自ら撮影したイメージカット www
前号のメルマガでなかなか面白い質問頂きましたので、ブログで拡大回答版です。メルマガでは文字数があるので少ししか書けません・・
現在都内に住む25歳フリーターです。これまで事務、営業など色々と職を転々としており、どれも長くは続きませんでした。スーツを着たくないし、会社に所属すると色々と人間関係も気を使い、息苦しいです。こんなわがままな自分なので、何か自分でやるしかないと思いました。まだ需要も多く、手に職をつけられると思い、プログラミングを勉強して、これから何とか受託などしつつ、フリーなど独立して生活していこうと考えております。しかし、当たり前ですがいきなりランサーズなどで仕事ができるはずもないのでどのようにしたら良いかと悩んでおります。やはり、まずは未経験でも採用してくれる会社に就職して、一通り仕事の仕方を学んで、それから独立するのが良いのでしょうか?永江一石さんの意見を聞かせてください。よろしくお願い致します。
キタコレ!人生相談
いま、たくさんいそうですね。こういう方。昔もいたんでしょうけど、社会がどんどん豊かになってる時代なら、「自分も我慢して頑張れば将来が明るくなる」と信じることが出来るので、多少苦手に感じることでも頑張れたんですが、いまはそうじゃない。「のんびり行こうよ」と思うのは別に悪い事ではない。がそのためには自分で努力して自分の能力を高めないといけないわけ。
自分は常に人に頼りにされたいので、田舎でのんびりは絶対イヤ。死ぬときはPCに向かってキーボードに突っ伏してと思ってるわけなので(笑)、一生リタイヤはする気はありません。
関係ない話に飛ぶが・・テレビとかで若いのに「のんびり生きたいので田舎で流行ってないカフェやってます」的な人が出てくるのだが、いつも不思議に思うのが「その費用はどこから出たのだろう」ということ。マルチでもやってるのだろうか(www)、親が金持ちなのか・・どうでもいいが、自分はそういうのは苦手です。暇で死ぬ。
遊ぶのは好きだけど、それは必死に働いて金と時間を捻出するから楽しいので、毎日遊んでいいと言われたら絶対飽きる。仕事も趣味の一環なので楽しく仕事しています。こういう感じに巧いこと昇華できると働くのが楽しくなるよ。
楽しくないから仕事がブラックに感じる
わけでして、仕事が楽しくてたまらないなら、遊びと同化してしまう。完徹で遊べるように完徹で仕事しても楽しくて仕方ないようになるわけで・・・会社勤めだと「やらされてる感」がどうしてもあるから、起業するとその分はなくなります。店舗オーナーなんて1日15時間働いてるとかザラだけど、けっこう楽しくて仕方ない人も多いはず。
受託で仕事するなら営業力は絶対必要
この質問者で最初のツッコミどころはここです。
誰かから仕事をもらって売り上げをたてる場合、いちばん大事なのは営業能力です。仕事さえできればどんどんくるなんて言うのは夢の夢。営業できないのでクラウドワークスとかランサーズで応募しようとすると、徹底的に叩かれてブラック発注になるわけです。営業が出来ればクラウドソーシングで仕事を探す必要もなくなります。
デザインに自信があるからとデザイン事務所を独立させたり、自分はプログラマとして優秀だからと独立しても行き詰まるケースを何度も見て来ましたが、だいたいの原因は営業能力の欠如にあります。営業能力って別に電話を掛けまくるわけではなくて、仕事をしたときに「この人と仕事をすると快適」って思わせる力。それがあれば次々に仕事って来るものなのです。
エンジニアを未経験で採用する会社はあるか
あると思いますが、Web系ではあまりないと思われます。
仕事として未経験であっても、大学が理系とか専門学校で基本的な知識はあるということなら、新卒で採用するWeb系の大企業はもちろんあります。ただ、全く何も知らない人をエンジニアとして採用してくれるのは、主に基幹系の三次請け、四次請けみたいなところになります。
IT・Web系エンジニアの「三次請けあるある」 リクナビネット
まあ要するに派遣で、しかもジャンル的にはブラックに分類されるところが多い。どうして未経験でも採用されるかというと、とにかく求人ができないのと、細分化された仕事なので教えやすいということもあります。派遣なんで一人入れるといくらと会社は売り上げが立つので、全く経験がない言語の仕事なのに「あります」といって契約先に入れてしまうめちゃくちゃなところもあるとかないとか。
しかしこういう三次請け、四次請けで仕事をしても、言語がいまさらCOBOLだったり(本当らしい)、切れっ端のソースを書く仕事だったりするので将来にはつながりにくいです。独立すると今度は五次請けになったりします。www
Web系のエンジニアは、自分の周囲を見ますと専門学校に行ったり、誰かに習ったという人はほとんどいません。たいがいが「興味があったので自分で勉強した」という感じ。ホリエモンは中学生の時にMacのHyperCardでゲーム作って小遣い稼いでいたそうですが、プログラムを書くのが面白くて楽しければそれは遊びなわけですから、人様に習うよりよほど上達が早いです。「夜遊びの仕方」「サーフィンの仕方」「自転車の漕ぎ方」を学校で教えてもらって上達した人がいないのと同様ですな。楽しいと思えば上達するし、苦痛だと思えば一流のエンジニアにはなれません。
なので本当にエンジニアになりたいのなら、営業経験があるわけだから、それを売りにしてエンジニアがいるWeb制作会社に営業として潜り込み、そこでいろいろ学びながら、空き時間や休みはプログラミングに没頭する。普通のエンジニアは仕事が忙しくて机の下で寝ていたりするから、営業の新人が「実は将来エンジニアになりたいんですけどどんな本から読めばいいですか」とおずおずと聞かれたら、ダメ元で「いつかこいつが使い物になったら自分は楽になるな」とトラの皮算用でいろいろ教えてくれると思います。
人付き合いが苦手でも成功できる世界
そんなわけで、あくまで「受託」をメインにして生きていこうとするなら「営業能力」がないといけないわけです。でもこういう生き方もありますよ。
「秀丸」の秀まるおさん、そろそろMac版はいかがでしょう? 気になることを全部聞いてみた。
昔からWindows使ってた人なら1回はダウンロードしたことはあるであろうテキストエディタの「秀丸」。開発者の斉藤秀夫さんは富士通を退職して独立した。福井県鯖江市で山登りやらゴルフを楽しみつつ、秀丸のバージョンアップをされておられるようです。まさにロハス生活。面白い記事でした。
有限会社サイトー企画を作る時に、都会の方だと誰も知り合いもいないし心細いので、うちの親に手伝ってもらおうと思って、それで田舎に帰りました。うちの会社は秀丸エディタなどのソフトだけの商売だし、お客さんと打ち合わせすることもないし、場所的に困ることは何もないです。便利な所としては……とりあえず山登りやらゴルフやら、その他いろいろスポーツとか散歩とかしようとした時に、田舎の方が何かと便利だなぁとは思います。
エンジニアって技術力があればこういう生き方もできるわけで・・・しかも自分の開発したアプリケーションが人の役に立っている、つまり社会貢献しているという充実感も大きいでしょう。
こういうことができるのもエンジニアならではって感じですね。
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