ネットで広告しようと考えるとき、昔からある、いまやなかなか押してもらえないバナー広告、GoogleのアドワーズのようなPPC広告(クリック課金)、のほかにアフィリエイト広告というのがあるわけです。成功報酬でお金が支払うタイプで、情報商材で荒稼ぎしたいと考える馬鹿アフィリエーターはじめ、わたしもこのブログにアドセンスや楽天などのアフィリエイト広告を貼っております。
「売れた分だけ払う」「売れなければ払わないでいい」ということなので、出稿側にはリスクが少ないと思われがちなのですが、実はけっこう落とし穴もあるという話です。
まず、アフィリエイトは、基本的に「ステマ」になる可能性が高いということ。わたしはブログにアフィリエイトをリンクするときは、「買ったものは買った」と書くようにしてますし、「欲しいだけの場合は欲しい」と書きます。これがプライドというものです。しかし「買ってないのに買った」と書けるのも事実。仮に「この本読んだけどめっちゃ面白かった」と書けば数人は買ってくれると思いますが、これは完全なステマだから絶対やらない。
実は物販のアフィリエイトってたいして売れないし、儲からない。面倒だから一個ずつ貼らずにAmazonや楽天のウィジェットにしている人が多いから問題も小さい。いくら誉められても買うか買わないかは商品を見比べてからにできる。物販のアフィリエイト貼ってるブロガーはアフィリエイトで食おうとは思ってないはずだ。
しかし、「金さえ儲かればなにをしていい」と考えるアフィリエーターの代表がこのあたりなわけですが、彼らは違法性があろうが、弱者を騙そうが関係無い。こういう人たちが狙うのが「成功報酬が高い」商材です。Kindle本一冊売って4円稼ぐようなことはしないのです。企業が顧客をアフィリエイト広告で集めようとするとき、ココに気をつけないとエライ目に遭う典型が「いつかはゆかし」でしょう。
「いつかはゆかし」で検索すると、以前はこんな感じのブログが死ぬほど出てきました。いまはだいぶん整理されたようです。パターンはどれも似ていて
1 いつかはゆかしは怪しい
2 で、検証してみた
3 結果、素晴らしいものだった
こればっか。実はわたし、恥ずかしいことにこれがいつかはゆかしのステマ広告だと思っておりました。少なくとも認可事業である金融企業がステマ広告やるのはおかしいだろ、ということで「信用できない会社」と思っていましたが、よくよく専門家に聞くとそうではないようでした。言われて見ると情報商材のアフィリエイトにもよくある方式だ。「この情報商材はインチキだと思っていた。実際使ってみたらウンタラカンタラ」というアレです。
こういうブログのいつかはゆかしへのリンクを見ますと「http://itsukaha-yucasee.jp/?oa=×××××××」みたいなURLが現れます。この最後がアフィリエーターの登録IDです。
いつかはゆかしは自社でアフィリエイトシステムを持ってると思われ(借りてるのかも・・システム的にはたいしたことはなく私が10年前に開発したECのASPにもつけてました)、おそらくこの成功報酬はめちゃくちゃに高いんだと思われます。
アフィリエーターはいかに自分のところにユーザーを連れてくるかが肝ですから、とにかく検索されるようにタイトルで書く。ポジティブよりネガティブのほうが人を呼べるから、「いつかはゆかし 詐欺」「いつかはゆかし 評判」みたいな内容でヒットされるように書く。人さえ来たらあとは関係無い。いつかはゆかしへ流入させて成約させたら報酬がもらえる。
ですが、アブラハムの場合は、
アフィリエイトプログラムはありますか?
はい、ございます。ぜひ、アブラハム・プライベートバンク株式会社が提供する各種サービスのご紹介をお願いします。
なお、現在、アブラハム・プライベートバンクの会員にのみアフィリエイト資格をご提供しており、第三者のアフィリエイトは募集しておりません。アフィリエイトをご希望の方は、まずは当社の各サービスにご入会ください。
と記載がありまして、いつかはゆかしの客しかアフィリエイトに参加できない。ということは、ステマ広告にしか見えない大量のブログはすべてステマでは無いということになります。しかし「新規顧客を勧誘するほうが実際に商品を販売するより高利益になる」というのがマルチ商法かどうかの判断基準でありますから、ややマルチ臭い匂いもやんわり漂ってきます。「うちのアフィリエイトで稼ぎたければ毎月5万積み立てろよ」ということですな。ある意味、翼チック。。。
けっこう頭よさげに見えますが、実際にはどうでしょう。いつかはゆかしのイメージは上がったでしょうか。逆ですよね。5万円払ったんだから好き放題やって稼ぎまくるぜよ !!と、ステマっぽくみえるブログが何百も溢れてしまって怪しさが増幅。自社の信用を大きく損ないました。おなかいっぱいです。
金儲けだけのアフィリエーターは医師法も薬事法も関係無し。とにかく儲かるためにはなんでもやりますから、こんな怪しいのも平気で作ります。
こんなの見て、脳みそがまともな量ある人なら、誰も問い合わせしようとは思わないでしょう。Amazonみたいなウィジェット形式ならまだしも、直リンクで成約報酬の場合、こうしたブランドイメージ崩壊の危険性もあると理解しないとダメです。
特に報酬額を大きくすると、ネガティブキャンペーンまたは褒め殺しに近い形になることもあり得るわけですよ。
全然関係無いけど、純金積み立てコツコツで思い出して田中貴金属でいろいろ検索したらこんなんでてきました。腐れアフィリエーターですね。この文章は脳みそが腐ってるわけではありません。田中貴金属で上に出すためにイミフになってもいいからとにかく「田中貴金属」という名前を入れまくってる。
これ、おそらくはアフィリエイトで田中貴金属を狙うために作成されたと思われるのですが、田中貴金属側からブロックされたと見えてアドセンス貼ってるのではないかと推測。または最初からアドセンスだったが、田中貴金属からブロックされたとか、そのへんかな。詳細不明。
しかしこれでは田中貴金属のブランドイメージはめちゃくちゃですわ。直接リンクじゃなくて良かった。リンクならGoogleにペナルティ食うくらいの文章の内容です。
金の亡者はなにしでかすかわからない
ということを肝に銘じた上で、ネットの広告展開を考えたほうがいいかもしれませんよ。
秒速で一億は無いが、このくらいなら現実感あるといううまいタイトル。しかし月間1万円でも物販のアフィリエイトで稼ぐとなるとかなり大変です