テレビで面白い実験を見た。バナエイエビで料理を2つ作って、片方は芝エビ、片方はバナエイエビとして道行く人に食べてもらうのだ。たいていの人は「やっぱり芝エビのほうがぷりぷりして美味しいわぁ」とか「食べたらはっきり違いがわかりますね」とか言うのである。ああいう取材には捕まりたくないものだがつまりは人間って先入観で味覚が左右されるのです。サイゼリヤの料理を金ぴか芸能人に食べさせて、それが高いイタリアンか当てさせる番組もあったと聞いたがみんなサイゼリヤのを「これは本物だわ」といっていたらしい。いや、サイゼリヤのも本物なんですけどね。
中でも中華とイタリアンは誤魔化しがきくとされている。味が濃くて油を多く使うので冷凍の食材でも使えるからだ。和食とフレンチが一番誤魔化せないらしい。バブル崩壊ではフレンチが真っ先に潰れて一斉にイタリアンに業態替えをした話は有名です。和食の場合はそうはいかない。刺身とか塩焼きなら自分だっていい食材とそうでないものはわかります。写真はいい食材例。伊豆の下田。なんとこれで2000円くらいなのだ。話飛びすぎ。
で、最近。テレビを付けるとどこのチャンネルでもホテルとかレストランの経営陣が頭を下げっぱなしである。おっさんが薄くなった頭を下げてお詫びするのは楽しいものでは無いので見飽きた。しかしなんでこんな偽装表示をするのかと言えば
客がメニューテキストで洗脳されて美味しく感じるから
である。つまり偽装メニューは精神的調味料なのである。女性にたとえるなら化粧である。本当に食った瞬間に誰でも差がわかるほど美味いものなら、「霧島産ポークと鹿児島産車エビの上海風豆板醤炒め、朝取り霧ヶ峰高原キャベツを添えた神戸牛手ごねハンバーグ添え」(適当に書いた)なんていう長たらしい名前を付けなくてもいいわけ。しかし高い料金とってもそれだけの差がなかなか出ないから、いろいろウンチクを足して洗脳にかかっているんだと思う。バーミャンが潔く「チキンのチリソース(ブラジル産)」とメニューに大書きしているのに、高級ホテルが同じ材料に「地鶏」と偽装表示しないといけないのは、要は味の差が価格のさほど出せないからなんじゃないか。スッピンでは勝負できないから化粧で誤魔化す。スッピンで勝負できないときは脂肪注入で霜降りです。全く話とは関係無いが・・
シェフの気まぐれなんとかっていうメニューだけはやめたほうがいい
気まぐれで仕事するな、お前何様?っていつも思う・・・(-_-)
ちなみに魚には異様に詳しい私がこの際、いいますが・・・
◎カジキマグロ そんな魚はいない。たいていはメカジキというカジキ。カジキだと美味しそうに思われないから勝手にマグロって付けてる。深海カジキでプカーと浮いてるときに電気銛で突いてます。英語でソードフィッシュ。角がめちゃでかくて鋭くてボートにブッ刺さると沈没するくらい。一般にカジキ類は生では小型のマカジキを除いてあまり美味しくない。ハワイだとでかいカジキ釣ると漁港で1本たったの5ドルで引き取ってくれます。カジキはマグロとは縁もゆかりも無い種類です。
◎銀ムツ 本名はマジェランアイナメ、現地ではメルルーサ・ネグラ(黒メルルーサ) 南米の深海魚です。銀ムツという表示はいまは禁止されて通称は「メロ」のはずなのにまだよく見かける。こういう人らしい
◎白ハマグリ
東京湾で大発生している外来のホンビノスガイでハマグリじゃ無い。千葉だとめちゃ安く売っていて一個100円しないくらい。
で、偽装は食材だけかと思ったら、ヤマダ電機のこういう宣伝
ヤマダ電機の中華パットのEveryPadとiPadとかKindle HDとかKoboを比較しているのだが、EveryPadしか文字入力できないらしい。まあKoboはブックリーダーでタブレットじゃないから関係無い種族だし、電話機能ったってSkypeがプリインストールってあれは電話じゃ無くてIP電話だし、Androidも音声検索はいまはできるんじゃないか? ということでこれも立派な偽装というか不当表示といえるのではないかと思う次第です。使った瞬間に「これはいい」と違いがわかるならこういうことはしなくてもバカ売れってことですか。そうですね。