小泉進次郎よ、日本の未来のために君は育休を取らないといけない

2019年8月8日


※本来は育児休暇ではなく育児休業で法律も「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」でも休暇という文字はないけど、言葉的になじまないので育児休暇にしています。

進次郎が首相官邸で結婚報告したことを他の自民議員がやっかんでるけど、本来、進次郎は人気の彼を陣営にいれたい安倍さんと距離を置いていたんだが、めでたいことだけに断ることができなかったんだろうなぁ。安倍さん、ずる賢いわぁ〜

それはさておき。進次郎よ、本当に日本のことを想うなら、君は絶対に育児休暇を取らないといけない。日本はそれで超少子高齢化にブレーキを掛けられるかもしれない。本日はそのことをエビデンスを添えて書く。党派や主義主張を超えて日本国民はこのムーブメントをおこさないといけない。

夫の育児と家事負担が少子化対策の鍵という内閣府の調査報告

以前にも書いたが、内閣府経済社会総合研究所が2011年に長文の論文を出しています。

内容的には相対所得という概念が所得や養育費の出産に与える影響についての調査で、簡単にいうと世帯収入が平均より高い場合、子供の数にどのように影響するのか、そして養育費がさらに子供を作るのにどの程度影響するかという研究です。この調査結果分析では

1 母親が高学歴であるほど養育費がかかり子供の数が少なくなる

2 低収入層は平均収入に近づくと出生率は上がるが一時的な所得保障は役に立たない
※継続的に平均収入に近づける施策は効果がある

3 高収入だと養育費が高くなり結果、子供の数が減少する

というものです。「子ども手当」のような一時金や、出産時にお祝い金を出す施策は子供を増やすのに役に立たない。しかし子育て家庭に対し継続的に収入を増やす施策は効果があり、さらに養育費(とくに教育費)を低下させると出生確率は上がる。

分かりやすく解説すると、高学歴夫婦だと収入は当然多くなるが、妻の婚期は遅くなる上、仕事に就いている確率も高い。そして高学歴の家庭では高学歴の優位性が分かっているので子供にも高学歴を受けさせようとする。結果、教育費が非常にかかり子供の数は少なくなる。日本では低収入の家庭には教育の補助があるが、年収がたしか500万を超えたあたりからキツくなってきて共働きになると全く援助がなくなる。大学まで複数の子供を行かせるのは非常にきつくなるのです。実際、このエントリーにも書いたが、日本では進学率の低い沖縄や九州は出生率が高いのであります。進学率と収入がもっとも高い東京が出生率ワースト。

こういうことを書くと「学歴なんていらない」という人が必ずいるが、日本の税収入を考えると25人に1人しかいない年収1000万以上の層が、所得税の半分を負担している構造で、年収が1000万以下の場合は自分で自分の社会保障分も負担できていない。それではどんどん国が貧乏になって破滅に向かう。

頑張って稼いで税金納めて貰う人を増やす

ということが重要なのだ。会社に勤めて利益を上げてもらう。起業してもらってどんどん雇用してもらう。そういう層を増やさないと社会保障にぶら下がっている層だけではやっていけない。日本ではこの認識が非常に薄いと感じているが、この層を増やすことは社会への投資です。

なぜ進次郎は育児休暇をとらないといけないのか

このレポートでは調査の段階で、上記のほかに非常に興味深いことが記載されている。

国立社会保障・人口問題研究所が2005年に行った調査では

というデータがあり、子供を作れない理由として妻はまず「教育費が高すぎる」というのを第一に挙げている。しかしその次が

◎仕事や家業に差し支える
◎夫の家事・育児への協力が得られないから

ということになっているわけです。これはすべて密接な関係があり、2人で働くなら子供2人分の教育費が出せるかもしれないが、夫の育児や家事の協力がないと子供はもう作れない。仕事もできないということになってるわけです。こういうデータがあるから家庭科が男子も必修になったと思います。

そして決定的なのがコレ

2人目を作るかは夫の家事時間が有意な影響を与える

2014年に同様のデータも内閣府は出しています。夫の休日の家事・育児時間と第2子以降の出生状況をみると、両者には正の関係性がみられる。

とにかく日本は出生率2を目指している。夫婦が2人の子供を育てれば人口は減少しない。そのためには夫が育児や家事に積極的に参加しないといけないのです。これはもうはっきりと大量サンプルの調査データに出ているし、昨今の出生率がわずかながら上がったのは社会の考え方が変わってきたからかもしれない。

教育費の軽減はかなりの財政の振り分けが必要で一朝一夕にはできないが、出生率を上げるためには最悪、これから子供を作ろうとしている夫婦の子供が18歳になるまでにできればいいから、必ず進次郎にはやってほしい。が、いま子供を作るかどうかは夫の育児休暇制度を法律で決めて義務化するだけで効果が望め、予算はほとんどいらない。

進次郎は自分でも言っているように「政治バカ」であり、典型的なワークホリッカーだ。その彼が育児休暇を取って家事に参加する様子を国民に見せることで、大きなムーブメントが起きる可能性がある。いや、起こして貰わないと日本の未来は真っ暗です。

抵抗勢力のあぶり出しと対立構造で勝てる

しかし日本のいわゆる守旧派には、国民の大多数が賛成してる夫婦選択性別姓にさえ反対しているのがたくさんいる。女性の社会進出の大きな妨げになってるのにも関わらずである。爺さんばかりの日本会議はこれに反対しており、「家事をするのは女性」「子供を育てるのも女性」というガチガチの明治時代の価値観のままだ。しかしエビデンスが示すように

いまは日本が滅びるかどうかの瀬戸際

なわけで、爺さんたちは自分たちはもうすぐ死ぬからいまが自分の価値観にあってればいいんだろうが、孫やひ孫の時代を全く考えないのははっきりいって国賊と同等です。進次郎が「育児休暇をとります」と宣言すれば、こうした爺さんたちや彼らにおもねる国会議員たちが一斉に「けしからん」「政治をなんだと考える」と騒ぎ出すだろう。このときこそ、進次郎は父がとったのと同様の対立構造を明確にし、こうした勢力を叩き潰して欲しいのです。

少子化対策こそ「行政改革の本丸」

というスローガンを掲げてコレに反対する抵抗勢力を叩き潰す。これでこそ日本は少子化を食い止める可能性が出てくる。そのためにも進次郎は率先してまずは育児休暇をとり、そこから学んだ事を政策にどんどん取り入れて欲しいのです。正直言って君ほど波及効果が考えられる人はほかにいません。完全休暇が難しいならリモートでの会議の参加とか、いろいろやれることもあります。

内閣府が出してるので電子版は無料です。たぶん数千万はかけてる。日本の将来を考えてる人は絶対ゲットして読んで欲しい。同様のことがたくさん書かれています。

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