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SNSを見ていて日本の医療制度を賞賛する人の多さに驚く
まあ主にお医者さんなわけですが・・・
単にいま、医療を受けている人から見ると、特に高齢者にとっては負担が少ない素晴らしい制度です。どんなに資産があっても国民年金だけで現金収入が少ない高齢者は高額療養制度が適用され、入院、手術し放題で月24600円が上限。このコストは現役が払っています。
このアメリカの軍事予算に匹敵する社会保障コストは、その7割を高齢者が使っています。日本の財政は全体の3割が将来返すからという借金です。
日本政府が売却できる資産は200兆円程度ですのでいまでも債務超過ですが、債務超過でも国民が国を信じている間は破綻しません。中には「日本は対外債務が900兆円もあるお金持ちだから平気だ」という馬鹿もいるのですが、対外債務は個人や企業の資産で、とくに自動車メーカーの8割は海外生産なのでその工場とかなんですが、それを日本の政府の借金返済のために差し押さえるって・・・www どんだけ共産主義国家だ。
で、いまの日本の社会保障はこうなっています。
年143兆円を使い、保険料収入が77.5兆円。これでは53.2兆円足りないので消費税23.4兆円を充て、それでも足りないので36.9兆円を国が出しています。ですので毎年国債残高がこんなに増えているわけです。
これはGDPあたりでは世界最高額です。もう借金まみれ。
このまま永遠に国債を積み上げていけば良いんだガーという馬鹿もいますが、きみより賢いChatGPTの回答です。
日本の債務残高が増え続けることによって、以下のような危険が考えられます:
財政の持続可能性の危機:債務が増加し続けると、政府が借金を返済するための負担が大きくなり、財政が持続不可能になるリスクが高まります。
利子支払いの増加:債務残高が増えると、それに伴って利子支払いも増加します。これにより、他の重要な公共サービスやインフラへの支出が削減される可能性があります。
信用格付けの低下:高い債務残高は国の信用格付けを低下させるリスクがあります。信用格付けが低下すると、国債の利率が上昇し、さらに利子支払いが増える悪循環に陥る可能性があります。
インフレリスクの上昇:中央銀行が政府の債務を買い支えるために貨幣供給を増やしすぎると、インフレが急上昇するリスクがあります。特に、経済がフルキャパシティに近い場合、インフレ圧力が強まります。
通貨の価値の下落:債務残高の増加が通貨の信任を低下させ、円の価値が下落するリスクがあります。これは輸入物価の上昇を引き起こし、経済全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
政策選択肢の制約:高い債務残高は、将来的に政府が経済刺激策や財政政策を柔軟に行うための余地を狭めます。特に経済危機時には、財政政策を通じて経済を支える能力が制約される恐れがあります。これらのリスクを軽減するためには、財政健全化策の実施や経済成長の促進が重要となります。具体的には、効率的な税収の確保、公共支出の見直し、構造改革による生産性向上などが考えられます。
15年後の2040年には恐ろしいことになる
現在でも恐ろしいのですが、たった15年先には恐怖の大王が舞い降ります。
100歳以上の寝たきりの認知症がここまで増えてきます。
2040年には40万人。2000年には1万人いなかったのです。この40万人はほぼ全員が女性で認知症。そして要介護です。平成30年度の生命保険文化センターの調査結果によると、要介護の合計費用が死ぬまでに約500万円と言われていて、1割負担とすると1人5000万円。40万人分で20兆円。しかし高額療養制度で国民年金しか収入がないと毎月の医療費上限が24600円ですからもう考えるのもぞっとする金額になります。
これは公的な推測値ですが、寿命の異様な伸びや寝たきりの爆発的増加まで加味しているとは思えず、単に今の増加率で増えた場合だと思われます。それでも2025年は社会保障で190兆円が必要になります。
現在が143兆円ですから、その差分は50兆円弱・・・・・・。消費税収は10%で年間23.4兆円ですから、いまよりも20%高くしてトントンです。
いまの社会保障のままでは2040年には消費税30%になるわけです
しかしこれでは今と同じだけ赤字が出て年間に35兆円ペースの国債の発行増加は止まらないため、国債の債務残高は2500兆円に脱しています。どういう世界かは↑のChatGPTの分析を参考にしてください。
これ以上国債を発行しないためには消費説率は45%です。いっときますが、馬鹿のひとつ覚えの「法人税あげればいいんだガー」は止めてくださいね。理由は↓にアフォでもわかるように説明しました。
しかしここでさらに恐ろしい事実があります。これから人口が激減していくので国内消費も激減していくのです。
2040年には2024年より10%以上も家計消費が減りますので、消費税率は30%でも税収は27%にしかなりません。よって消費税率は33%になります。
もう生活するの、無理ですよね・・・・・・
ではどうすればいいのか
1 先送りせずいますぐ社会保障制度をやり直す
残念ながら高齢者の医療制度改革に踏み込んでいるのは維新だけで、自民も立憲も共産も高齢者が主な支持層ですから完全に無視しています。よく「お前たちも老人になるんだ」という「おま老」という皆さんがいるんですが、今の若者が高齢者になるどころか15年後には社会保障は破綻しているのがわかりますよね。
社会保障制度の変更で高齢者の医療費はかなり上がります。しかし医療負担が上がっても寿命が変わらないという統計データがあり、要するにいまは無駄な医療や延命が多すぎるのです。高齢者に死ねというのかという人には「国民の消費税を50%にしてまでいまの社会保障制度を続けるのか」とお聞きしたいです。
2 徹底的に移民政策とインバウンドを重視する
インバウンドによる経済効果は今年は7兆円程度です。これをフランス並みの4倍にすると、消費税10%分は稼げます。またしっかりとした移民政策で不法滞在では無くしっかり働いてくれる人たちをいれる。ちなみに日本よりずっと豊かなスイスでは移民比率は30%です。スウォッチもネスレも移民が創業しました。10%の移民がはいってくれば消費税収も10%増えますよね。もう移民が良いとか悪いという次元はとっくに過ぎているのです。韓国も「このままでは国が消滅する」として移民省という官庁まで創りました。
3 富裕層の資産に課税
実は富裕層の大半は高齢者です。
資産はそもそも収入や相続税に課税した残りですからここにさらに課税するのは二重課税です。ですがもうそんなことはいっていられない。
マイナンバーに固定資産や銀行、証券口座を紐付け、旧札は使えなくして新札との交換時にマイナンバーに紐付ける。例えば75歳以上の資産10億以上の富裕層に課税します。この課税を嫌う人たちは贈与税を支払っても下の世代に贈与したり、投資に回したりするので経済も多少は回ります。
しかし今の社会保障の額には到底足りないので、やはり社会保障の抜本的なシステム変更は必須と思われます。
いつやるのか
いまです。いまでももう遅すぎる
先送りにする政治家は悪でしか無いとわたしは思います。