聞き分けのないクライアントとのつきあい方

2015年1月23日

本日、ふとネタが尽きた感がありまして、最近デバイスとかの事ばかり書いているので仕事系のことに振ります。で、メルマガで面白い質問無かったなと掘ってみたら、1ヶ月くらい前にこういうのがありました。

よって本日はこれについてメルマガ回答を掘り下げたいと思います。
せっかく送ってくれたんで、これも貼っておこう

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■頂いた質問■

Q.地方でウェブ制作(運営)業を営んでおります。お客様との付き合い方について質問させてください。こちらの意見を聞いて頂けるお客様がいる一方で、随分と的外れなことを言っているお客様も少なくありません。こちらの提案や意見が通らずに、お客様の要求が本来の目的から的を外れている場合どのように付き合っていくべきでしょうか。

具体的に、

・デザインばかり重視する(UIやSEOのことは気にしない)
・ユーザ目線が欠けている
・文字がやたらと多い
・スマホサイトは現状いりません
・その人のセンスで押し通す

等々、特に、ネット関連に”若干”詳しいお客様ほどその傾向が強かったりします。また、紙出身の方はデザインはうるさいです。30代後半から40代前半くらいが特に多い気がします。そのような状況になることの多くは、私が若いということ(お客様が体育会系の場合特に)と、永江様ほどすごい実績があるわけではないということが理由としてあると思っています。(もちろん実績出したお客様はこちらの言い分を聞いてもらえます)
もちろん、そのようなお客様とは付き合わないこともできますが、まだまだ手放したくない状況でもあります。徐々に実績は出てきましたが、まだまだ突き抜けれていない状況です。このようなお客様は割り切って付き合うべきでしょうか。もし永江様が20代後半の私の立場の場合、どのように対処されますでしょうか。

なんだ、この既視感!!!デジャブー

いますね、こういう人。多少聞きかじった程度でプロになったつもりの人たちですね。「若干詳しい」というのがミソで、本当に詳しかったらこんなこというわけないというのがヒシヒシと伝わってきて痛い。
このあまりにありそうな質問に、わたしがどのように回答したのか、メルマガでは答えられなかった部分を書き加えて回答します。

●わたしの回答●

幸いにして今の私は仕事を選べる立場になりましたので、こういう客ははっきりと断ります。その場で席立ってかえります。「仕事をお願いします」と言われて行ったら「競合プレゼンです」と言われて「じゃあ結構です」と、そのまま帰ってきたこともあります。「競合プレゼン」してまで仕事いらない。それより「永江さんとやりたい」という人に全力で協力したい。

一昨年のことですが、私に直接「今度入社したキャリアたった2年(!!)の新入社員が永江さんのやった仕事についていろいろとアドバイスとか改良点があるというんですがお聞きになりますか?」といったクライアントがいましたが、その瞬間に「だったらその新入社員と2人でやったらいいじゃないですか」とコンサル契約打ち切ったことがあります。
まあこの人がとくに空気読めないだけなのかもしれませんが、世の中の↑のようなワカッテナイ人たちも空気が読めないのです。こちらは20代でもそれで飯食ってるわけですらプロです。ブロとアマの違いは明確に存在しており、錦織君が20代だからって馬鹿にして、ラケットはこう振るんだよ的にアドバイスするおっさんがいないのと同様、WEBの世界でもわきまえてもらいたいものだ。

とまあ、こんだけ上目線で言えるのは20代をとっくの昔に終了してあれこれと経験を積み、仕事の打診もそこそこいただいているから言えるわけでございます。まだまだ経験と実績の少ない20代後半の場合はどうするかです。

客を選別しよう

客を仕分けします。「金のため」の客と「本気で一緒に頑張りたい客」です。同様に気合いを入れると後者に失礼ですのでまずは「金のための客」とのつきあい方です。

1 金のための割切った客

この仕事は自分の実績には入れない覚悟を決めます。で、素直にその客の言うとおりやってあげます。これが早いです。抽象的に発注するヤツはあとでイメージと違うとか平気でほざきますので、あなたのイメージしているサイトの具体例を挙げてくれとお願いし、そのまんまで仕上げます。それにもかかわらず修正とかガンガン言う場合は(こういう客はその確率が高い)、きっちり請求します。そのように最初に契約書を作成してください。契約書を交わさないで受けてはいけません。

こうしたケースで素人のいうままに仕事をしても効果を出せる確率はぐんと下がりますので、自分のキャリアには結びつきませんし、こんなモノ作ったということで自分の信用も失います。繰り返しますが、実績の例とかには入れないでください。たまに「カッコイイの作れって言われてそのまま作ったな」というサイトを実績にいれている制作会社がありますが、わたしはそういうところとは仕事しません。

つくまりこういう客は「金づる」とだけ考えて、キャバクラ嬢が客に接するように接しましょう!!
ヨイショしておだてて相手に満足感を与えてあげるのです。

2 一緒にやっていけそうな相手

最初は素人的なことをいう人でも、相手が馬鹿でなく、素直で、かつ人間的に相手のことが嫌いでなく、なんとか成功させてあげたいときは口頭でなくてデータで説明します。つまり理詰めです。
相手が誤解している理由の大半は、無知から来ていることが多いので、「スマホサイトはいりません」と言われたら、口で説明するのではなく、たとえばこういうデータつけます

インターネットへの入り口はスマホへ移行 ~ニールセン スマホシフトを見える化したレポートを公開~

馬鹿でなければ、こうしたしっかりした調査データは理解するはずです。ユーザー目線についてもいろいろな調査データがありますよ。UIについても無論あります。情報を探すうちに自分にも勉強になってきます。そうすれば客にいろいろと提案もできます。トライ&エラーを繰り返すうちにお客さんのサイトの集客は増え、収益性も増していきます。こちらの実績にもなります。

素人のお客さんを説得するのに一番いいのは自分の実績です。受託だけではなかなか難しいこともありますので、自分のサイトを持って、いろいろ試したほうがいいわけです。実は私もブログではいろいろ試したりデータを取っています。正当派のアフィリエイトサイトをやってみるのもいいと思います。SEOやコンテンツの作り方、顧客の誘導やABテストのノウハウはかなりつくと思います。もしかしたら副収入になる可能性もあるし。ただブラックハットでゴリゴリにするのはなんのキャリアにもならないのでやめましょう。「実は自分、月間××円稼いでくれる正当派の商品アフィリエイトサイトをやっているので、集客とかも研究してかなり詳しいです」というだけでお客さんは話を聞いてくれます。やるならA8のリンク貼っとくよ。



実際に集客に成功していてその経験を説明しているのに、数値やデータも示しているのに説得できない。その場合はやはり相手は馬鹿なので1に仕分けし直してください。

発注側の皆さまへ

さて、そういうことですと、この読者にも発注側はいると思いますが、制作会社に発注した際、相手からはなんの提案も出ず、「はいはい」とあなたの言うとおりにやっている場合、あなたは1に分類されているということになります。その場合、胸に手を当てて対応を考えるか、もし自分に思い当たる節が無いなら相手が手を抜いてるだけですので、つきあいは考え直したほうがいいですよ、と書いて終わりにしますわ。1に仕分けされていると同じお金を払っていてもかなり損です。

Windows8.1のタッチパッドをMacに近づけるべくいろいろやっております。今度はコレ買ってみた。まだ届かない。

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