2022年は歴史に残る大波の年です。この大津波をなんとか一緒に知恵を絞って乗り切りましょう。
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ウクライナ問題で日本の防衛力強化を語る無意味さ
防衛費をめぐっては、岸田文雄首相が5月の日米首脳会談で、防衛力の抜本的強化のために「防衛費の相当な増額を確保する決意」を表明した。令和4年度の防衛費はGDP(国内総生産)比1%程度の約5兆4000億円。
ウクライナがロシアに侵略されたおかげで、右派が勢いづいているようです。わたくし、個人的な見解では高市さんは頭空っぽで守旧派の老人に寄り寄っているだけと思うのですが、基本的に日本の防衛問題をなんとかしないといけない部分は賛同します。
んが?!!!
金利を上げられずに円安直行便。ヘッジファンドは円国債を空売りして必死に日銀が買い支えている時にさらに国債発行して??
もうね。「金さえ出せば防衛できる」と思ってるのがバカ
こちら防衛省のデータです。
もうね。全然足りてない・・・!!定員割れ
致命的なのは幹部や准尉などの管理職と曹ランクの係長、主任クラスはそこそこいるのに、肝心の平社員の「士」が充足率80%と全く足りない。役職ばかりで実際に手を動かす人間がいない天下り団体とまではいかないが、兵士がいなくて士官ばかりの組織になりつつある。
自衛隊も必死で、もちろん給料は上げているし、女性も採用している。
女性自衛官は8%に達しようとしている。が、これは先進各国と比較して非常に少ない。おそらく夫婦選択性別姓も反対する右派は、女性の戦線投入も反対するのだろう。自己矛盾も甚だしい。
米国では新規入隊の2割が女性だし
10年前の記事だが
女性兵士の戦闘参加、各国の状況
【 オーストラリア 】
アメリカと並び、女性兵士の前線部隊への参加制限を新たに撤廃する国だ。オーストラリア国防相は2011年、特殊部隊、歩兵隊、砲兵隊など、これまで男性限定だった残り7%の軍務について、身体的要件を満たした女性の配属を認める方針を発表した。
【 カナダ 】
カナダは1989年、潜水艦戦を除くすべての戦闘任務を女性兵士に開放した。2000年には潜水艦での任務も許可している。現在、女性の比率はカナダ軍全体で約15%、戦闘部隊(99部隊ある)で2%だ。
【 デンマーク 】
デンマークは1988年から「完全統合」の方針をとっている。これは1985年に、女性が前線で戦う可能性を探るために行われた「戦闘試験」の結果を受けての措置だ。「デンマークの調査により、女性は地上の戦闘任務で男性と同等の働きをすることが証明された」とイギリスMODの研究は述べている。
【 フランス 】
フランス軍は全体の5分の1近くを女性が占め、潜水艦での任務と暴動鎮圧にあたる憲兵隊を除くすべての軍務につくことができる。
【 ドイツ 】
ドイツでは2001年に女性兵士の戦闘部隊への配属を許可して以降、女性の入隊者が大幅に増加した。
と、先進各国はすでに女性を男性と対等に扱ってるのに日本はココでも遅れている。素手で殴り合う総合格闘技でも活躍する女性選手がこんなにいるのに、である。
自衛隊定員割れがこんなに酷い理由は自衛隊も分かっている
ずっと前から毎年出ている防衛白書には危機感がしっかりと書かれている。
募集対象人口が半減した
のである。1990年に採用の上限年齢を27歳未満(白い部分)に引き上げたがそれでも大減少。32歳までを含めても激減。18歳人口は半減どころか半数を割った。これではいくら給料を上げようが定員割れはどんどん酷くなる。
おそらくあと80年後の日本の人口は下位予測を下回る3000万人程度になるだろう。
もう先進国とは呼べないレベルです。
↓これはあと30年後の中位予測(政府に忖度した当たったことの無いお気楽予測)なので、実際はこの2割減と考えて良いが
若年人口はさらにいまの半分になる!!
のである。安倍さんも高市さんもほかの右派のみなさんも、自分たちはその頃になったらいないからいいとか思ってんじゃないの??
こういうと映画の見過ぎの皆さんが「AIガー」「ロボットガー」とか妄想を語るのだが、AIもロボットもそれを使うのは人間で、日本よりよほど中国の方が進んでいる。今後さらに日本は若い世代が激減していくのに誰が開発するというのだ? 気の利いたエンジニアはみんな海外に行くわ。
「仕事と子育てを両立できる環境をさらに整備」とちらっと書いてありますが、「少子化対策をする」とはひと言もない。
つまり自民党は国債という借金で防衛費は倍増させるものの、それを使って戦う国民は要らないらしい・・・・・。高齢者を訓練して戦車や戦闘機に乗せるの、無理でしょ。
どうして歴代政権はここまで少子化対策に無頓着なのか
これは本を書くときに音喜多君や自民の藤末議員、立憲の中谷議員とも話したが非常に不思議なことである。
↑ やりとりはココに
国会議員としての意見であるが、全く興味がない国会議員が大多数で真剣に人口激減を考える人たちはごくわずかという。
1 そもそも人口激減の認識が薄い
頭では分かっているが想像力がなく、どういうことになるか考えたこともない。自分には関係ない
2 票が取れない
本気の少子化対策には莫大な費用がかかる。国費はそうでなくても赤字。どこかを削って少子化対策に充てるとするとまずは医療費の見直しだが、物凄い反発が予想される。下手したら下野することになる。
また、少子化対策は「金を撒く」「箱ものを作る」というような施策と比較してすぐに効果が出ない。有権者にメリットが感じられないから票を失う。こんな「自分だけよければ国が滅びても良い」と考える有権者ばかりとは思いませんが、政治家が支持率を失うことを恐れて触れたがらない。「少子化対策します」というより「年金を1%あげます」と言う方がよほど選挙に強いからだ。
書いているうちにウンザリしてきたが、少子化対策をしっかり挙げている国民民主党の玉木さんには、コロナ対策ではハチャメチャなことを言っているが、高市さんや岸田さんには是非、討論会で「若年人口が激減していてすでに半減、20年後にはさらに半減するのに、防衛費倍増して誰が戦車や戦闘機や軍艦に乗るのか」と質問していただきたい。どう答えるか、それを見てみたいものです。
紙だと1397円だがKindleなら無料。定員割れに本当に危機感を持つ防衛省の気持ちが伝わってきます。ロシアや中国の先端技術が進んでいること。日本はなーーーーんもしてないことも伝わってきます。