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日本の賃金が上がらないのは生産性が低いから
とまあ、これは当たり前の事です。身も蓋もない言い方をすると、生産性の高い仕事 = 儲かる仕事ですから、賃金が安いのは儲からない仕事をしているから。
では、どうしてかといいますと、
日本の産業が第三次産業、つまりサービス業がメインになってしまったからです。第2次産業の製造業は効率化、機械化、ロボットの導入などがしやすく、日本では徹底的に改良されて効率を上げましたが、民主党政権から安倍政権までずっと続いた円高で輸出しても利益が出ないので海外に工場はほとんど移転しました。少子化で労働者が確保できないということもあります。いまでは自動車は9割が海外生産です。
円は2012年がピークでそれからずっと100円あたりをキープし、円安に転じたのはコロナ明けで世界が好景気につつまれ、日本だけが延々と高齢者の意向で鎖国をしていた時です。そのときには国債残高が1200兆円になり世界で日本だけがゼロ金利で世界は5%以上だったので一気に円が売られていまの円安からのインフレです。
とまあ、いまや製造大手の工場は海外に移転済みで、この円安でインバウンドがどっと来た。インバウンドにむけてのホテル建設やインフラ投資も行われてなんとか2024のGDPはプラス成長でしたが、インバウンドがなかったら0成長またはマイナスでした。by 野村総研
サービス業の中でも伸びたのはなんだ?
サービス業と言っても中には労働効率の良い儲かる業種もあって、外資系コンサル会社みたいなところは利益も出るし賃金も高い。が、いったい時の業種が伸びたのかというと驚くべきことが分かるのです。
過去20年で医療・介護の労働人口は6倍に
製造は4割減、建設は半減
つまりは、利益を生み出しやすい業種から医療・介護にどっと労働力が移転したのが分かります。
看護師の数を見てもめちゃくちゃに増えています。
理学療法士などの高齢者が利用する人たちは
この異様さ・・・・
それでも「足りない」「足りない」という声が上がっている。なぜ足りないのか。高齢者数が爆増しているからだ。
くわえて
高齢者が病院に行きすぎているからだ
という身も蓋もない事実がある。
整形外科には平日も長蛇の高齢者待ち。肩が凝る、腰がいたいといってはリハビリと称して理学療法士に腰を揉んでもらい400円を払う。しかし1割負担だから実際には現役が払う税金と社会保険料で3600円を負担している。マッサージに行く代わりに理学療法士でお得感満載だが、そのために日本の労働力の構造がいびつになっているのだ。
医療・介護はコストセンター、利益も出ない
看護師や理学療法士の賃金が上がらないという声があるが、ある意味当たり前だ。
日本の支出はすでにほとんど社会保障と国債の返済。国債もほとんど社会保障に使いました。
医療従事者の賃金の殆どは社会保険料含む税金である。税収は何倍にもならないのに労働者が6倍になっているわけで、健康保険の個人負担も上がらないなら1人あたりの賃金が大きく上がるわけはないのである。そのための税収は使い切って毎年物凄い赤字です。
いくら税収が増えようが支出はそれより遥か上を行くのです。
こういうことをいうと必ず「医療・介護にお金が回れば経済が回る」と主張する人がいますが、そく原資は税金なのです。医療従事者の賃金のほとんどが税金だとすると準公務員みたいなもので、これってまるで破綻したギリシャみたいなもんでしょう。
一番重要なのは・・・道路やインフラ整備の建設業なら投資です。企業ならブロフィットセンターです。1964の東京オリンピックの時に1兆円近くの費用を投じて作られた東名高速道路はその後何十年も稼働し、莫大な利益を生んだ。これは生き金(カネ)です。
工場を建設すればその工場は建設費用の何十倍もの利益を生み出す。
しかし
介護は単に消費するだけでなにも生み出さない
わけですから、ここに国の支出の大半を投じては、経済なんて回るわけがない。年金とて同じで10万円の年金を渡して生活費になったとて、100万円分の利益は生み出さない。しかし高等教育なら、その教育を受けた人間が将来莫大な利益を生み出す可能性があるわけです。つまり日本の経済が伸びないのは、投資に回すお金を単なる消費に回しているということです。
ちょっと待って、高齢者が悪いとかそう言う話をしてるんじゃありません。
どうするべきなのか
日本の高齢者率はもはや異様です。
100歳以上の人口は爆発的に増えていて、ほとんど女性の認知症で要介護です。
令和4年段階で
要介護(要支援)認定者数は691.4万人で、男性が219.5万人、女性が472.0万人
人口の17人に1人が要介護!!!!
そしてこの増加ペースはヤバいから、他の業種で働く人がいないなる勢いです。ここに至っては日本人の死生観を変えるときが来ていると思うのです。
日本人は1日でも長く生かせることが親孝行と勘違いしてる人が多い。が、先進国では寝たきりのままで延々と生かすのは虐待なのです。
スウェーデンには寝たきりがいないと言われているが理由は簡単
という方針だからです。日本もここに至っては、同様にするしかない。自分で食事がとれなくなったらそれは寿命と考えるというのがスウェーデン。胃瘻も点滴もしない。
そして少子化対策に成功した国などいないとしたり顔で言う人がいるが、日本とスウェーデンの人口予測を比較して見ましょうか
どちらが社会としてまともなのか、もう判断する時が来ているし、それをするのが政治家の役割だと思うんですよ。
医療や介護に取られている労働人口が生産効率の高い業種に戻ることで日本経済は少しは息を吹き返すことでしょう。