(追記有り)バカッター、食材偽装と来て最後はシマムラのパクリ炎上。スマホ時代の危機管理がヤバイ

2013年12月25日

12/27 追記 シマムラさん、謝罪の上、すべて回収するそうです。対応早かったですな
http://ameblo.jp/chameleon-fruits/entry-11737297134.html

okuribi_fire
photo/中居中也 京都 五山送り火「大文字、炎の現場」より

今年もあと1週間ではございますが、いろいろな事がございました。ネット系で言いますとバカッターが世間を騒がせてつるし上げられ、食材偽装が盛り上がり、最後にシマムラのパクリ開き直りが来ました。

【株式会社しまむらより】メールが来ました。

要は、作家さんのキャラクターを丸パクリした商材がシマムラで販売され、それに抗議した返事が

ご指摘のプリントの件ですが、ご質問があります。木須様より「過去」の発表とありますが、いつ発表され、販売開始(販売店名、販売数量)されたのはいつでしょうか?またこのデザインは意匠権を所有されているのでしょうか?
以上、ご連絡下さい。

株式会社しまむら
総務部 秋月 貞夫

というなめきったものだったため(ちゅーか、自分に「ご質問」はどうよ)、TwitterやFacebookをはじめとするソーシャル界隈や、果てはGunosyまで配信されておりました。こんなこと相手のブログに書いてあるんだから確認する必要も無い。要は「意匠権無いだろう」と言ってるだけだ。今日あたりシマムラでは臨時役員会議が開かれ、総務の秋月さんはつるし上げられるに違いない。ちなみに秋月さんはFacebookにもTwitterにも出てこない。ソーシャルは苦手だと思うんですが、それが原因で初動を完全に誤ってしまったのではないか。もし「炎上の恐ろしさ」について少しでも想像力があったらこんな上目線の返事は出さないはず。

服飾の世界は移り変わりが激しく、高級ブランドでもないのに意匠権を取得する場合はほとんどない。この返事だと「意匠権を取得してないならパクってもいいでしょう」に見えてしまう。普通は「大変申し訳ありません。調査しますので詳しく状況をお教え願えますか」だと思う。

検索するとこのパクリの「LAANI+T」っていうブランドはシマムラ系列のバースディというショップでしか販売されていないようだ。これってシマムラのオリジナルブランドなの?そうでないとすると丸買いされたブランドでしょうか?

今後を予言しておくと

1 ワイドショーも押っ取り刀で取り上げる
2 ほかの作家さんも店頭に行く
3 自分のもパクられていると気づいて騒ぎ出す
4 他の衣料品業界に飛び火

という黄金リレーがスタートするかも。飲食で材料の偽装が普通だったのは常識だが、服飾品業界も普通にパクリが蔓延していたのは事実。ドルチェ&ガッバーナのD&Gが日本から撤退したのも「発表するとすぐに丸パクリされて109あたりで売られる」という事が理由だった。

「D&G」日本撤退の波紋 朝日新聞

アウトレットに出店している日本でも有名な某ブランドは昔からパクリ専門でデザイナーはほとんどいないっていうことを中の人から聞いたこともある。服飾の世界ではデザインの模倣は別に当たり前で、それを言ったらUNIQLOのジーンズはリーバイス(1870年に最初に作った)のパクリだし、ダウンジャケットはエディバウワー(1936年にアメリカで特許取得)のパクリだ。服飾に限らずクルマだってトヨタやBMWの丸パクリのデザインのを中国で作っているが、デザインは非常に権利を主張しにくい。

しかし今回のはデザインでは無くてキャラクターで、しかも丸パクリ。これは著作権の侵害です。仮に仕入れて売っているだけだとしても販売責任はあるし判例もたくさんあります。総務がそれを知らないとすると他にも続々と出てくる可能性があります。

どうしてこんなに素早く炎上するのか


今までも炎上事件はあった。しかしいままではネットだけで留まり、テレビや新聞が追いついてこない事例も多かったが、ここ数年はバカッターをはじめ、広がり方が半端ない。これはソーシャルの浸透とスマホの普及にあるのは間違いない。パクリ疑惑も画像検索すればすぐにオリジナルと照合できます。アンパンマンやスパイダーマンをパクるんなら世間の人も仕方ないと思うんだろうが、個人の作家さんはまずいでしょ。

バカッター事件はスマホとTwitterの急激な普及で、自分が外の世界とどうつながっているのか理解できない皆さんが起こしてしまったものだ。Twitterで晒されて「俺のを勝手にリツイートするな」とわめいたヤンキーがいたが、それはTwitterという特性上無理でしょう。だったら止めるかせいぜいLINEのグループ内でやるしかない。食材偽装事件についても「飲食業界で働いていた中の人たち」がソーシャルで実態をけっこう発言していてさらに広まったと見えた。

シマムラについては店頭に立つおばさん、おねーさんたちのモラルは結構高く、きちんと管理されている感はあるが、企業として見た場合、ソーシャルやスマホ時代に対応しているとは言いがたい。今後、少なくとも上場企業レベルの管理業務にあたるなら、「ソーシャル知りません」「ガラケーしかありません」「パソコン使えません」という人たちはもうダメだと思う。電話とFAXが使えない人間が営業ができるわけがないが、それと同じ時代になってるのだ。

ソーシャル全盛。しかもスマホですぐにそれが共有される。この環境では企業の対応はおのずと数年前とは違ったものにならざるを得ない。これに乗り遅れるとヤバイですよ。実際。

(追記)シマムラから追伸が来たそうです

木須様

当社としては、法律上の不備があれば当然ながら商品の販売は、即刻中止します。また商品(プリント)は、当社による企画商品でなく仕入による商品です。従って仕入先の責任者及びデザイナーに企画の背景を確認中です。

株式会社しまむら

でもやっぱり、「申し訳ありません」のひと言も無いのがちょっとね・・・販売責任についても言及無し

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