この間、こういうエントリー書きました。
このとき書き忘れていたのが、2年後の筐体の残存価値であります。車を買うときだってファミリーセダンなんて買おうものなら買った瞬間に買い取り価格は半額以下のボロボロだが、ハイブリッドやミニバンは価格がなかなか落ちない。よって3年後を考えるとみんなHVやミニバンになってしまうわけ。実はiPhoneとかiPadも同様で、キャリアで買うと筐体代の多くを負担してくれるものの、あとあとの流通価格がめちゃくちゃ変わってしまう。
iPhone4でいうとヤフオクでの落札価格はSIMフリーで50000円前後、Amazonだとなんと70000円近いという謎。しかしSIMロックされているとせいぜい数千円にしかならない。当たり前だ、SIMロックされてるタイプならSoftBankでiPhone5c 16GBでMNPで新規なら実質0円。機種変だって135円×24ヶ月で3240円なのにわざわざSIMロックされた旧型機を買う必要はあまりないわけ。
ということは、SIMフリー版を買うと2年後の残存価値が大きく変わるので、トータルではめちゃくちゃお得なのである。一括で買うだけの財力と多少の面倒くささをいとわないのであれば、2年間の合計支払い額はSIMフリー版のほうが圧倒的に安くなるわけです。
で、本日はdocomoの二次売りのSIM、いわゆるMVNO(Mobile Virtual Network Operator)の2社を自前で比較したので参考にしてください。このほかにはいままでB-MobileとSo-netのMVMOを使ったことがあるが、LTEのナノSIMで自前比較したのはOCNモバイルONEとIIJmioです。
OCNモバイルONE | IIJmio | |
月間費用 | 1580/月 | 1596円/月 |
容量追加オプション | 525円/0.5GB | 315円/100MB |
初期費用 | 2770円 SIM込み |
3150円 SIM込み |
最大速度 | 下り112.5Mbps | 下り150Mbps |
容量 | 2GB/月 | 2GB/月 |
速度規制発動 | 3日間で366MB | なし クーポンオフ時は 3日間で120MB |
比較したのはこの2つのサービス。自分のiPad miniのモバイルの月間のパケット使用量はだいたい1.5GBなのでこれで十分。内容的にはほぼ同じだが、使い切ったら追加で容量も買えるが、OCNのほうが追加分は安いですね。
APN設定は共通のIIJmioのほうが楽ちん
さて、MVNOはSIMカードを差し込んだだけではつながらない。設定 → モバイルデータ通信 → APN設定で入力しないとならない。正規のプロバイダのSIMを使う場合、iOSにはApple製品を販売しているプロバイダのAPNをもっているのでなにもしなくてもつながる事が大半だが、MVNOはダメなのです。まずOCNはSIMが届いたらOCNのサイトで登録すると恐ろしく長いOCNのメールアドレスを発行してくれる。これが認証IDとなる。パスワードも独自のものです。入力するのは
こういう画面です。しかしここからが面倒くさい・・・
この画像はOCNモバイルONEから持ってきたものだが、ユーザー名には@以下のone.ocn.ne.jpがないのだが、電話サポートによるとこれでつながる場合もあるし、@以下を全入力しないとダメな場合があるそうで、自分の場合は全部いれないとダメでした。で、APNも2種類あった
3G回線用 3g-d-2.ocn.ne.jp
LTE用 ite-d.ocn.ne.jp
OCNモバイルONEのサイトの説明には3Gしかなく、LTE端末であるiPad miniにもこの設定でとあるが、当然ながらLTEは3Gの設定では受信できない。で、LTEの設定にしたら自宅ではLTEで接続できました。しかしIDがめっちゃ長いのでタブレットのキーボードで間違いなく入れるのはけっこう大変です。しかもテザリングもするわけだから三段とも入力ですよ。
これに対してIIJmioは非常に簡単
別にメルアドをくれるわけではないので全員共通。
ユーザ名 mio@iij
パスワード iij
APN iijmio.jp
これは海外のSIMでも同じで、APNがAPNであとは全部空欄でいいなんていうのも普通です。
3GもLTEも同じAPNでOKです。
OCNは地域と状況で自動で3GとLTEが切り替わらない?!
しかしそもそもどうしてこの2社のSIMを比較している自分がいるのかといいますと、当初OCNで使っていてこんな状況に出くわしたからなのでした。
首都圏ではほとんどLTEがつながりますが、東京の地下鉄や電車では3Gのみになる事が多い。OCNモバイルONEではLTEのAPN設定にしていてLTEから3Gに自動で切り替わらないことが多々ありました。このときはAPNを3G用に変更するとつながりますが、これがめんどい。だって長いんだもん、OCNのAPN。しかもiOSってここの入れ替えの時に変な挙動で書き換えても全部書き換わらない部分があったりする。
ちなみにこれは場所に依存するようで、神奈川の逗子あたりでは自動で切り替えを確認しました。電話のサポートで詳しい人に変わってもらってもそのあたりがどうもよくわからない。「間違いなく使われるのでしたら3G設定で」といわれてもなぁです。
で、IIJのエンジニアをTwitterで発見して直撃アタック
@Isseki3 はい、LTEの電波がある場所ではLTEに、3Gの電波しかない場所では3Gに自動的に切り替わります。iPad miniの場合「LTE用のAPN」を設定する箇所が別れていますが、IIJmioの場合は3Gと同じAPNを設定して頂ければ大丈夫です。
— どうまえ@IIJ (@IIJ_doumae) 2013, 12月 12
IIJは自動で切り替わるということを確認して追加で購入したわけです。
まあ、APNが1つなので切り替わらないわけが無いのですが、こちらはちゃんと切り替わることを確認しました。
なお、TwitterにおいてはOCNモバイルONEの中の方も頑張っていろいろ調べて回答してくれました。
肝心の速度はどうでしょう
さてMVNOは「遅い」とよく言われます。980円の格安SIMなら遅くて当たり前ですが、実際にはどうなのか
まずはSoftBankのLTE
そしてOCNモバイルONE
続いてIIJmio
MVNOはアップロードが遅いのですが、ブラウジングなどのダウンロードスピードはキャリアとほとんど変わらないです。使ってて別に不便無いです。
で、総括ですが・・・あくまで現況なのでOCNモバイルONEも技術の改善が行われると思うので、切り替えが自動になる日も来るとは思いますが、都内や地下鉄で使うならIIJmioのほうがいいかもです。しかし追加のデータ分がOCNより高い。1GBは1024MBだから追加分が約3倍もする。速度制限はクーポンオフの時はIIJはない。なのでまあ各自の用途に合わせてどうぞとお茶を濁して終了にさせて頂きますわ。