Appleが高級ブランドに進出ということで、いままで世界のお金持ち、成金、はたまたセレブに憧れる実はけっしてお金持ちでない人たちから搾り取ってきた高級ブランドの皆さまの猛追が凄いです。
もっともApple Watchにしたところで、中身が4万2800円のものと同じなのに、ケースを18金にしただけで価格を128万円〜218万円にするとは、いくらお金持ちの中国人であってもまともなオツムなら「馬鹿にすんなよ」くらいは思うはずです。
218万の買ってもそのへんのにーちゃん、ねーちゃんが4万2800円のを嬉しそうに着けてるのを見たら、だいぶん気分が沈むと思います。ローレックスが5万円の廉価モデルを出さないのはそういう理屈なんですが。まあローレックスと同じくどこかの国でメッキでそっくりさん作って中身はAndroidっていうのもすぐ出そうだし。
で、Apple Watchの18金モデルですが、42ミリケースで69グラム。24金の価格は現在1グラム5000円くらいですので、18金でなくて部品含めてまるごと24金であってもステンレスモデルとの地金の差は
69×5000= 34万5000円
くらいとなります(留め金もゴールドですがケース全部がゴールドではないのでまあこんなものか)。これを120〜210万以上の価格差で販売するわけですから、物凄い利益率ですな。5年くらいして陳腐化したやつをコメ兵に持って行ったら地金代の25万円くらい(18金なのとコメ兵の利益除く ww)で買ってくれるでしょう。もしかして金が値上がりしていたらもう少し高いかもしれない。
さて、こうしたことに一番苦々しく思っているのはいままで何十万、何百万という価格でブランド品を売っていた欧州の皆さんだ。彼らにとってみれば数十年、または100年規模という時間とたくさんのコストを掛けてストーリーとブランドを作ってきたところに、アメリカのカリフォルニアの田舎者(ヨーロッパのみなさんにとって)のオタクたちが自分たちの懐に手を突っ込んできたわけだから、そりゃもう頭にくるでしょう。
で、この人たちは「デザイン」とか「質感」については物凄いノウハウがあり、「販売ルート」も確立されている。世界の免税店でブランド品は売っているがAppleストアが入ってるDFSは見たことがない。ひょっとしたらApple Watchのために上海あたりのDFSにAppleが出店するかもしれないが、そうなったらなったのことで、従来のAppleのゴリゴリのファンが少し失望するだけのことであるが大多数の人はなんとも思わないだろう。
昨日、アスキーでこういう記事を見ました。
スイス時計メーカーが作ったスマートウオッチはため息が出るほど凄すぎな件
これだけでも面白いのですが、この記事からリンクを辿り、各メーカーのサイトをぐるぐる見て回りまして、
マジでヤバい
と思いました。本日は後追いではありますが、自分が見て回った感想です。
機械式のブルガリ・ディアゴノ・マグネシウム・コンセプト
100% Swiss, 100% security, 0% gadget: the Diagono Magnesium concept presented by Bulgari at Baselworld 2015 as an exclusive world rst is the complete opposite of everything the world of so-called connected watches is able to offer. A self-winding mechanical watch in-corporating all the codes of luxury, as well as an electronic passport connected to the watch and its wearer, whose condential data now enjoys total protection. This veritable intelligent vault is the result of a partnership between the luxury brand and WISeKey, a leading Swiss company in high digital security and sensitive data storage.
Learn more at http://www.bulgari.com
ゴールドやステンレスみたいな従来よくある素材じゃありません。マグネシウム合金です。レースカーの超高価なホイールに使われてるアレです。
調べていたら、なんとわたしの愛機のLavie Zのボトムケースがマグネシウム合金だって初めて知りました。だから13インチのノートPCでMacBookProの半分の700グラムの後半の重量なんですね。それくらい軽い。この機械式の時計の中にチップが仕込んである。
まずはこの動画です。
このブルガリのマグネシウム合金の機械式時計は、鍵としての機能が正面に打ち出されている。家や車(動画ではマセラティ)もこれで開く。アプリはiOSとアンドロイド版がすでに提供されていました。
このアプリ、もうちゃんと動いているようです。
スマホとの連携はNFCで行う。最新のAndroidはもちろん、iPhoneは6から搭載されたよね。
時計を頑丈な鍵として使う。この発想は凄い。車の鍵や家の鍵は無くしたり、知らないうちに型を取られて複製を作られたりすることもあるだろうが、時計ならいつも着けている。無くすということは一般の鍵の確率に比べて非常に小さい。だいたい盗まれたらすぐ分かるし!!
さらにスマホを鍵にすると落として壊すということがあるが、頑丈なマグネシウム合金の装甲に覆われた時計ならその心配はまずない。
こうした時計を買うセレブの皆さまは、電車の中でせっせとメールチェックをしたり、ましてや万歩計で「本日何歩歩いたか」とか計測する必要なんてないでしょう。そもそも歩かない代わりに高級なジムで専属トレーナーがついてトレーニングしております。ましてや1日1回充電を忘れずに、なんてことは面倒くさすぎてできないでしょう。わたしのイメージの中では「トランスポーター」の新作でジェイソン・ステイタムがこれでAudiとか隠れ家の鍵として使いそうです。ちなみに映画の中ではパネライのルミノールクロノを使ってました。
高っ!!! Apple Watchの金貼くらいする。
あと、時計専門メーカーはやはりデザインのセンスがいいなと思ったが・・スウォッチのタッチ・ゼロワンも突き抜けている感じでかなり良いと自分は思う。力はいってる。高級メーカーじゃないけど意地を感じる。
ビーチバレーのお姉さんの筋肉が凄い!!
こう見てくると、Apple Watchが数億個(人類の50人に1人が所有!!)売れるとか言ってる評論家は頭が腐ってると思う。ファッションとして持つ場合、一番イヤなのは
他人とのカブリ
である。スマホはファッションとして持つわけじゃないから電車の中で馬鹿っぽいギャルとかオタクっぽい眼鏡の子が持っていても何の気にもならないが、ファッションはそうではない。自分がしているApple Watchを「自分が一番苦手とする」タイプの人間が嬉しそうにしているのを見かけたら・・たぶん自分ならそっと外してポケットにしまうでしょう。ユニクロのカブリが気にならないのはあれはファッションではないからです。
ファッションとしての所有物は自分を具現化するもので、価値観を表現するものなのだから、Apple Watchが何億個も売れることはまずないと思う。売れても数百万個の単位で、買うのはApple大好きッコたちに限られると思っております。
あと、わたしの愛用のリップカールのサーフィン用のスマートウォッチ「SerchGPS」を装着したサーファーの大会が日本で開催されます。
ウェラブルデバイスってこういう使い方が楽しめるわけで、リップカールのスポンサードしている世界大会では選手がコレを着けて、「ただいまの最高速は!!」みたいに動画配信とも連動されていました。自転車やスノーボードの大会とかでもありえるんじゃないの?
最近、Twitterで教えてもらってスティーブン・ハンターのボブ・リー・スワガーにはまりまくり、全シリーズを買いまして8割まで読みました。面白い。面白すぎる。ハードボイルドに洒落た会話。そして銃器が出てくる出てくる。日本を題材にした「47人目の男」も最高だったけど、筋が分からなくなるのでまずはシリーズ1巻目のこれをお読みください。
このあとで映画も。映画はだいぶん別物になっていますがそれでも面白いよ。原作に何度も出てくるけど実際の主人公のイメージはクリント・イーストウッドです。このシリーズについてはいずれブログで丁寧に書くつもりです。それくらい面白いよ。