香港の若者たちに、いま日本ができること・・・・

2019年8月31日


空から見た香港 撮影はわたし

香港で若者たちがいまのままでは民主主義がなくなると立ち上がっています。

周庭(アグネス・チョウ)氏、一時拘束されていたが保釈。香港民主派団体の幹部、日本語でデモの支持を呼びかけていた【UPDATE】

周庭氏はまだ23歳の大学生です。彼女のTwitterはわたしもフォローしています。


日本語が非常に上手で先日も日本で講演をしたはず。独学で日本語をマスターしたということで、すごい才媛。

物凄く分かりやすい理路整然とした説明

香港と中国の違いがよく分かっていない人も多いが、香港は30年前までイギリスに貸与されていたので資本主義、民主主義が浸透している。香港の人たちの多くは自分たちのことを中国人と思っていません。もちろん中国本土からたくさんの中国人が香港に入っているのだが、香港では中国人というアイデンティティではなく、香港人なのだというアイデンティティを持っている人が75%いるという調査データがある。

たとえば自分はバリに30回くらいはいったが、10年くらい前から中国人が非常にたくさんくるようになった。バリのイミグレーションは長蛇の列になるのが当たり前なのだが、そこに中国からの便が到着すると、平気でぐいぐいと列の先頭に割り込んでくる。この光景は初めて見た人でないと信じられないだろう。ドイツ人とか大声で「後ろに並べ!!」とか叫ぶのだが中国人は聞こえないふりをして平気である。

さすがに殺気だったときに私の隣にいた身なりのいい品がある人が、中国語で厳しく割り込みした中国人に話し始めた。実は私はこのときに香港経由のキャセイでバリ入りしていたのでその人は香港人の訳だが、割り込み野郎(家族連れ)中国語で説得されたので渋々と最後尾に行った。周囲の欧米人が英語でその人に「一体なんて言ったのか」と聞いた。耳をダンボにして聞いていたら

あなたと同じ中国人と同じだと思われると迷惑だ。恥を知りなさい

みたいに言ったと苦笑いして説明していた。自分もインドネシアに中国系の友人がいるが、「君は中国人か、インドネシア人か、どっちの意識か」と聞いたら「インドネシア人に決まっている」と言ってました。

しかし、中国政府はあと20年で完全に香港を自国の体制に組み込む。香港の若者がいくら運動してももとから50年しか2国制度を認めてないのである。それが早まりそうなので運動が起きているわけだが、いずれにせよ、いつかは飲み込まれてしまうわけです。今回、これが弾圧で終わったら、多くの香港の市民が海外への移住を決めるだろう。すでにその移住が始まっているが、おそらく富裕層だけだと思います。

香港人のカナダ移住ブームが再来するのか?

ただ、移住と言ってもいろいろある。

◎雇用ビザなどで海外の企業で働く
 ※期限があるので帰国してビザの更新が必要

◎永住権(グリーンカード)を取得する
 ※通常は1年とか海外に行くと永住権は失効する

◎帰化して国籍を変える

下に行けば行くほど難易度が高くなります。仮に香港が中国に飲み込まれた場合、本当に移住したいならば労働ビザでなく、永住権を取得したいと考えるでしょう。しかしトランプは永住権取得を非常に厳しくしようとしているし、オーストラリアも知り合いが永住権を取得したがかなりの難関であった。

その前に移民というとすぐに「肉体労働者としての移民」を思い浮かべる人が多いのだが、アメリカにたくさんいるメキシコ移民は不法移民です。基本的には肉体労働しかできない労働者層は移民としてすぐ受け入れる先進諸国はほとんどないと思います。これをごちゃ混ぜにしている人、多すぎ。

非常に進んでいる日本の移民制度

実は日本政府は世界的にも進んでいる高度移民制度を設けています。前にも書いた。
※在留資格関係の申請に携わる行政書士の方から実際と異なる部分があると連絡頂きましたので修正を入れました。9/8

法務省のサイトです。もちろん英語版もあります。

簡単に言うと
高度外国人材の活動内容を

1. 高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」
2. 高度専門・技術活動「高度専門職1号(ロ)」
3. 高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」

の3つに分類し,それぞれの活動の特性に応じて,「学歴」,「職歴」,「年収」,「研究実績」などの項目ごとにポイントを設定し,申請人ご本人の希望する活動に対応する類型について,ポイント計算による評価する仕組み。こんな感じでポイントが加算されます。

70点以上で、高度外国人材と認定され、「高度専門職」の在留資格が与えられ、様々な出入国管理上の優遇措置が認められます。

出入国管理上の優遇措置は、具体的には、次のようなもの(他にもあります)。
(1)入国・在留手続の優先処理。
入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内を目処に在留資格認定証明書が発行されます。通常のホワイトカラーに認められる技術・人文知識・国際業務の在留資格の審査期間は、おおむね2~3か月前後ですから、とても早いです。
(2)在留期間「5年」の一律付与。
高度外国人材に対しては,法律上の最長の在留期間である「5年」が一律に付与されます。
他の在留資格では、最初に認定を受けるときは1年、よくても3年なので長いです。
(3)永住許可要件の緩和
永住許可を受けるためには、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要ですが、高度外国人材としての活動を引き続き3年間行っている場合や、高度外国人材の中でも特に高度と認められる方(80点以上の方)については、高度外国人材としての活動を引き続き1年間行っている場合に永住許可の対象となります。
(4)配偶者の就労
高度外国人材の配偶者の場合は,学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも、就労系の在留資格に該当する活動を行うことができます。
(5)一定の条件の下での親の帯同の許容
親の帯同は、他の在留資格では認められていないです。

例えば、29歳以下で博士号を持っているとそれだけで55点。この段階で年収が500万あると70点になって、5年間の高度専門職の在留資格が認められます。
そして、3年以上日本に在留すれば、永住申請可能です。香港の高学歴の若い世代については日本が国策で点数を上乗せしてあげれば良いのです。まずは高度専門職の在留資格から永住権を取得してもらい、気に入ってくれたら優先的に帰化して貰います。

実際に香港の優秀な人材は日本に来てくれるか

ここは空想していても仕方が無いので、日本大好きで中国から日本に帰化した友人にいろいろ聞いてみました。完全に帰化するのには日本で5年間一生懸命に働き、日本語ができて、そもそも高学歴で社会的な能力があれば日本政府は割と鷹揚に受け入れてくれるそうです。中国が大好きなら日本に帰化する訳がなく、ネトウヨが言う「簡単に帰化を受け付けるとその人たちが連動して自治体を乗っ取る可能性がある」というのはおかしくて馬鹿みたいだと言ってます。真逆だそうな。

なお、香港の人は中国本土の人より日本人の価値観に近く、少し高い給料提示されるとすぐに転職したりとか、本土の人のドライな感覚ではないそうです。非常に優秀で目的に向かって邁進するが情にも厚い。信頼関係を裏切ることは少ない模様。

で、、、検討の結果、↑の案を成功させるには、単に民間に丸投げではなく、「国策としてのグローバル化」を政府が打ち出し、経団連と協力して受け入れるくらいでないと成功しないという結論になりました。理由は日本語です。高学歴の香港の人はすでに中国語と英語はネイティブなわけで、3番目の外国語として日本語をマスターするのはそれほど難しくないそうですが、日本政府自体が国策として導入しないと、楽天にUNIQLO、あとは教職員程度でしか受け入れる先がなく、毎年100万人ずつ減少している日本にとっては焼け石に水滴です。

数十万人の若くて優秀で英語ができる人材が日本に入ってくるだけで、どれだけ日本の経済が活性化するか考えて見たら分かる。中国政府もへたに弾圧なんてしたら世界の目が怖い。不満があるなら出ていってもらって結構という感じでしょう。この機会に優秀な若い人材をガッツリ日本に来て頂く戦略、いかがでございましょうか。個人的には周庭氏に帰化して頂いて政界に出て欲しい。投票します。共産党大嫌いだから野党からは出馬しないはずなので新党作ってください。

香港と中国と台湾の関係がよく分からない方は、社会常識としてまずこれを読みましょう

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