まあ、そうだろうなという記事が東洋経済に出てましたね
地方を滅ぼす「名ばかりコンサルタント」
「パクリの再生計画」に自治体の未来はない
従来から、自治体の地域活性化分野の業務といえば、施設開発もコンサルタントを入れ、商品開発もコンサルタントに頼み、委員会の事務局もコンサルタントが取り仕切る、とまぁ、コンサルタントと呼ばれる「人」や「会社」に、なんでもかんでも外注されてきました。しかし、現状を見ればわかるように、そんなやり方をしているからこそ、地域は衰退を続けています。「地域の将来の行方」をコンサルタント任せにしてしまっては「結果」は見込めないのです。
まんま、これ。
自分には一生こんな依頼は来ないと思うので言いたい放題書いてみます。まず自分は「仕事のご依頼について」にも書いているように、決済責任者が自分で汗をかかない丸投げ仕事は受けません。決裁権のない担当者や、ましてや外部に丸投げしてうまくいった例しがないということを経験上知ってるからです。そういう意味ではいまでは見る陰もないが、宮崎県知事になったときのそのまんま東は凄かったと思います。自分で汗かいて観光客引っ張ってたから。
中にはヒラ職員でも、意欲に溢れて知識も豊富で自ら切り開いていくケースも0ではないかと思いますが、日本の縦割り社会では厳しいでしょ。特に役所みたいなガチガチのところではいいたいことも言えないです。ここ、有川浩さん(失礼ながらずっと男性だと思っていてさっき写真が出てきて女性だと気づいたときの驚!!)の
読むとよくわかります。AmazonではKindle版、つまり電子版がないので自分はBookliveの電子版で読みました。
↑この小説はフィクションということになっているが、高知県庁にできたおもしなし課の若い職員が頑張っていろいろやって小説家に小説にしてもらったり公式ガイド作ったりするストーリーで、話自体は面白いが実際にそれで観光客が増えたかどうかまで書かれてない。「で、効果は?」という感じでした。この小説が出たのが2011年3月ですが、高知県への県外からの観光客数は公式発表だと
(単位 千人)
平成24年 3840
平成23年 3882 「県庁おもてなし課」出版
平成22年 4359 NHKで龍馬伝が放送される
平成21年 3156
ということで、大河ドラマの効果がでかく、そのあとは減りつつあります。なかなか小説くらいじゃ行かないよね。
しかしエジプトが4000年前の遺産で今も食えてるのと同様、100年以上前に脱藩した坂本龍馬1人で食えてる点が凄すぎです。ちなみに龍馬は黒船に密航しようと伊豆の下田に行ったのですが、その逸話だけで下田に龍馬系の店とか銅像とかいっぱい。これ、きっと日本中にあるでしょ。
素人の自分が思う地方の観光客誘致のアレな点
東洋経済では名ばかりコンサルタントによって「劣化コピー」ばかりが創られて、とあります。地方の名産品とかもう死ぬほど土産物屋に溢れてるし、だいたい↓のようなOEM品を一緒に並べて販売している時点で終わってる。こういうOEMと並べられると、それ自体が「本当に名産なのかよ」という目で見てしまう。
どっかのパクリみたいな名産品はもういらないのです。やるなら徹底的にやらないとダメなのです。首都圏近くで自分はここはけっこう頑張ってるなと思うのが千葉の勝浦市。サーフィンの世界大会のために駐車場を整備して無料化(以前は1日1000円集金に来ていた)してシャワーも設置したり・・・自分も見てる所は見てます。
勝浦市の飲食店が同じメニューで争う勝浦タンタン麺
そして
物凄い数のひな人形が一同に会するビッグひな祭り。B級グランプリまでやってました。写真は両方とも自分で撮ったのだ。
しかしこんな事言っては勝浦の人に叱られますが、ひな祭りやB級グランプリで集客できるのは開催日だけ。さらにはB級グランプリはいくら駐車場が賑わっても地元の飲食店にはお金を落とさない。めちゃ手間がかかる割にやる意味あるのかな。
勝浦タンタン麺にしても、たしかに有名店はけっこう並んでいるが、食べると単に咳き込むくらい辛いだけで本格的な胡麻担々麺みたいにコクがないから1回でいいやになっちゃう。それならシャワー付きの無料駐車場のほうが年間で見たらよほど誘致しているように思います。満車で100台以上はいるのに、土日は年中だいたい満車ですから。ただしサーファーはコンビニばかり行くので地元の飲食店にとっては?です。
わたくし・・・地方の観光の活性化のためには以下の要素が必要だと思うのです
1 数日単位ではなく、少なくとも数ヶ月単位で集客できる
2 アピールできる「オリジナル商品」
3 首長自身が「なりふり構わず」営業
4 街全体のレベルの統一
2については物まねでない、その街でしかできないものでないといけない。自分がいままで行った日本の街では浜松がまるで外国のようで驚いた。市内のカフェにはブラジル人がたくさんいて、金髪花盛りなんです。ブラジル人専門のスーパーのお総菜が肉肉系でボリュームが凄いし、売ってるのはブラジル食材。サーフィンしていると周囲に何人もブラジル人とかペルー人。
ブラジルのオリンピックに向けて、どうして浜松市は「日本にいながらブラジル気分」という観光施策を採らないのか謎でしかたない。地方オリジナルというとずっと昔からのものばかりに目がいきがちだが、現在の特性を活かしたほうが絶対ウケるのにもったいない。常磐ハワイアンセンターは昔ハワイが高かった頃に代用品だったわけだが、いまでもブラジルは遠い。だったら浜松にいって街中ブラジルになってるのを楽しむのはアリだと思います。
無理矢理創ったドイツ村とかフランス村と違い、そもそも何千人も素の美男美女のブラジル人がいらっしゃいます。ブラジル料理の店とかスーパーもたくさんあります。こんな観光資源があるなら、アジアからだって観光客が来ますよ。
4の街全体のレベルについてですが、いま欧米のスキーヤー、スノーボーダーに野沢が人気らしいのです。野沢はバブルの頃は「野沢菜しかないダサイスキー場」という感じで、当時ではお洒落とされた苗場や白馬の足元にも及ばなかった。逆にそのおかげで無茶苦茶な開発が行われず、古い温泉のたたずみが残っていて、いまやそれが人気なのです。大切にされた13の外湯があり、これがまた大人気だとか。でかい箱だけ創っても、周囲のレベルが揃わないとダメ。スカイツリーの周辺も全然客が来てないらしいよ。
しかし・・・田舎の場合は、都会と違って気質的に難しい点もある。都会ではそもそも隣が何をしていようが気にもしないのだが、田舎はそうではない。誰かが集客に成功すると「××ばかりいい目を見て・・」なんて思われがちだし、陰口も叩かれる。なにか立ち上げようとすると、一緒にやるどころか「そんなんやめておけ」と、足を引っ張る人が多いというのもよく言われる。だからある程度、強いリーダーシップを持った首長が先頭にたって波風を被ってくれないと進まないと思う次第です。
あと、タレントの「観光大使」とか全く無駄だと思います。「××ちゃんが観光大使だからいこー」っていう人がどれくらいいるのか、考えたらわかる。だったら旅行大好きな人気ブロガー(月間50万PV以上はある人に限る。アメブロの計測値ではなくて www)をあご足つきで招待し、好きなように書いてもらうくらいのほうがよほどお金もかからないし効果的なように思いますよ。
それにしても絶対売れて無さそうな本発見です