東京の電車に乗ると、乗客のいじってるほぼ90%がスマホである。この間、ガラケーを一所懸命いじってるおばさんがいて、覗くと美少年恋愛ゲームなんかやっていて周囲の気温が30度位下った気がしたが、それはともかくガラケーを見る方が珍しい。ガラケーとスマホの2台持ちの人も、ガラケーは通話用だから電車の中ではスマホをいじってるわけね。
しかし、この間のリリースにはすこし驚いた
日経BPコンサルティング調べ
「携帯電話・スマートフォン“個人利用”実態調査2013」より
スマートフォンの国内普及率は28.2%
“携帯・スマホ流通マネー”は4兆円を突破!
え・・・ええー!!!
いままでも調査データはいろいろあったが、だいたい日本のスマホ所有率は40%切るくらいだと言うのが多い。この調査、どのようにやったかというと、調査方法が書いてないけどとりあえずちゃんとした偏差修正もされている。
今回は135項目に対して全国の男女4400人から回答を得た(調査期間は2013年7月8日~16日)。
中略
携帯電話とスマートフォンの所有状況を尋ねたところ、「従来型の携帯電話(フィーチャーフォン)を1台だけ所有」している人は58.9%(前回調査71.6%)、「スマートフォンを1台だけ所有」している人は33.7%(同21.1%)と、スマーフォンが増えた分だけ携帯電話は減少した。
一方、携帯電話やスマートフォンを2台持っている回答者は7.1%で、その比率は前回調査と変わらなかった。こうした2台持ちユーザーに着目すると、その80.2%(同70.9%)、全回答者の5.7%(同5.0%)がスマートフォンを利用しているという結果だった。
従って、少なくとも1台はスマートフォンを利用していると回答した人の比率(利用率)は、全回答者の39.4%となり、前回調査の26.2%から13.2ポイント伸びた。特に30歳代以下でのスマートフォンの利用率は急激に高くなっており、男性の15~19歳と女性の15~24歳のスマートフォン利用率は60%を超えた。
この調査では、性別と年代別の組み合わせで均等サンプリングしているため、総務省の人口統計を使って国内の人口構成に合うように補正してスマートフォンの普及率を算出した。その結果、国内のスマートフォンの普及率(総人口比)は28.2%と推定できた。前回調査(2012年6月実施)では18.0%だったので、約1年間で10%ほど伸びたことになる。
スマホを利用している人は39.4%なのでこれは他社のデータと一致しているのだが、人口統計で補正すると28.2%まで下がるという。この手法は正しい。なんとまだ日本国民の4人に1人程度しかスマホを持っていないわけだ。
日本の人口は1億27,000万人だから、総務省の統計では10歳未満は7.7%、80歳以上は6.7%で、この層はそもそも携帯電話自体も持ってない比率が高いわけですが、それでもびっくりなのが生データではガラケーのみ持ってますという人が58.9%と、まだ圧倒的大多数を占めること。
実際、iPhone売り出し前のdocomoのオンラインショップのランキングでは・・
なんといまだ2位、3位がガラケーであった!!
こういう話を書くと「日本メーカーはガラケーをもっと開発して出すべき」みたいな話をする方もけっこういるのだが、グローバルに展開できるスマホと違ってガラケーはOSの開発からしないとならず、開発単価が非常に高い。1台の新機種の最低ロットは数万台でやっとトントンと言われているが、いまのガラケーユーザーには「スマホが使えない、使いづらい」という機能重視のユーザーのほかに、「買い換えた場合の月々のコスト増に耐えられない」という層も多くいるわけで、こうした方々はハゲチョロケの古いガラケーを使い続けている。ガラケーの新機種に開発費を投じて発売しても何十万台単位では売れる見込みが無いからメーカーも作らない。だいたいメーカーのガラケー開発技術者もいなくなってます。docomoのランキングの3位のパナソニックも昨日、スマホから撤退。ガラケーのみ細々と製造・販売になりました。リリースには「開発」という文字はありませんでした。NECもスマホから撤退というニュース。
さて、こうした「いまだガラケー」の方々は、今後どうされるのであろうか。いまのままだとそのうちガラケーも製造がされなくなり、買いたくても買えない人たちがたくさん出てくる。imodeやezwebなどのサービスもペイしないため終了になり、キャリアメールも廃れていく。最終的には世界各国のようにスマホ層と普通の携帯の層に二分化していくんだろう。普通の携帯っていうのはこんな感じで、通話とSMSのみのやつ。
これはGSMだから世界では使えても日本では使えない。これを3G版にして通話とSMSだけにしたらそこそこ乗り換えあると思うんだけどなぁ〜
それはさておき前置きが長くなったが、何が言いたいのかというと日本のITリテラシー、つまり情報収集力は明確に二極化へ突き進んでいるということだ。10〜15年前までは個人用のパソコンを所有したりインターネットに接続している人はごく一部で、大半がテレビや新聞から情報を得ていた。国民の情報収集力はほぼ等しかったわけ(といっても新聞さえ読まない人もたくさんいたけど)。ちなみにまだガラケーのみが60%近くというと「ガラケーサイトはまだ必要ですよね」という人もいるが、ガラケーサイトのアクセスは現実的に知る限りでは激減している。要するに残ったガラケーユーザーは情報収集にはガラケーを使わない層なのではないか。というか情報収集に興味が無いというか・・。
しかし今はというと、テレビや新聞は顧客数が減って採算が合わなくなり、新聞は部数を減らしてなんとかデジカル化で生き残りを図り、テレビ局は広告収入では食えなくなってイベントで食うようになった。儲からない放送用の番組制作費用は削り、自社のイベントや映画に集客するツールとして使っている。
テレビでいくら新型iPhoneの報道がされても、「買った〜」という人は大半が旧型からの買い換えやAndroidからの乗り換えなんじゃないだろうか。ここの統計がないのだが、ネットで見る限りこういう人が大多数に感じる。もっともいままでガラケー一本でPCもなかった的な人がiPhoneに買い換えても、ソーシャルもブログもやってないから投稿のしようがないんだが・・・どうなんですか、これは。
はっと気づくと、「これからはサイトはスマホ対応が必須だ」みたいなことを書いてる自分ですが、実際には国民の1/4のみを相手にするビジネスなわけで、さらに東京のスマホの普及率を見ると、地方の田舎ではスマホユーザーなんてほとんどいないという推測も成り立ちます。つまり相手にしているのは首都圏の人たちだけ・・。
リテラシーが高い人と低い人の乖離
地方と東京との乖離
お金持ちとそうで無い人の乖離
がますます進んでいるように感じ、インターネットって情報格差をなくして、貧富の差もなくしていくものと言われていたのに、真逆なことに気づいた今朝でした。福祉の常識では「貧困は世代を超えて引き継がれる」というのがある。貧乏な家の子は教育が受けられないし、教育についての親の意識も低いから低学歴になり、また貧乏になってしまうということです。もちろん貧乏でも苦学して出世する人もいるのだが、確率的には低いでしょう。ITリテラシーも同様で、親がネットに興味も無いのに子供がネットに詳しくなるわけもなく、同様の現象が見られるようになっていくように思います。