この話題は「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」でやろうと思っていたのだが、12/12の渋谷でのディベート大会は「将来、移住するとしたらどこの国か」になりましたので書いちゃうことにしました。w
韓国の明洞にもタピオカブームは来ていた・・・・・
台湾/2018年タピオカ輸出額35億円、日本市場は6億円輸入
台湾貿易センターのマーケティングプロジェクト部顏副部長によると、台湾発祥のタピオカミルクティーは世界40カ国300都市に進出し、多くの人に愛されている国民的ドリンクとなっている。フランスのルーブル美術館前でもタピオカミルクティーが買え、パリっ子の間でもオシャレな飲み物として流行しているという。海外の調査会社によると、すぐテイクアウトでき、美味しく楽しめるハンドシェイクドリンクは市場規模にして2092億円あり、2023年には3436億米ドルに達する見込み。タピオカミルクティーは、このうち42%を占めている。
台湾ではずいぶん昔からあったし、コンビニでもあったのに今年どうしてこんなに流行ったのか意味がわかってないのが私です。
タピオカといえば原料はキャッサバという芋。毒があるので水にさらして残ったデンプンを使う。つまりタピオカドリンクは
甘い紅茶にデンプン団子を入れたもの
ということになり、我々筋トレ族にとっては未来永劫に渡って敵ということになります。
さて、わたくしめが生まれて初めてキャッサバというものの存在を知ったのは、幼少期のロビンソン・クルーソーの中の「I searched for the cassava root, which the Indians, in all that climate, make their bread of, but I could find none.」という記述。インディアンがパンみたいなものを作っているキャッサバを探したがなかったみたいに訳されておりました。しかしキャッサバはタンパク質をほとんど含まないのでパンにはなりません。今読むとロビンソン・クルーソーはかなり適当な事がたくさん書いてある。とくにパンの実(ブラッドフルーツ)はハワイで焼いて食べてまったくパンじゃなくて味のない硬い芋だった。
で、キャッサバというのはAmazonでも種が売ってます。w
キャッサバ芋には青酸配糖体!!が含まれているので毒抜きしないで食べたら中毒になっちゃう。ブラジル原産なのでブラジルで作っているのかと思って調べたらWikipediaには
1. ナイジェリア 19.2% 5300万トン
2. タイ 10.9% 3023万トン
3. インドネシア 8.6% 2394万トン
4. ブラジル 7.8% 2148万トン
5. コンゴ民主共和国 6.0% 1650万トン
6. アンゴラ 5.9% 1641万トン
7. ガーナ 5.8% 1599万トン
8. モザンビーク 3.6% 1000万トン
9. ベトナム 3.5% 976万トン
10. カンボジア 2.9% 800万トン
と出ていた。
作付面積あたりのカロリー生産量はあらゆる芋類・穀類より多く、デンプン質の生産効率は高い。開高健のオーパには、「アマゾンではキャッサバの粉のファリーニャ」という白い粉がテーブルに置かれていて、肉だろうが魚だろうがこれをまぶして食べるとあるが、現在ではアマゾンまで行かなくてもAmazonで買えます。ww
さて、タピオカは原価が超安いので反社組織が参入していると読んだことがあるが、ドンキでも売っていたし、Amazonでも業務用が売っている。
一杯分の原価13円!!!!
これだけ原価が安いヒット商品もなかなかない。客が来なくても原価が安いからたいした痛手にはならない。個人レベルではじめるのも簡単だから木下優樹菜のねーちゃんのママ友さんもはじめられたんだろうな・・・・・と関係ない話。
話は戻るが、キャッサバは「作付面積あたりのカロリー生産量はあらゆる芋類・穀類より多く、デンプン質の生産効率は高い」ということなので、生産国を見ても割と貧しい国が効果的に炭水化物を生産するのに適した作物であります。これだけ日本や韓国などで急に消費それるようになると、アフリカの貧しい国々からかき集められて輸出されちゃってるのかなと思うと、現地は大丈夫かなと思い、ナタデココブームを思い出しました。
ナタデココブームを思い出せ
いまから25年前の1993(平成5)年から一大ブームを巻き起こしたナタデココというのがありました。いまでいうと似ているのはアロエ。
いまでもAmazonなら売ってます。
昔は、ファミレスのデザートにもナタデココ入りがありました。で、原料は椰子の実なのですが、フィリピンではエラいことになったのです。当時、たぶん朝日新聞で読んだのですがそのときの記事がもうググっても出てこない。
1 ナタデココが儲かるというので畑潰して椰子の木植えた
2 精製するのに酸を使うらしくそれが流されてさらに荒れた
3 あっという間にブームが去った
4 現地は借金して投資した人たちが死屍累々
5 日本の商社も倉庫に在庫の山
という俗に言う「ナタデココの悲劇」というものになったのですよ。お立ち会い。今回もアフリカやカンボジアでは「タピオカ儲かるから畑を潰してキャッサバ植えろ」になっているのではないか。ブームが去ったら累々と屍が残るのではないかと小さな胸(胸囲は110cmあるので単なる比喩)を痛めています。これ、笑い事じゃないよね。日本は一過性のブームで済むけど、生産国にとっては死活問題。
まあ、タピオカとは違って余ったら現地での食料になるだけだから、安価に炭水化物が買えるようになっていいかもしれないが、こちらだとデータが10年くらいまでしかないのであるが、
なんかもうアフリカがメインの産地なのであった・・・・しかし2009年にはアフリカではほぼ自国で消費され、輸出はタイが主体だった。いまはどうなっているのかわかりません。
次にブームになるものを勝手に考えてみる
ナタデココ
タピオカ
のスーパーブームを考えると共通した要素があることがわかる
1 原価が安くて利益幅が大きい
加えて安定供給ができること。新規参入や店舗展開が簡単。利益幅がでかいということは、PRにも予算をぶっ込める。タピオカの初動時には情報バラエティ番組にも多数のタピオカ情報が流れていた。PR会社を通じてかなり仕込まれたのが明確で、コレができるのも大きな利益が見込めるからだろう。だいたい、流行り物というのは自然に流行るケースはほとんどなく、陰でPR会社が仕込んでることが多いのである。パンケーキブームも大手PR会社が自社でパンケーキ店を経営し始めた時に徹底的に仕込んで火が付いた。
ブームがくるくると言われて細々しか来ないアサイーは、原価がめちゃくちゃ高い。
アマゾン原産なのだが、ブラジルは大変に景気がよかった。急にブレーキがかかったようだが
ブラジルのインフレ率は、2015年(1~12月累計、以下同じ)に10.67%と2002年以来の高水準を記録した。2016年に発足したミシェル・テーメル政権では、同年末のインフレ率は6.3%まで下がって沈静化した。2018年6月にはトラック運転手のストの影響で物価が高騰したが(2018年7月12日記事参照)、最終的には通年で3.7%に落ち着いている。2019年1月に発足したジャイール・ボルソナーロ政権下でのインフレ率は、政府のインフレ目標値である5.25%から2.75%の水準に収まることが見込まれている。
ちなみに日本のインフレ率は悲しいことに0.99% ww
これだけ物価が上がってる国から輸入しても、しかも地球の裏側だし、鮮度を保つのも難しいとあってはなかなか儲からないのであります。ちなみにハワイでアサイーボールといえば10ドルくらいする。こんな高いものをいまの若い女子はそうそう食えないでしょう。3000円のパンケーキでも騒ぎになるくらいだからさあ・・・タピオカティはこの半額以下だから流行ったわけ。もっと安かったら日本でも流行るよ。
で、ここで植物に詳しい人は知ってるが「アサイーも椰子の仲間」ってこと。で、次の共通点だが
2 南からきたっぽい
と言うことが挙げられます。君や知るや南の国(ゲーテ)。ロシアやアイスランドで流行ったものがなかなか日本には来ないで、ブラジル原産やフィリピン産など南の食べ物が流行るのは、日本人には南方に対するそこはかとない憧れがあるからではないか。大日本帝国が南の国々に攻め込んで餓死者を戦死者の何倍も出したのも「南の島のジャングルでは果物が豊富になっていて食べ放題」という訳の分からない先入観があったと言われている。ジャングルって実は生物学的にはかなり貧しい環境なのですよ。
上記のことから、わたくしは、次にブームを狙うとしたらこれではないかと思っております。
これは美味しいし、アイスクリームにしても絶対いけるから早く誰かやってください。試食は引き受けますのでぜひ。
単体だと台湾では100〜300円だった。これを1000円で売るよりヨーグルトとかアイスにして安くしたほうがブームになります。