会で追及するようにLINEしといた。ヤバいかもしれないけど頑張ってね(他人事)