最近、取り沙汰されているコンビニのブラック労働問題・・・・。
スポーツ紙でもたまには良い記事書くんだ・・・・・
全国各地のオーナーからは、切実な「声」が続々と届いています。山陰地方のオーナーは「オープンして5年だけど、1日も休んでいない」。東北地方の50代の男性オーナーは「会って、話をしたい」と1日かけて同店を訪れました。「家族経営をしているけど、娘と娘婿が帰ってきてくれたので、なんとかもっている。このまま続けたとしても、たいへんなだけは分かっている。もうすぐ15年。契約更新はしないでおこうかと思っている」
もちろん、激励の声だけではありません。非難の電話もあります。「おまえらコンビニやろ。24時間やれよ! 何を言うてんねん。おまえら奴隷でええんじゃ!」。
いかにもTwitterにもいそうなリアルクソリプ野郎
この報道がさせた当初、いろんな風にdisられてました。
「Googleプレイスみたらオーナーがぶっきらぼうで評判が悪い」
お前も奥さんが亡くなった時に店に立ってニコニコできるならそう言えよ。なんで亡くなったかはしらないが、闘病していたとしても同じだ。
周辺のコンビニも同じだが最低賃金で人が来るわけない。時給上げろ
これですが、コンビニってどんだけ儲かるかと思ってるのかな。
実際のコンビニオーナーの収入については本部が発表するわけもないが、ググるといろいろでます。
年収2百万円台…コンビニオーナー搾取の衝撃的過酷労働 年間休日ゼロで週3日徹夜は当たり前
元のソースはNHKクローズアップ現代。NHKだから事前に本部にも取材しているし、それがガセだったら当然本部は訴えるだろうがそれをしてないから事実でしょう。
今回の『クローズアップ現代+』を見て、こうした考えは変わりました。番組では冒頭から「年間の休日ゼロ」「週3日徹夜勤務」「年収290万円」という衝撃的な数字が紹介されました。取り上げられた加盟店の場合、営業総利益(売り上げ-原価)約3823万円から、本部へのロイヤリティ(約50%)約1863万円、従業員給料約988万円、光熱費や廃棄費など約684万円を引いた残りが営業利益(オーナーの年収)となり、その額は約288万円という状況でした。十分にアルバイトを増やす余裕がなく、オーナー自らが年間休日ゼロで週3日徹夜勤務を行っても、収入は300万円にも満たないという訳です。
さすがに300万円いかないのは特殊な例だとは思うが、なんと「全国2500店の約4割の店舗の営業利益が400万円を下回る」んだそうな。1000万円を超えるところもあるというが、話題になった店舗はどう見てもそんなに繁昌してる感じはしなかった。
400万あるなら良いじゃんとかいう馬鹿もいると思うが、もらってるんじゃなくて稼いでいる数字だ。個人ブログでは500〜700万が平均と書いている人もいたが、初期投資やリスクも負っている。しかもこれは「一家で働いての世帯収入」なんである。めちゃくちゃ少ないでしょ。これでバイトを1人増やして月に10万払えば年間120万のマイナス。時給上げて採用できるわけないでしょ。飢え死にしますわ。
出典
そうすると左の人は「粗利の50%も搾取している本部が悪い」というわけですが、そもそも普通に雑貨屋やるよりはリスクが少ない。フランチャイズのオーナーはローリスク・ローリターンを選択して契約しているわけだから、契約したほうが悪いになってチャンチャンです。でもそれだと救われないのでわたしはコレを提案するわけです。
深夜営業は全くペイしてないのエビデンス
コンビニは本当に深夜に営業する必要があるのか。もちろん不夜城の渋谷とか歌舞伎町は深夜でもバイト雇ってペイするだろうが、一般のコンビニって深夜に開けてる意味があるのか、エビデンスを探しました。
首都圏在住/20歳以上男女/有職者/コンビニ週1以上利用でサンブル数400ですが
ピークは午前8時と12時、そして午後7時。午前0時を過ぎて5時まではほとんど利用者はいない。サンプルは「有職者」に限っているので暴走族とか夜遊びしてる無職のDQNとか学生ははいってないが、そんなの金もないしたむろしてるだけで迷惑だからこなくていいじゃん。
で、肝心なのは深夜は時給が割り増しで25%上がるから、そうでなくても客が少ないのに人件費が嵩むって事。深夜に閉めて良いなら相当に人件費が浮くと思います。時給1250円で深夜5時間バイトに任せているなら、この時間を閉めて良いなら月間20万近く浮くことになる。それで他の時間帯のバイトの時給も上げられるのではないか。
有職者に限らない調査は経営産業省が野村総研に委託した大規模調査があります。
コンビニエンスストアを取り巻く環境に関する調査結果
2014年9月
ここで驚くのがコンビニ強盗の数で
あたりまえですが
深夜帯に集中。ワンオペで運用したくてもなかなか恐くてやる人は少ないよね。
もちろん逆に言うとコンビニの存在価値でこういうのもある。
深夜に女性が駆け込んでくる確率が非常に高いわけ。しかし深夜に遊んでいて駆け込むためにコンビニオーナーや従業員は働けというのはちょっと変だよね・・・・。
自分の結論は
近くて便利なのはわかるが、それをオーナーや従業員にかぶせちゃダメ
ということです。そんなの社会がブラックなだけ。
どうしてすぐに深夜営業をできないのか
セブンイレブンもついに検討始めたようですが・・・・
「セブン‐イレブン・ジャパン」によりますと、営業時間を短縮する実験を行うのは、東京都や愛知県、兵庫県など全国の8つの都県にある10の直営店です。今月中旬から当分の間、営業時間を午前7時から午後11時に短縮し、深夜や早朝は店を閉めます。
セブン‐イレブンでは、駅やオフィスビルなどに入る店舗を除き、24時間営業を原則としてきましたが、人手不足がさらに深刻化するおそれもあるとして、営業時間を短縮する実験を行うことにしました。
どうしてすぐに希望するフランチャイズにたいしてOKが言えないのか、鍵は上の野村総研のレポートにありました。
コンビニエンスストアが創業された1970年代、多くの商品はその取引先が直接店舗に配送していた。そのため各店舗には1日
70台もの配送車が来て、その度ごとに店内で納品作業が行われていた。コンビニ本部各社はこの問題を解決するため、共同配送センターを設置していった。各取引先の商品は一旦共同配送センターに集約して、店舗別・温度帯別に商品を仕分けた上で、各店舗に配送した。この共同配送システムに参加する取引先が増加していったことにより、各店舗の1日あたりの配送車両台数は劇的に減少していった。
これには30年くらい前に有名なエピソードがありまして、セブンイレブンが花王に対し、発注を掛けてから翌日に納品できるかと訊いたところ、当時の花王はシステム部を若いエンジニアが仕切っていて「うちは1時間後にでも対応できるが、御社で対応できるのか」と回答したという話。リクルート時代に聞いたんですが本当でしょうか。ww
しかしいまではいったん配送センターに納品されて
ここまで配送回数が減ったわけです。つまり地域に一軒だけ「うちは深夜営業しません」という店舗がでると、深夜に配送していたトラックがそこだけ行けなくなる。別に配送のルートを組まないといけないので本部は簡単に「いいよ」って言えないわけですよ。また「うちは0時〜5時まで閉める」「うちは11時〜6時まで閉める」とかバラバラに言われると対応不可です。
となると、本部も考えてはいるでしょうが「24時間対応」と「深夜は閉める」の店舗が均等くらいになってやっと対応できるわけ。でもこれって別の考え方をすると
深夜は閉めることを前提にして配送もしない
のが一番の解決策ではないでしょうか。徹夜で配送するドライバーも配送センターも、弁当の製造工場もみんな休めます。深夜も開けたい店舗はその営業時間中に配送されてこないので弁当とかは在庫が少なくなるが、それでもいいということで営業する。それでいいじゃないかという時代にもうなってるんですよ。
前にも書いたけど、
いまでは緩和されてる地域もあると思いますが、わたしが昔ドイツに行った時は土曜の午後から日曜は全部の店が閉まってました。レストランもです。それで経済が衰退するかと言えば、ドイツはEUで一人勝ちじゃないですか。
コンビニだって同じです。深夜に閉店して客が減ってもその客はほかの時間に来るだけです。法律でせーので決めてしまうのもあり。渋谷のキチガイハロウィンなんて、コンビニを条例で閉店させれば缶チューハイもタバコも買えないからあれほど荒れない。ゴミも捨てられない。
で、たぶん数年以内にはこういう時代が間違いなく来るよと予言しておきます。
ヴェノムがAmazonに降りてきたので昨日見ました。これほどイケメンと美女が出てこない映画も珍しいけどまあまあ楽しいです。