作業の様子をテレビで見ていて、作業を指揮している社長さんのコメントが印象的だった。実はゴーサインを出したのは会長(名字が同じなのでたぶんお父上)で、「これをできるのは日本ではうちしかいない。うちがやらなくてだれがやるんだ。いまが社会貢献の時だ」みたいな話だったらしい。最初、この話を聞いたとき、どっかの解体屋か産廃業者が売名のためにやるか、あとでなにか企んでいるんだろうに思った自分をぶん殴ってやりたい。
そもそもこの会社のサイトを見ますと会社のキャッチフレーズが
妻や子がひとつの願い 父の無事
というもので、ちょっとフツーの会社ではない。社員数は64名だが
A級オペレーター(名前が記載されている)が4人
一級建築士 2名
一級建築施工管理技士 2名
一級土木施工管理技士 11名
二級土木施工管理技士 2名
解体工事施工技士 15名
重なっている人もいるだろうが合計36人。スペシャリスト集団だという事が分かる。この会社すげーよと思うのが・・・・(以下写真はお借りしました)
下手なパーソナルジムどころではない設備!!!
地下にスポーツフロアがあるんですよ。従業員64人の会社に・・・・・
ゴルフシミュレーターに
バッティングシミュレーター
業績はと言いますと
売上は2016年にピークのあと下がったものの盛り返しつつあり、従業員1人あたりの売上が約7300万。営業利益は2018年がピーク。儲からない仕事を受けちゃったのかもしれん。しっかり利益剰余金は出している。堅調です。所有重機が凄いの・・・・・
テレビでやってたのはこれかな・・・
しかし3ヶ月かかるというから少なくとも数千万とか億の仕事だろう。経費は寄付で落とせるわけないからたぶん広告宣伝費かなにかで落とすのだろう。それにしてもこれは企業としてどんなメリットがあるのだろう。
企業ブランドの確立
これはもう今回の仕事で間違いなくダントツの効果だろう。例えばGoogleプレイスでこの会社を見てみる。
絶賛の嵐!!!
今後、非常に難しい解体の仕事がある場合、「そうだ、あの千葉のゴルフ場が潰れたときに活躍した会社は何処だっけ」に必ずなる。「台風 ゴルフ練習場 解体」で検索するとこのブログが出てきて ww すぐたどり着く。いままでの解体実績見ると蒼々たる建物の解体に携わっているが、今後はそれ以上に名前が知れ渡る。テレビCMなんかよりずっと良い。
社員の意気向上。モラルアップ
社長がテレビで話していたが、社員も意気に感じてめちゃ頑張っているんだそうな。普段の仕事場にテレビが来ることはないだろうが、今回は違う。「ちくしょう、いいとこ見せてヤンゼ」とばかりみなさん顔つきが違う。社長の話では「社員全員もこの仕事に誇りを持ってくれてスケジュールよりずっと早く進んでいる」ということであった。そりゃそうだ。社会貢献というのはそういうものだ。
おまけに頑張って重機を動かしたり鉄骨を切断しているお父さんの姿がテレビに映れば、子供達や妻からも「お父さん、凄い」と言われるのは当たり前。社員全員のモラルは絶対に上がる。たとえ2019年の売上が多少落ちても「社会に貢献した」と意識で毎日生きていけます。
採用が非常にカンタンになる
この効果もかなり高いのではないか。
実は全業種でもっともやりがいがある業種はなんとメディアと建設業なのだ。逆に抜きんでて低いのが金融。www
建設業は完成したものを見て「俺の仕事だ」という感慨に浸れるが、解体はそういうことがやや小さいと思われる。しかし今回の事で会社が認知され、解体も素晴らしい仕事だということが認知される。会社もたくさん紹介される。経営陣の意気に感じて入社希望してくる人も多いのではないか。
何千万、何億かかるかわからないが、この会社のしていることは間違っていないし、テレビコマーシャルに何億も突っ込んで広告を打つよりよほど賢い気もするのです。とにかく頑張ってください。応援してますよ。
でね。いまのアニメはあんまり見ないのだが、Amazonプライムに降りてきた「ドクターストーン」を見たら面白かった。そこで久々に漫画を買いました。