楽天が出資し、去年日本語対応したのにイマイチというより全然来ない画像共有SNSのPinterestを隊長がちくちくやってました。
かつてSecond Lifeをイチオシした電通が、今度はPinterestと提携
わたくしの個人的意見ではございますが、電通さんといいますか、広告代理店全般に言えることではあるんですが、ネットから一番遠い業種だと思うんですよ。所詮、ネットなんてまだまだ小さいパイ。世界の電通さんのエース格は東京オリンピックとかやっていて、ネット担当は亜流だと思うんです。だってネットでは1人で年間数十億、数百億も売り上げられないじゃん。
会員数が5000万人とかしかいないのに、Pinterestの価値はTwitterを上回る5000億円とも言われています。簡単に言うとPinterestの顧客層は35〜45歳のWASP(ホワイトアングロサクソンプロテスタント)の女性で、お金があり、学歴レベルも高い。リンクされるファッションECでは、Facebookから来たユーザーが85ドルしか使ってないのにPinterestから訪れたユーザーは180ドルも使うらしい。2012年の記事なんでネタが古くてすみませんが、どうもPinterestの客は、写真見て「いいわ〜、これ」と思うと速攻でその場で衝動買いするんだそうです。つまりpinterestの価値は「ユーザー層の価値」でもあるわけです。
しかし、わたくしめ、1年前のエントリーでこう予言していました。
Pinterestは日本ではダメなのではないかと思われるアレコレ
アメリカでは調子いいのに日本では大苦戦という噂は各方面で漏れ聞いておりました。予言が当たったわけで、MOZUが転けるだろうというのとともに、的中させていただきました。MOZUはついに10%切りましたね。だって意味わかんないんだもん、ストーリーが。
日本でどうしてPinterestが来ないか、そして電通さんの行動予測
さて、後出しジャンケンのようで恐縮ですが、これからもこのままでは来ないだろうという予測の理由をこの際はっきりさせたいと思うわけです。
まず、Pinterestのユーザー層を勝手に推測します。人気の投稿者や投稿をチェックすると・・
1 オシャレに敏感な35〜45歳の白人女性
2 お金がある
3 おそらく自分で職を持ち、リテラシーやや高め
4 人が持っていない個性的なものが欲しくて買う
5 忙しくて買い物なんてしていられないのでPinterestで反射買い
という感じではないかと・・。ぱっと浮かんだのはYahoo!アメリカのCEOのメイヤーさん
では日本はどうなのかというと・・・この層は薬にしたくてもほとんどいない感じ。港区坂とか渋谷区に少し生息してるかな。オシャレに興味があると大声で叫ぶ女性経営者の代表がアパホテルの社長だもん。
アメリカと比較しますと、35〜45歳の女性の就業率自体がずいぶん低い。これはたぶん政治が悪い。いまどき男女別姓で家庭崩壊するとかいう政治家がいっぱいいるくらいだ。「女性は家で育児」とかいう政治家が当選するんだから。
いろいろデータはありますけどこの記事がわかりやすかった。
女性の就業率加盟国中24位 男性は2位なのに・・・要因は?=OECD雇用アウトルック
経済協力開発機構(OECD)は16日、加盟国の雇用情勢を分析した「雇用アウトルック2013」を公表した。日本の25~54歳の女性の平均就業率は69.2%で、加盟34国中24位だった。OECDは「急速に高齢化が進む中で、女性の就業率引上げを中心とした人的資源のフル活用が日本の最優先課題だ」とし、政府が質の高い保育サービスの提供や長時間労働の削減などの対策を取るよう提案している。
アウトルックによると、2012年の女性の就業率が最も高かったのはスウェーデンで82.5%。アイスランドが82.3%、ノルウェーが82.1%と北欧諸国で高水準だった。オーストラリアやスロベニア、スイスも80%を超えている。その他の国では、アメリカが69.2%、イギリス74.3%、韓国61.2%。
数値だけ見ると日本の女性の就業率は健闘しているように見えるが、記事にもあるように「パート」「派遣」などの非正規雇用者率が高い。アメリカと比べると営業職や管理職の比率が圧倒的に低く、「家計のためにパートに出ている」人も多い。つまり自由に使えるお金はさほどないわけです。またリテラシーも高くない。Facebookにはほとんどいらっしゃらない層です。子供とか主婦同士でLINEやってるのがせいぜいで下手したらまだガラケーです。
パートに出ている主婦で「オシャレが趣味!」とか大声で断言できる人は少ないと思う。大半は頑張って年間130万(だっけ?)を越えないようにしつつ、子供の塾代とかを稼いでます。だからUNIQLOが売れるのです。数少ない本物のセレブ主婦はリテラシー高くないし、暇だからPinterestなんてやらないで店に行く。リテラシーが高くあるためにはそこそこの刺激のある職業についてないといけないわけで・・
「オシャレ大好き」と大声で言えるのは主に若年層で、これはこれでお金に縁がなくてピーピーしている。家が成金かキャバクラのバイトでもしない限り、雑誌で流行を追いかけてそのパクリを買うのがせいぜい。こうした若い女性はリテラシー低めでPinterestの存在すら知らないのが大半だと思う。試しに渋谷で街角アンケートやってください。
そしてなにより、日本でオシャレに興味があると断言する(若い)女性の方の多くは
人が持っていない個性的なものより、流行の人気のものを欲しがる
というアジア圏に共通した傾向値があるわけです。哀しい・・・
仮に電通さんがマジョリティ対象に大キャンペーン攻勢をかけて、グノシーみたいに認知度が上がったとします。しかしそれでiPhoneからアクセスしたオシャレ好きの若いおねーさま方は
「英語の投稿、意味わかんねーし!!」
「なにこれ、流行のが出てないじゃん。わたしはシャネルとかプラダが欲しい」で終わる可能性大なわけですよ。
確かにかっこいいけどね・・
渋谷でこんなん着て歩いてるの、宣材もってる外人モデルだけだよ・・・
そんなわけで、電通さんがもし日本でPinterestを流行らせたいのであれば、まずは女性の地位向上を行い、自社の部長、役員にも女性を積極的に登用しないといけない。今見たら、取締役、監査役、執行役員あわせて45人のうち、監査役にお一人いるだけでした。これはあかんやろ・・・
(追記)Pinterestが日本でだめかと断言してるわけじゃないのだ。発想を変えてプロモーションすればアメリカとは違う層がこぞって利用するかもしれない。そこに気づくかどうかが鍵だと思ってます。(意味深)
ついにコレ買ってしまった。体重計に乗るだけでペアリングされたスマホにデータが送られ、グラフ化されるのである。もう入力はいらない。明日届くからレポートを待て。