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目の大けがから3ヶ月と10日。頭蓋骨の眼底部には頭から切り出したギターピックくらいの骨が敷かれていてその上に眼球が乗っていて、そのプレートはチタンのカンチレバーで止まっています。プレートが癒着するまで目を再び強打すると今度は失明してしまうので、サーフィンやスノーボードの復活は来年になります。そこでスケートボードからリハビリをヨロヨロと開始しました。ちょうど五輪でスケートボードが盛り上がっていて、いろいろとマーケティング的に考えるところがあり、本日のブログにします。
スケートボードの種類とユーザー層もいろいろある
スケートボードというと五輪のようにストリートで跳んだり跳ねたりを想像する人が多いですが、実は70年代にこのスポーツが盛んになってからいろいろな方向に進化を遂げました。70年代の話はこの映画「ロード・オブ・ドッグタウン」をご覧下さい。わたし、映画館で見ましたよ。
70年代から50年を経て、スケートボードは細分化しました。簡単に説明します。
1 ストリート系
普通の人がイメージするのはこちらですね。人数的には一番多いです。ストリート系といわれるもので五輪もこのタイプ。デッキと一式含めて2万円程度で買えるので(ドンキで数千円でもありますが)若年層にも買えて手軽です。
ウィール(タイヤ)が小さく跳んだり跳ねたりするので騒音が出やすく、日本では付近住民に目の敵にされてきました。スケートボードパークができても大反対が起きたりします。
スケートパーク完成後に近隣住民から苦情殺到…取材して見えてきた騒音以外の問題点「ガラ悪い人がいる」
ストリート系と言われる若者の中にはタトゥが山盛りのいわゆるやんちゃ系が多いのも事実で、五輪の金メダルの堀米雄斗くんを見て「うわっ、イメージと違って真面目そう!!!」と思った人も多いだろう。
しかし五輪を見て「地域振興にスケートボード!」と思った地方自治体のお偉い皆さんは、スケートボードといえばこのイメージしかなく、スケートボードパークを作りたいというとこういう跳んだり跳ねたりの施設しか頭に浮かばない。
しかし経済的見地で言うと、この層は若年層であり、お金を持っていない。わたしの塾生であり、このエントリーで登場した河崎さんはNPO法人日本スケートパーク協会の代表であるが、五輪以降、いろいろな自治体や企業から問い合わせが殺到しているそうだ。
河崎さんがまとめた資料はこちら
日本にはスケートボードパークは公共243、民間175しかなく、これはアメリカの1/15です。人口を合わせると1/5。しかもほとんどがストリート系です。
ちなみに五輪のスケートボード試合会場を残そうという動きがありますが、あの施設は残してもはっきりいってモニュメントとしてはいいですが、一般に開放したらたいへんなことになります。
ここからお借りしました。
つまりフツーレベルの人にはまったく練習にならないどころか、死傷者が続出です。首を折ったり全身骨折は毎日のように起きるでしょ。冬期五輪のハーフパイプしかないスキー場みたいなものです。スケートボード振興としてはほとんど無意味です。あれならもっと初心者〜中級者でもできるパークを作った方がずっとよいです。
2 サーフスケート系
若年層の多いストリート系から進化したサーフスケートというジャンルもあります。こちらはウィールが大きく、デッキも長く、構造も複雑なためストリート系より価格がずっと高く、年齢層も高いです。私がやっているのはこれ。サーファーやスノーホーダーでも30歳以上は大半はこれじゃないかしら。
代表はカーバー
わたしのはヤウ
サスペンションのように動くのでスノーボードやサーフィンの練習ができます。こんな感じで動きます。
もちろんこのタイプでも上級者なら跳んだり跳ねたりもできますが、だいたいはスラロームやターンの練習。スノーボーダーでも跳んだり跳ねたりのグラトリはストリート系ですが、カービングやスノーサーフィンをやる人たちはこちらで練習しているはずです。こちらカービングの神様のラマさん。
スノーボードでもカービングはグラトリと比較して年齢が高い。板も一般用のものより高価だし(フレックスが堅い)、かなり練習をしないとできないからお金を使う顧客層です。
このサーフスケーターは
●ウィールが大きく跳んだり跳ねたりしないので音が静か
●年齢層高めでやんちゃ少なめ
●有料でも空いているほうがよい
※静波にできた人工波のサーフィン場は1回数万かかるのに予約が取れません!!
●お金あります
なので、地域振興的にはこちらのほうがよろしいわけです。
海外にはサーフスケーターに合わせた斜面ゆるいボールとか、こういう楽しげなコースもありますが日本には殆どないです。仮設のは寒川にあります。
前述の河崎さんもコースの提案にはサーフスケート用の面もいれるそうですが、自治体や企業に知識がなく理解できないとお悩みでした。
せっかくのマーケットがあるのにもったいない。
海外では人気のロンスケ
Instagramを見ていると最近多いのがこちら。特に韓国女子に流行っている模様。
滑っているのはAppleWatchのコマーシャルにも出ていたプロサーファーのマリア・ワード。もともとロングボードの練習するために出てきたロンスケですが、最近では女子が優雅に滑るのが流行っていて、広くて平坦な場所が必要です。韓国や米国ではマリーナや海岸線の散歩道でやってますね。こうなるとほとんど音もしません。
あれもこれもよりターゲットを絞り込むほうが成功する
ストリート系は子供から若者
サーフスケート系は30代以上でサーフィンかスノーボードにのめり込んでいる皆さんのオフトレ
ロンスケはいまや女子中心
みたいなことはおわかりいただけたと思いますが、それぞれが楽しめるスケートパークは異なるのです。いまの日本のスケートパークはストリート系に向けたものが大半。正直、ストリート系の子供がいたり、自転車まで交じると板は飛んでくるし突っ込んで来るしでおじさんは怖い怖い。有料でいいし、なんなら数千円払っても良いから空いていて施設的にもいいところでやりたい。
路面もコンクリートではなく、NIKEのやっているTokyo Sport Playground Sportsみたいに合成樹脂にしていただけると怪我をしないで済みます。河崎さんもスケートボードパークを設計するにあたり、こうした素材を探しているのですが日本にはほとんど見当たらないそう。音も静かで転んでも怪我をしない素材をお持ちのメーカーさん、自社の製品が使えるのかもという方はぜひご相談ください。けっこう大きなマーケットになる可能性もありますよ。
そんなわけで五輪で盛り上がったスケートボード。でもお金にならないとスポーツ産業としては盛り上がりません。でもビジネスチャンスはあります。そのためには既存のスケートボードショップ(ストリート系しかない)ではなくて、総合スポーツ店とかサーフショップ、スノーボードショップで集客できるし、プロサーファー、プロスノーボーダーを招いての発表会でSNS経由で集客可能ですよ。
ちなみに公園でやってる人たち、とくに初心者なのにプロテクターはおろかヘルメットも被ってない人が多いのは驚きます。マジで怪我しますよ。
少なくとも子供にはプロテクターは必須です。手首をめちゃくちゃ骨折しますのでこういう専用のプロテクターを付けた方が良いです。わたしの知人で手首を骨折したのが2人います。